?
…
?
貴方は今、どこに――
。
右目も
。
左腕も
。
絵にはある
。
…
――みんな、いなくなればいいのに。
。
お空きれーい!!
。
お花きれーい!!
。
お水きれーい!!
少年は、絵の具と紙、筆を持っている。
決して良品ではないが。
。
〔左手で筆をとる〕
。
ねね、かいがさん、
かいがさん?
どうしたんですか?
。
どーしてぼくの絵の具は赤色しかないの?
かいがさん?
貴方の好きな色だからです。
。
どーしてぼくは赤色が好きなの?
かいがさん?
少し前に、真っ赤なポピーを貰ったでしょう。
きっとその所為です。
きっとその所為です。
。
ぽぴーってなあに?
かいがさん?
お花の種類ですよ。
。
なんでぽぴーはまっ赤なの?
かいがさん?
……
かいがさん?
絵を、描きましょうか。
。
うん!
。
今になって考えてみれば、”かいがさん”ってきっと、君のことだったんだな。
。
僕からすれば、今までずっと、たった一人の友達なんだよな。
。
…
。
もしも、僕のもとに来なければ、
他の人のもとに生まれていれば、ずっと、幸せだったのに。
他の人のもとに生まれていれば、ずっと、幸せだったのに。
かいがさん?
…
かいがさん?
私に気付いていないのは、きっと貴方が大人になった所為でしょう。
かいがさん?
それでも、私は貴方のもとにいるのが、一番幸せなのです。
かいがさん?
だって、私は、
無題
なにがあろうと、貴方の、はじめの子供〈さくひん〉なんですから。
無題
何千年経とうと、私は貴方が大好きです。