今宵、満月の日に会いましょう。
The last story
寒い。
あれ、
私何してたんだっけ…?
あ、そうだ。
私、トラックにひかれて……
あぁ、体から血が抜けていくのが分かる。
傷口が燃えるように熱く
体は動こうとはしない…
もう、無理なのかな……
私、セトと約束したのに
また会いに行くって…
約束したのに…
あ…体が軽く……
「ん、何。」
「人が倒れてる…」
永瀬 紬
永瀬 紬
目の前に血を流して倒れていたのは
私だった。
永瀬 紬
永瀬 紬
震える手を見た。
案の定透けていて地面が見えた。
永瀬 紬
永瀬 紬
死んだんだ…
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト…
永瀬 紬
謝らなきゃ!!
セト
トキ
セト
セト
セト
セト
セト
セト
セト
人間は悪者じゃない。
セト
セト
セト
トキ
俺はトキに微笑んだ。
セト
トキ
トキ
トキ
トキ
トキ
トキ
トキ
トキ
トキはその場に崩れ落ちた。
セト
セト
トキ
セト
俺は犬神様に満足げに微笑んだ。
もう、良いんだ。
俺は
幸せ者なんだ…。
人間と長く関わった俺は
殺されて当然の身。
セト
セト
トキ
そう、これで良いんだ。
セト
「良い?トキ、セト。」
「私たち妖怪は」
「人間に近づいてはいけないの。」
「ねぇ、母さん。」
「近づいたらどうなるの?」
「犬神様に呪い殺されるの。」
「…え」
「でも母さんはね、」
「全ての人間が悪い人ではないと思うの。」
そう言って、母さんは人間に近づき
殺された。
俺たちを取り残して。
その瞬間を見た俺は
人間には近づかない。
そう思ってたのに…
あの人に出会ってから…
本当に……
君のせいだからね。
あぁ、
紬に会いたい……
永瀬 紬
森に入ったところにセトはいなかった。
永瀬 紬
いや、そんなはずない…
この森が見えて入れてるんだから。
永瀬 紬
少し歩いたところに
月明かりに照らされて
ぐったりとしている
大きな狐がいた。
永瀬 紬
永瀬 紬
私は大きな狐の前に立った。
永瀬 紬
永瀬 紬
なぜかセトは苦しそうに呼吸をしていた。
永瀬 紬
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
私は涙を溢しながら優しく笑った。
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
セト
永瀬 紬
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
セト
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
永瀬 紬
私はセトに抱きついた。
セト
セト
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
私は優しくセトに微笑んだ。
永瀬 紬
永瀬 紬
後ろから聞き覚えのある優しい声が
降ってきた。
永瀬 紬
その人は優しく微笑んでいた。
永瀬 紬
私は走ってセトの胸に飛び込んだ。
セト
永瀬 紬
永瀬 紬
セト
セト
セト
セト
永瀬 紬
セト
永瀬 紬
セト
セト
顔を確かめあって
二人しかいないこの世界で
大きく笑った。
私たちの物語は
まだ1ページもめくられていない
終わりのない明日へ
1ページずつ
めくっていこう。
ーENDー
今宵、満月の日に会いましょう。
最後まで見てくれてありがとうございました!!
作者の御子柴 璃都です
あんまり二人がラブラブしたところは
あえて書きませんでした。
この後、紬とセトがどうなったのかは
想像におまかせしますw
紬とセトはあの世で幸せになったということで
ハッピーエンドかな?w
もしかしたら
番外編書くかも…
フォロワーの皆様
いいねやコメントありがとうございました!
勇気づけられました!
こんな俺ですが
これからもよろしくお願いします!