柚
…
先輩
あ…柚、日向。
日向
先輩?
柚
先輩。
柚
先輩は…何学部目指してますか?
先輩
法学部
柚
…え!?
日向
マジですか!?
先輩
…や、本気だよ
先輩
法律に関わる仕事につきたいんだ。
なんていうか…今の日本の法律は、
間違っている所が多いと思うんだ。
なんていうか…今の日本の法律は、
間違っている所が多いと思うんだ。
日向
え?
柚
どうしてですか?
先輩
例えば、柚ちゃんの事故。相手は飲酒
運転だった。なのに懲役も罰金もそれ
程重くない。飲酒運転なんかで柚の、
未来の可能性を奪った大人が、そんな
軽い罰で許されていいとは思わない。
運転だった。なのに懲役も罰金もそれ
程重くない。飲酒運転なんかで柚の、
未来の可能性を奪った大人が、そんな
軽い罰で許されていいとは思わない。
そういう先輩の表情は、 あたしの知っているものではなかった。 …まっすぐに迷いなく、 未来を、見つめていた。
先輩
…日向だけじゃない。世の中には、
そんなやるせない思いを持ってる人
がたくさんいるはずだなら。少し
でも力になりたいって思ってさ。
そんなやるせない思いを持ってる人
がたくさんいるはずだなら。少し
でも力になりたいって思ってさ。
柚
先輩なら…頑張れますよ。
日向
そうですよ
泣きそうになったけれど、 なんとか微笑んだ。 嬉しいとか、幸せだとか… そんな言葉では言い表せない、 気持ちだった。 柚…お前の存在は確かに、 俺達の“道しるべ"だったよ…。
先輩
それじゃあ
日向
はい
柚
先輩…頑張って下さい。
未来に向けて。
未来に向けて。
先輩
柚の言葉は優しくて…温かい…
ありがとう。頑張るよ。柚もね。
ありがとう。頑張るよ。柚もね。
柚
はい。
先輩
タッタッタッタッタッ
ーーーーーー誰かが言った。 光は自分の中にあるのだと。 闇を歩くには… それに気がつきさえすれば、 いいのだと。 だから俺は思った。 柚が自分の光を見つけて… 歩いて行くというのなら。 ーーーーーーきっとそれが、 俺の"幸せ"だ。