私には、3つ年上の姉がいる。
華
咲ー早く起きなー
咲
はーい
家族は4人家族で、母、父、姉、そして私。
ごく普通の平和な家族。
母
ちょっと、華
母
あなたまた痩せたんじゃない?
華
そんな事ないよ。
咲
嘘つけ!
咲
私昨日見たんだから!
咲
お姉ちゃんが体重計乗って、自分でもビックリしてたとこ!
華
咲!!
父
ちゃんと食べてるのか?華
華
食べてるんだけどねー
お姉ちゃんは、いわゆる太らない体質で、
一晩抜いただけでも、体重が減ってしまう。
母
病院行った方がいいんじゃない?
華
大丈夫だよ。心配しないで。
咲
(うらやましー)
父
父
でも、咲はダイエットしないのか?
咲
ケンカ売ってんの、お父さん。
父
ははっすまんすまん。
こんな感じで、凄く平和な家族。
でも…、少し違うのは。
咲
いってきまーす
華
いってきまーす
母
行ってらっしゃい!
父
気をつけてな!
〜登校中〜
華
裕也!お早う!
裕也
お早う。今日は早いな。
華
咲が一緒だから!
咲
……お早う、ございます。
裕也
お早う。咲ちゃん。
咲
……。
華
ちょっと〜!?
華
私の妹に手出さないでくれる!?
裕也
僕は『華の』彼氏だよ。
華
もう///
咲
(『華の』…。)
姉に彼氏がいる事。そして、
私がその彼氏を、好きという事。
〜教室〜
咲
(はぁ、どうしてこうも面倒な事に。)
私達が通っている学校は、中高の校舎が隣り合っている。
高校生がこっち(中学塔)に来ることはあるが、
こっちからあっち(高校塔)に行くことはなかなか無い。
咲
(私が3年早く生まれていれば。)
私が彼・裕也さんを好きになったのは、1年前。
まだ中学に入りたてで、校舎で迷子になっていた時。
裕也
大丈夫?迷った?
咲
あの…家庭科室って…どこにありますか…?
裕也
あーこっちだよ。
裕也
付いて来て。
たまたま中学塔に来ていた裕也さんが、助けてくれた。
私は一目で、彼に恋してしまった。
でもそれから数日後だった。
姉が裕也さんを家に連れて来たのは。
咲
お、姉ちゃん、どうして。
華
紹介するね!
華
私の『彼氏』の、、
え…、今、彼氏って言った?
咲
咲
今、彼氏って、
華
そう!
華
ほらっ裕也!挨拶して!
顔なんて見たくなかった。
だって、そこに立っていたのは、
裕也
裕也です。よろしくね、妹さん。
紛れもなく、私が恋したあの人だったから。
咲
咲
よろしくお願い…します。
〜私達はハサミの関係〜
〜持ち手が近づき会うたび、刃にいる私は崩れていく〜
〜あなたに対する想いが、ボロボロと〜