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武藤潤
大倉空人
休日の午後。 ピクニックの準備を進めながら、 笑い声が絶えないキッチン。
〇〇もその輪にいた。
〇〇
沢村玲
その時までは、確かに幸せだった。
数日後―― その和やかな空気を裂くように、 テレビやネットで流れるニュースが 増えていった。
「未成年の少女が、芸能関係者の家に匿われている疑惑」 「都内で相次ぐ少女の誘拐・家出事件」 「保護か、誘拐か――シェアハウスの真実」
そのときの〇〇は、どこか遠い話のように 感じていた。 自分のことではない。 そう、思っていた。
だが、ある日の夜――
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
山下永玖
永玖が扉を開けた瞬間、 制服姿の警察官が複数名、立っていた。
警察
リビングに緊張が走った。
高尾颯斗
前に出て問う。
警察のひとりが紙を取り出し、 〇〇の方へ目線を向けた。
警察
その瞬間―― 〇〇の中で、どこか“冷たい何か”が 音を立てて割れた。
視線が、足元に落ちる。 全身が震えそうになるのを、 〇〇は必死にこらえた。
空人がそっと横に立つ。
大倉空人
哲汰は一歩前へ出ると、低く、 しかしはっきりと問う。
関哲汰
警察
ざわめき、動揺、緊張。
その中で、〇〇は―― かつて逃げてきた“あの家”の重さが、再び胸にのしかかってくるのを感じていた。
だけど今は―― 以前とは違う。 逃げる場所ではなく、守ってくれる 人たちがここにはいる そう、心の奥で確かに感じていた。
でも、今はまだ、答えを出せない。 震える唇を噛みしめながら、 〇〇は、警察の言葉に耳を傾けていた。