裕子
裕子
裕子
絵里華
絵里華
裕子
裕子
絵里華
裕子
絵里華
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
裕子
絵里華
裕子
絵里華
裕子
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
裕子
どうしよう どうしよう
どこに逃げればいい?
焦った心は、足を闇雲に走らせた
あいつらに近づいているのか、遠ざかっているのかさえ分からない
裕子
『…………』
裕子
裕子
周りを見渡すが、彼女の姿はない
もう一度、耳を澄ましてみる
『ゅぅ………』
微かな呼び声が聞こえた
裕子
ゆっくりと辺りをスマホのライトで照らしていくと、突然 視界が揺らいだ
反射的に飛び退くと、そこの床が朽ちて崩れかけていた
その先の床は もうなかった
古く広大な迷路だからであろう
修復されることもなく、ぽっかりと暗闇をのぞかせていた
恐る恐る その穴を覗き込むと……
裕子
照らし出された穴の、辛うじて残っていた底に彼女はぐったりとしていた
手を出すよう促し、自らも右手をいっぱいに伸ばして何とか引っ張り上げる
穴に落ちた衝撃で足を痛めてしまい、そこから動けなかったようだ
心細かったことだろう
絵里華はしばらくの間、弱々しく泣きじゃくって、感謝なのか何なのかよく分からないことを堰を切ったように吐露した
長い髪は乱れ、手足は傷だらけだった
顔色も悪いが、何より絵里華が生きている
それたけで充分だった
ようやく落ち着いたところで、今までのことをお互いに伝えあった
絵里華
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
絵里華
ふたりは床に開いた穴に目を落とす
少しでも落ちる場所がずれていれば、絵里華は穴のそのまた奥底へと落ちていたかもしれない
想像してしまって、縮こまる体をほぐそうと自分の腕を擦る
絵里華
裕子
絵里華
裕子
警察を呼ぼうにも、この提供されたスマホにはパートナーとのチャット機能しかない
警察はおろか、主催者側にも連絡することができない
助けを呼ぶこともできず、殺人鬼のいるこの薄暗い巨大迷路に私たちはふたり取り残されている
ふたりとも口からは沈黙しか出てこず、視線は力なく俯いてしまう
目の先の朽ちた穴は、私たちの未来を暗示するように闇を広げていた
残り時間 あと1時間となりました
プレイヤーの皆さん 未だゴール到達者は現れていません
1億円を手にするのはどのチームでしょうか
ゴールでお待ちしております
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
ゆらゆらと光が近づいてくる
暗闇から ひとりの男性が現れる
男
裕子
裕子
男
裕子
裕子
男
男
裕子
短くそう言うと、
ひょいとスマホを男に投げる
突然宙を舞うスマホに意識をとられ、男が一瞬 無防備になる
それを見計らって、私と絵里華は後ろ手に隠し持っていた砂を男の顔に投げつけた
男
男の悲鳴が上がる中、自身のスマホを拾い上げ 絵里華とともに走り出す
予想通り、男はひとりで来た
おそらく男のパートナーは私たちの背後に回り込み、不意打ちの機会を狙っていたことだろう
そもそも、"生き埋めにはしない"を強調しすぎだ
生き埋めにはせず、その場で殺すつもりだったのだろう
暗闇の中をぐるぐると回り、目的地へと足を走らす
隣を走る絵里華の息が荒くなっているのがわかる
軽く後ろを振り返れば、男二人が闇に溶けて 一体の怪物のように追いかけてきていた
あわてて視線を前に戻す
この先は行き止まりだ
裕子
チャンスは一度きり
失敗すれば…………殺される
男の手があと数センチのところまで迫っていた
力強く地面を踏み込む
ふたりは闇に向かって大きく跳躍した
瞬間ーー
男たちの姿が消えた
否、床の大穴へと消えていった
裕子
絵里華
しんと静まり返った闇に、上がっていた息が徐々に落ち着きを取り戻す
絵里華
裕子
妙な達成感と、心身の疲れとが二人の間に漂っていた
絵里華
絵里華が足に手を当て、床にゆるゆると へたりこむ
裕子
無理をさせてしまったようだ
簡単な手当てはしたものの、最後のジャンプが痛めていた部分にかなり負担になったみたいだ
絵里華
なんて素直で頑固な子なんだろうと笑いながら、親友の肩を支え 歩きだす
幾分か迷路内の闇が和らいだ気がした
1週間後……
絵里華
絵里華
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
裕子
絵里華
絵里華
裕子
絵里華
絵里華
絵里華
裕子
コメント
2件
すっきりしててとても読みやすく面白かったです!