○○
来てしまった。 無一郎の家の前に。
○○
謝るのは早い方がいいよね
ピーンポーン
無一郎
○○
何言ってるんだろう私
今更恥ずかしくなっていると ドアが開いた。
ガチャッ🚪
無一郎
○○
お菓子とジュースが入った袋を 見せると、小さく笑われた。
無一郎
○○
無一郎
「とりあえず入って」と言われ 風が冷たかった為お邪魔した。
○○
ちゃんと謝ろう
そうやって 噛み締めていた口を開いた。
○○
無一郎
明日も学校、席は前後だし… 言わなきゃ後悔するよね
○○
まあ後悔も本心だけど、 本当は無一郎と距離ができるのが 寂しかったから。
元々友達も多くないし。
○○
無一郎
あまりにもケロッと言われ、 私の方が呆然とした。
無一郎
戸棚からコップを2つ取り出し 私に片方を差し出してくれる。
○○
うわー、と力が抜けて 足を伸ばしベッドに寄りかかる
リラックス状態になり、 いかに私が緊張していたかが 分かった。
その状態で無一郎の家にまで 押しかけた私、すごい。
無一郎
○○
私みたいに仏頂面じゃないし。
遊園地のチケットを貰えば、満面の笑みで受け取ってくれる子だろう。
無一郎
○○
優しく微笑んで私の頭を 撫でてくれる無一郎。
何この子供扱い。
自分の方が弟属性のくせに。 事実弟だし。
無一郎
○○
あとから思ったけど、 無一郎って凄く計算高い。
無一郎
○○
無一郎
○○
無一郎
○○
無一郎
○○
こんなにお互いはてなマークの 会話があるだろうか。
この曇ない目に「なんで?」と 聞かれたら負けそう。
○○
そう言って鞄を持ち スタスタと玄関へ向かう。
無一郎
突然に腕を引かれてから 壁に追いやられる。
なんてスマートで強引な 壁ドンなんだろう。
無一郎の壁ドン全集 ぜひ出版したい。
○○
行動がいちいち少女漫画。
無一郎
○○
こういうのをドキッとしたと 言うのだろうか。
でも何かが違う気がする。
無一郎
ぷはっと 下を向いて笑う無一郎。
彼は意外とよく笑う。 ツボはいまいちよく分からないが 笑っている姿はよく見る。
無一郎
「帰るなら送る」と何に満足したのか知らないが、事態が一変した。
○○
無一郎
手のひら返しで 褒める方向に進みよって。
○○
無一郎
なんだか無一郎の掌の上で 転がされている気がする。
まあいいか。
○○
無一郎
どんな言い訳だよ
無一郎
完成品を持ってこない辺り 有一郎の教育心か見える。
無一郎
無一郎
何を作ったんだよ本当。
一方、お兄さまの有一郎は 家事得意すぎる。
ガサツですぐ怒りそうなのに 家庭的すぎる、欲しい。
○○
無一郎
○○
○○
無一郎
無一郎
○○
お風呂をあがって部屋に行くと 一番にそう声掛けられる。
ちゃんと二人分用意されてて 私を泊まらせる計画に狂いはなかったんだろうなって。
無一郎
○○
無一郎
○○
私もパクッとアイスを 口にしてからテレビをみる。
そこそこアウトな発言をした無一郎だけど、彼はそういう人だ。とスルーしておいた。
無一郎
○○
お風呂上がりなんて そんなもんなのかな。
ってどうでもいいけど 私泊まりに来て二日とは思えないくらい馴染んでるよね。
馴染み具合 神がかってるよね。
○○
無一郎
現代人だねって 感想を述べようとしたが、
最後にレトロな趣味が+され 何も言えなかった。
……この時代に紙飛行機って。
無一郎
○○
無一郎
○○
この時代に紙飛行機で 喧嘩ふっかけてくる人は そう多くないと思う。
鞄から一枚プリントを渡せば 無一郎はそそくさと折り始めた。
無一郎
ヒョイっと投げられた 弱そうな紙飛行機。
○○
無一郎
私の中の紙飛行機のイメージが 総崩れした瞬間である。
何あれ生きてるのってレベル。
○○
私の胸にストッと当たり 落ちた紙飛行機。
友人の意外な才能を 知った日だった。