あなたとすごした奇跡の1ヶ月

あれは、由乃が祐を好きになった時。

…

由乃は嫌われてて、居場所がなかった。

でも

確かに由乃に言った、「おはよう」って。

あれから毎日由乃は、おはようって言った

思えば理由なく、無意識だったかも。

初めて喋ったのが祐で、

気づけばいつしか仲間も増えてた。

祐がフレンドリーなおかげかな。

今思えばきっと、

私が病気になったのも、

逃げる先に選んだのが、祐と同じ学校 だったのも。

あの日教室で話したのも、

全部必要だったんだと思う。

何か一つでも欠けていたとしたら、

きっと私の恋は、恋じゃなかったはず。

だから、ねぇ、笑って伝えるよ。

下手くそな笑顔で、感謝の言葉を。

そして2週間後…

由乃はその日、聞きたくない言葉を聞いた

医師　…

医師　わかりました。あなたは今、とても 　　　危険な状況です。もう余命が…　

医師　あと、余命は1週間です。

まさかこんなに早いとは思わなかった。

再来週誕生日なのに。

お願いします。どうか誕生日まで、

由乃を生かして下さい。

自分勝手なことは知ってます。でも、

最後のわがままを聞いて下さい、神様。

もし本当にいるなら、お願いします。

もう一度、みんなの笑顔がみたいです。

そしてあっという間に2週間が経った

神様お願い！もう少しだけ…もう少しだけ

全員）16歳の誕生日、おめでとう！

ﾊﾟﾀｯ

これが由乃の最後だった。

でもここで終わらなかったんだ。

また、生まれ変わることができた。