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ピンポーン
海生
桜汰
『父さんも会いたがってる』という海生の誘いに応じて、
文化祭の振替休日を海生の家で過ごすことになった。
桜汰
海生も、俺に会いたいと思ってくれた、というわけで。
桜汰
海生
桜汰
桜汰
海生
海生
桜汰
そわそわしながら、でも海生に気づかれないように平静を装う。
桜汰
海生パパ
桜汰
桜汰
海生パパ
海生パパ
イルカの着ぐるみを着てクラスメイトと一緒に写真に映る海生を見て、海生パパがしみじみと言う。
海生
海生
桜汰
桜汰
海生パパ
海生パパ
海生パパ
海生パパ
海生パパ
桜汰
率直な物言いは、もしかしたらパパ譲りなのかもしれない。
桜汰
『愚痴を聞いてくれる相手がいてよかった』
『…愚痴なんて、言ってませんよ。一回も』
病院でかわした会話を思い出し、少しだけ誇らしい気持ちになる。
桜汰
桜汰
海生パパ
海生パパ
海生
桜汰
海生パパが出かけた後。
桜汰
海生
ふたりで片付けをしていると、
海生
桜汰
海生
――海生の、
部屋――!!
桜汰
海生
桜汰
桜汰
だからつい、あちこち見てしまう。
ベッド、デスク、本棚。
必要最低限の家具しかないシンプルな部屋だけど…
桜汰
海生
床には学校のカバンや本が雑多に置かれている。
桜汰
海生
桜汰
海生
よく見たら、壁には完成したパズルが飾られていた。
どれも海の風景や、海の生き物というのが海生らしい。
桜汰
海生
桜汰
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
桜汰
やりかけのパズルの周りを適当によけて、2人分の座る場所を作る。
桜汰
海生
桜汰
いつもは言わないのに、海生が今日に限って『部屋に行こう』と言ったのは、
海生
桜汰
海生
俺たちの関係が友達から恋人に変わったから。
桜汰
桜汰
桜汰
海生
ふっと甘く微笑んで、海生はそのまま唇を寄せる。
桜汰
告白されてから何度か見た。
そのたびに、心臓の奥の方がぎゅっとなる。
桜汰
桜汰
俺ばっかり照れてて、海生は余裕がある。
桜汰
海生
桜汰
桜汰
数分後。
桜汰
予想通り早々に飽きた俺は、今度は床に散乱している本を物色し始めた。
桜汰
桜汰
海生
黙々とパズルを分別しながら、
海生
桜汰
桜汰
海生
桜汰
床にごろりと寝転がり、部誌をぱらぱらとめくる。
桜汰
桜汰
開いた部誌を向けると、海生はようやくパズルから顔をあげた。
桜汰
海生
海生
海生の顔があまりに真剣で、俺は少し驚く。
桜汰
海生
海生
桜汰
海生
桜汰
海生
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
桜汰
海生
海生
海生が大事にしてくれている思い出の中で、嘘をついていた自分がいる。
その事実に気づいて、罪悪感がもやもやと頭をもたげてくる。
桜汰
俺と海生の関係に名前がついた、あの日のことを思い出すたびに、俺はこんな気持ちになるんだろうか。
喉の奥に魚の小骨がひっかかっているような、この気持ち悪さをずっと引きずるんだろうか?
桜汰
海生
それに、なにより。
桜汰
海生に嘘をつきたくない。
桜汰