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第10話
選べない愛、選ばれた結末
薄曇りの空。 とある高級ホテルの最上階。 奈々は、スカートの裾を握りしめていた。
目の前には、蒼太。 そして、その横には玲央。
まさか、二人から同時に “呼び出される”なんて思わなかった。
蒼太
先に言葉を発したのは、蒼太だった。
蒼太
そして玲央も、わずかに笑って言った。
玲央
プロポーズ。
まさか、同時に。
奈々の胸が締めつけられる。 こんな贅沢な悩みなんて、存在していいの?
どちらを選んでも、どちらかを傷つけてしまう。 そして、どちらを選んでも、 自分の心の一部を殺すことになる。
奈々
唇が震えた。
視界が滲む。
胸が苦しい。
奈々
二人は沈黙していた。 だけど、奈々が涙をこぼした瞬間
玲央がそっと、奈々の手に口づけた。
そして、その手を蒼太の方へと差し出した。
玲央
蒼太は一瞬だけ眉をひそめる。
だが、何も言わない。 代わりに、奈々の腰を引き寄せた。
蒼太
奈々
蒼太
蒼太が言う。
蒼太
玲央
こんなにも異常で、常識から逸れた関係。
だけど、奈々の頬に伝う涙は、確かに幸福のものだった。
独占しない、でも見捨てない。 ふたりに愛される、三人だけの関係。
それが、奈々が選んだ“答え”だった。
どうだったでしょうか?
三角関係で1番幸せな構成だったと思います。
次回:何故玲央は二度と会わないと言ったのに プロポーズをしたのか。
お楽しみに
バイバイ