意外と短気なチョコクッキー
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竜胆は片手にココアを持ちながら蘭を見ていた。 「やばいやばいやばいッッ!!竜胆どうしよッ!!後10分で鶴蝶来るッ!!まだ服決めてないッ!!」 いや、これは面白い。いつも余裕ぶっこいていいとこ取りしている兄だとは思えないほどの慌てっぷり。されながら一本の映画を観ている気分だった。 「待って??俺が彼氏()なんだから俺が鶴蝶を迎えに行くべきだったのでは??あ~~~~~~~~~!!!!ミスったァ!!!!」 部屋を右から左、左から右へとぐるぐる回っている。 「落ち着けよ兄貴」 「落ち着いてられっかッ!!せっかくのチャンスなんだぞッ!!」 「んふwwwww」 笑い事じゃねぇと足を蹴られた。痛い。 まぁ、笑ってはいるが実際竜胆も兄のことはなんだかんだ応援している。 いつも楽しくなさそうに生きていた兄が必死になって誰かを追いかける姿は誰だって面しr(((応援したくなるものだった。 「……大丈夫だよ“兄ちゃん”、いつも通りカッコいい」 「…そりゃ竜胆のお兄ちゃんだからね!」 しかし、こんな悠長なことしていられるわけなく時間は刻一刻と迫っていた。 そして約束の時間。 「蘭、迎えに来たぞ」 「か、鶴蝶、、じゃ、行こっか、」 「ああ」 緊張のせいか、いつもより硬くなっている蘭。 竜胆は心の中でエールを送った。 「緊張してんのか?」 「へ!?いや!?全然ッ!?」 「?そうか、」 嘘である。 心は大荒れだった。大事な会合の時でもここまで緊張していないなと思う。 「…あれ?一歩遅かったか?」 「九井遅〜い、兄貴達もう行っちゃったよ」 「どうだった?」 「幸せ〜って顔してた」 「ったく、、早くくっ付けばいいのにな」 「な〜」
ガヤガヤガヤ。流石人気料理店。結構な人混みだ。 「ご予約の九井一様でしょうか?」 「うん、そーだよー」 「では、ご案内しますね」 スタスタと歩く店員についていく。 「九井がチケット譲ってくれるなんて珍しいな」 「ん?ああ、急用ができたんだって。」 真っ赤な嘘である。灰谷蘭とはこうゆう男だ。 「俺生飲も〜鶴蝶は何頼む?」 「!唐揚げ食べたい」 「(ん〜かわい〜)おっけー生と唐揚げな」 「お待たせしました〜生ビール2つと唐揚げでーす」 「ありがと〜」 しばらく食べ進めて鶴蝶は口を開いた。 「なんで俺のことさけてたの」 鶴蝶のセリフにビクッと肩を震わせる蘭。 「ぇいや別に避けてるつもりは、「嘘だ。」……」 「もしかして酔ってる?」 「酔ってないし」 そう言いながらもぐびぐびとビールを飲み進める。 「天竺にいた時から俺のこと気にかけてくれてよく飯とか誘ってくれたし、イザナが死んでから俺が上手く笑えなくなった時もすげぇ励ましてくれたし俺が言いたいこととか代わりに言ってくれたりしてたのに最近、幹部会終わった後すぐ帰っちゃうし俺が話しかけてもすぐどっか行くし俺なんか悪いことしたッッ!?あ“ん“!?」 「ッッか、くちょ、うッッも、やめて////」 鶴蝶の鈍感さにイライラしてた癖にこんな形で伝わっていたとは思わなかった。 「あ“あ“??んだよ急に距離取りやがってふざけんなッッ!」 蘭の肩を掴みぐわんぐわんと上下に揺らす鶴蝶。 「ッッちょッッ鶴、蝶吐くッッ」 「………………」 「か、鶴蝶?」 ピタッと止まったと思ったら肩を掴みながら俯いてしまった。 「…ぐす、おれ、なんか、ぐす、悪いことしたか、?」 「!?!?鶴蝶ッ!?な、泣かないで?ね?ね?」 泣いてしまった鶴蝶に慌てる蘭。場はカオスである。 「~~~~~~ッ好きなんだよッッ鶴蝶がッッ!!!」 言った。言ってしまった。 もう、恥ずかしさでいっぱいいっぱいだった。三途がここにいたら大爆笑されるだろう。 「ずっと、天竺の頃から好きでッッ!!避けてたのもお前の部下に嫉妬したからッッ!!恥ずかしいだろッッ!!良い年した男が嫉妬なんてッッ!!!」 「おれのことがす、好き?」 「あーーーそーーだよだいッッ好きだよッッ!!」 酒が体全体に回ってきて視界がぐるぐるして沸騰するような熱さに襲われる。 「そ、そっかぁ…おれのこと好きなんだぁ…」 「ヒョッ、」 眉を下げ、にへっ、と笑った鶴蝶は核爆弾のような威力を持っていた。 蘭にはまだ早かったらしい。
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コメント
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ちょ、ほんまにさいこう