TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

○○

……………

来てしまった。 無一郎の家の前に。

○○

まあ流石にさっきのは謝らなきゃだし……

謝るのは早い方がいいよね

ピーンポーン

無一郎

はい←インターホン越し

○○

えっと、デリバリーです

何言ってるんだろう私

今更恥ずかしくなっていると ドアが開いた。

ガチャッ🚪

無一郎

何、スマイルってデリバリーあるの

○○

スマイルは……どうだろう

お菓子とジュースが入った袋を 見せると、小さく笑われた。

無一郎

ふふっ、この時間から食べる気?

○○

言うと思ってモズク買ってきた

無一郎

変なとこ用意周到だよね

「とりあえず入って」と言われ 風が冷たかった為お邪魔した。

○○

……

ちゃんと謝ろう

そうやって 噛み締めていた口を開いた。

○○

……無一郎、さっきはごめんなさい

無一郎

なにが?

明日も学校、席は前後だし… 言わなきゃ後悔するよね

○○

誘ってくれたのに、すごい嫌な対応した

まあ後悔も本心だけど、 本当は無一郎と距離ができるのが 寂しかったから。

元々友達も多くないし。

○○

本当は嬉しかったんだよ

無一郎

知ってるよ。結構長く友達やってるし

あまりにもケロッと言われ、 私の方が呆然とした。

無一郎

だってチケット見せたとき顔明るくなったし。スマイルは出なかったみたいだけど

戸棚からコップを2つ取り出し 私に片方を差し出してくれる。

○○

め、めちゃめちゃ怒ってると思った………

うわー、と力が抜けて 足を伸ばしベッドに寄りかかる

リラックス状態になり、 いかに私が緊張していたかが 分かった。

その状態で無一郎の家にまで 押しかけた私、すごい。

無一郎

まあスマイル注文してんのについてこないのはクレーム案件だけど

○○

……スマイルがすぐ出てくる子はもっと素直でいい子だよ

私みたいに仏頂面じゃないし。

遊園地のチケットを貰えば、満面の笑みで受け取ってくれる子だろう。

無一郎

ごめんなさいがちゃんと言える子はいい子だよ

○○

………

優しく微笑んで私の頭を 撫でてくれる無一郎。

何この子供扱い。

自分の方が弟属性のくせに。 事実弟だし。

無一郎

それで、行くよね?

○○

………行く

あとから思ったけど、 無一郎って凄く計算高い。

無一郎

にしても、今日謝りに来るとは思ってなかったけど

○○

私も家の前まで来た時には自分に引いた。家入れてくれてありがとう

無一郎

いいえ。これ開けていい?

○○

うん。私チョコの方がいい

無一郎

ねえ、泊まっていくでしょ?

○○

え、帰るけど

無一郎

なんで?

○○

逆になんで?

こんなにお互いはてなマークの 会話があるだろうか。

この曇ない目に「なんで?」と 聞かれたら負けそう。

○○

二日連続でお邪魔できないよ

そう言って鞄を持ち スタスタと玄関へ向かう。

無一郎

謝りに来たんだから一つくらいお願い聞いてくれてもいいんじゃない?

突然に腕を引かれてから 壁に追いやられる。

なんてスマートで強引な 壁ドンなんだろう。

無一郎の壁ドン全集 ぜひ出版したい。

○○

無一郎がいれば恋愛映画50本は作れそう

行動がいちいち少女漫画。

無一郎

ドキッとした?

○○

うーん、意識が飛びそうな感じ

こういうのをドキッとしたと 言うのだろうか。

でも何かが違う気がする。

無一郎

なにそれ

ぷはっと 下を向いて笑う無一郎。

彼は意外とよく笑う。 ツボはいまいちよく分からないが 笑っている姿はよく見る。

無一郎

ごめんね、本当は○○のご飯が食べたいだけ

「帰るなら送る」と何に満足したのか知らないが、事態が一変した。

○○

……そういえば私が泊まると思ってる?

無一郎

思ってる

手のひら返しで 褒める方向に進みよって。

○○

大正解。朝何食べたい?

無一郎

うーん、お味噌汁とか

なんだか無一郎の掌の上で 転がされている気がする。

まあいいか。

○○

無一郎って料理とかしないの?

無一郎

おままごとに力を入れてるから

どんな言い訳だよ

無一郎

食材が兄さんが買ってくるけど……

完成品を持ってこない辺り 有一郎の教育心か見える。

無一郎

大惨事なんだよね、僕が料理したあとの台所

無一郎

正直自分でも引いた

何を作ったんだよ本当。

一方、お兄さまの有一郎は 家事得意すぎる。

ガサツですぐ怒りそうなのに 家庭的すぎる、欲しい。

○○

ていうかその兄さん呼びなよ

無一郎

来てくれるなら○○に壁ドンしてまで頼んでないよ

○○

なるほどね

○○

まあそれなら……今日もお邪魔させていただきます

無一郎

どうぞどうぞ♪

無一郎

おかえり、アイス食べる?

○○

あ、うん……貰おうかな

お風呂をあがって部屋に行くと 一番にそう声掛けられる。

ちゃんと二人分用意されてて 私を泊まらせる計画に狂いはなかったんだろうなって。

無一郎

なんかさ、

○○

うん

無一郎

○○が僕と同じ香り纏ってるって興奮するね

○○

歯磨いて寝なね

私もパクッとアイスを 口にしてからテレビをみる。

そこそこアウトな発言をした無一郎だけど、彼はそういう人だ。とスルーしておいた。

無一郎

……なんかやばい、○○の色気がすごくて

○○

無一郎も大概だけどね

お風呂上がりなんて そんなもんなのかな。

ってどうでもいいけど 私泊まりに来て二日とは思えないくらい馴染んでるよね。

馴染み具合 神がかってるよね。

○○

無一郎って普段なにしてるの?

無一郎

普通にテレビ見たり、スマホいじったり、紙飛行機つくったり

現代人だねって 感想を述べようとしたが、

最後にレトロな趣味が+され 何も言えなかった。

……この時代に紙飛行機って。

無一郎

何その目は

○○

可愛い趣味をお持ちだなって

無一郎

言っとくけど僕の飛行機死ぬほど飛ぶからね

○○

思ったより好戦的な趣味だったわ

この時代に紙飛行機で 喧嘩ふっかけてくる人は そう多くないと思う。

鞄から一枚プリントを渡せば 無一郎はそそくさと折り始めた。

無一郎

………完成。いくよ

ヒョイっと投げられた 弱そうな紙飛行機。

○○

訳わからんくらい飛ぶじゃん何あれ

無一郎

でしょ

私の中の紙飛行機のイメージが 総崩れした瞬間である。

何あれ生きてるのってレベル。

○○

おぉぉ……あ、戻ってきた

私の胸にストッと当たり 落ちた紙飛行機。

友人の意外な才能を 知った日だった。

スマイルひとつ、テイクアウトで。【時透無一郎】

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚