ザーザーザーザーザー
雨の音がうるさいぐらいに響く
時刻はAM1:00
酒で酔っ払いビール瓶を投げつけてくる父親に
本能的危険を感じ外へ逃げ出した
いまさら帰る気になんてなれない。
夜中だからか、割と栄えているこの都市でも人気(ひとけ)がなかった
先のことなんて考えてなかった
びしょ濡れになった僕の身体。
雨の匂い
夜の匂い
触れる感触
五感を並べて自分の気持ちを整理していく
ドンッッッ
考え事をしながら歩いていたせいか、たまたま近くにいた通行人とぶつかってしまった
ころん
精一杯の力で振り絞った第一声。
通行人
ドカッッッッ
鈍い音が響き渡ると同時に反射的に座り込んでしまった
ころん
俯いたままそう呟いた
返事は来なかった
おそるおそる見上げると
そこには誰も居なかった
ころん
僕は再び歩き出した
遠くへ、遠くへと。
宛もなくただ歩き続けるだけ
ふとスマートフォンに電源を入れ、親からのLINEを覗いて見た
「コンビニで酒万引きして帰ってこい。」
当然のように万引きをさせる親。
怒りでも悔いでも屈辱でもない
呆れでしかなかった
僕は躊躇せずコンビニへと足を運んだ
~~~♪♪~~~~~♪♪♪(入店音)
軽やかな音楽と思い足取り。
店内はやる気のなさそうな店員1人と男性の2人
男性のふたりは喋りながら商品を見ている
緊迫とした空気の中アルコールコーナーの隣の清水飲料コーナーへと近づいた
男性二人が向かい側の商品棚へ向かったのを確認して急いでビール缶をポケットに突っ込む
僕はそのまま早足でコンビニを出た
扉を出た瞬間だった
後ろから肩をガシッと掴まれた
???
???
ころん
???
ころん
???
ころん
ころん
???
ころん
無視して歩き出そうとすると黄色い髪の人に無理やりポケットの缶ビールを奪い取られた
ころん
ころん
???
ころん
???
ころん
ころん
……?
???
ころん
さっきより大きい声でハッキリと言った
???
???
???
そういって桃髪の人は少し離れた車を指さした
どーせ帰っても殴られるだけだし
少しでも抵抗したかったから乗ることにした
僕が素直に車に向かって歩き出したのを見て黄色髪の人が「偉い、偉いッ」って頭を撫でてきた
ころん
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