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今宵、満月の日に会いましょう。

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今宵、満月の日に会いましょう。

8 - 今宵、満月の日に会いましょう。

♥

1,349

2019年12月27日

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今宵、満月の日に会いましょう。

The last story

寒い。

あれ、

私何してたんだっけ…?

あ、そうだ。

私、トラックにひかれて……

あぁ、体から血が抜けていくのが分かる。

傷口が燃えるように熱く

体は動こうとはしない…

もう、無理なのかな……

私、セトと約束したのに

また会いに行くって…

約束したのに…

あ…体が軽く……

 

おい!!!!!!!!

「ん、何。」

 

人が倒れてるぞ!!?

「人が倒れてる…」

 

キャアァ!!

 

ひき逃げ…!?

 

これは酷い…

 

救急車呼ぶぞ…!!

永瀬 紬

え!!!

永瀬 紬

私!!!?

目の前に血を流して倒れていたのは

私だった。

永瀬 紬

どーいう事…?

永瀬 紬

もしかして……

震える手を見た。

案の定透けていて地面が見えた。

永瀬 紬

…そっか

永瀬 紬

私……

死んだんだ…

永瀬 紬

これって幽霊ってやつかな?

永瀬 紬

あの人達、私の事見えてないし……

永瀬 紬

(そうだ、セト)

セト…

永瀬 紬

(セトに謝らなきゃ……)

謝らなきゃ!!

セト

う"っ…!

トキ

セトっ!!!

セト

…くっそ…。

 

人間に近づくなと言っただろう…?

セト

(…、バレたか。)

 

人間は我々妖怪の敵なのだ。

 

それなのにお前は

 

…それを裏切った。

セト

犬神様。

セト

人間はそんなに悪いやつじゃありません……!

セト

全ての人が悪いわけではないんですよ。

 

セト、お前は我々、妖怪を裏切る気か…?

セト

はい、裏切ります。

セト

…俺は思う、
人間は悪者じゃない。

セト

俺を救ってくれた

セト

恩人です。

 

言い残す事はないか?

セト

トキ

セトッ!!!!

俺はトキに微笑んだ。

セト

姉さん、またね。

トキ

セトッ!!!!!!!!

トキ

犬神様っ!!!

トキ

私も殺してください!!

トキ

私も1度、人間に近づいて

トキ

この腕に呪いをかけましたよね?

トキ

「次、人間に近づけば、この呪いに苦しめられて死ぬと…」

トキ

セトには、こんな思い…してほしくなかった…!!

トキ

私みたいに…なってほしくなかったのにっ!!!!

トキはその場に崩れ落ちた。

セト

 

セト。

 

姉さんも殺すか…?

セト

いいえ。

トキ

…!!

セト

俺だけで十分です。

俺は犬神様に満足げに微笑んだ。

もう、良いんだ。

俺は

幸せ者なんだ…。

人間と長く関わった俺は

殺されて当然の身。

セト

犬神様

セト

俺を殺して下さい…

 

…言われなくても

 

呪い殺してやるわぃ。

トキ

セトッ!!!!!!!!

そう、これで良いんだ。

セト

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「良い?トキ、セト。」

「私たち妖怪は」

「人間に近づいてはいけないの。」

「ねぇ、母さん。」

「近づいたらどうなるの?」

「犬神様に呪い殺されるの。」

「…え」

「でも母さんはね、」

「全ての人間が悪い人ではないと思うの。」

そう言って、母さんは人間に近づき

殺された。

俺たちを取り残して。

その瞬間を見た俺は

人間には近づかない。

そう思ってたのに…

あの人に出会ってから…

本当に……

君のせいだからね。

あぁ、

紬に会いたい……

永瀬 紬

……。

森に入ったところにセトはいなかった。

永瀬 紬

(…見えなくなったのかな?)

いや、そんなはずない…

この森が見えて入れてるんだから。

永瀬 紬

(あれ…)

少し歩いたところに

月明かりに照らされて

ぐったりとしている

大きな狐がいた。

永瀬 紬

……

永瀬 紬

セ、ト…?

私は大きな狐の前に立った。

永瀬 紬

セト…だよね?

 

……

 

つ、むぎ…?

永瀬 紬

その声はやっぱり、セトなのね!!

なぜかセトは苦しそうに呼吸をしていた。

永瀬 紬

あなたは狐の妖怪だったんだね。

セト

……こんな姿、見られたく……

セト

……なかった。

永瀬 紬

……何言ってんの!!!?

永瀬 紬

…綺麗だよ。

私は涙を溢しながら優しく笑った。

セト

……ふふっw

セト

そっか………

永瀬 紬

でも、どうしたの?

永瀬 紬

そんな姿になって…、苦しそうで…

セト

…もうすぐ死ぬんだ俺。

セト

本当は、人間に……近づいては…駄目だった

永瀬 紬

!?

セト

セト

もう、呪いで……死ぬ。

永瀬 紬

待って!!!?

永瀬 紬

呪い殺されるなら……

永瀬 紬

どうして、私に近づいたの…!?

永瀬 紬

…ねぇ!!

セト

セト

そんなの、

セト

紬の事が

セト

好きになっちゃったからだよ…

永瀬 紬

…!!!

永瀬 紬

…//

永瀬 紬

セトッ!!

セト

死に方が凄ぇダサい……//

永瀬 紬

そんなことないよっ!

永瀬 紬

私なんてトラックにひかれて

永瀬 紬

死んじゃったんだから…!!

セト

え?

永瀬 紬

帰ってるときに、ひかれちゃって…w

永瀬 紬

今は幽霊みたい。

セト

何か、この世に未練でも……

セト

……あったの?

永瀬 紬

そりゃあるよ!!

永瀬 紬

セトに会いたいって!!

永瀬 紬

好きって伝えたくて…っ!!

セト

…//

永瀬 紬

良かった。

永瀬 紬

また、セトに会えて…

永瀬 紬

もう……未練は今、なくなった。

セト

…そっか

永瀬 紬

私、先に逝くね。

私はセトに抱きついた。

セト

うん

セト

待ってて

セト

すぐに会いに逝くから……

永瀬 紬

うん、

永瀬 紬

……待ってる。

私は優しくセトに微笑んだ。

永瀬 紬

…んー!!

永瀬 紬

今日は良い天気だなぁ…

 

紬!!

後ろから聞き覚えのある優しい声が

降ってきた。

永瀬 紬

…!

その人は優しく微笑んでいた。

永瀬 紬

セトッ!!!

私は走ってセトの胸に飛び込んだ。

セト

…やっと、捕まえた。

永瀬 紬

…//

永瀬 紬

好きだよ、セト

セト

うん、俺もだよ。

セト

満月の日に会った

セト

その時から……。

セト

ずっと、好きだよ。

永瀬 紬

…ねぇ、旅に出ようよ。

セト

うん

永瀬 紬

どこ行く?

セト

君となら

セト

どこへでも行くよ。

顔を確かめあって

二人しかいないこの世界で

大きく笑った。

私たちの物語は

まだ1ページもめくられていない

終わりのない明日へ

1ページずつ

めくっていこう。

ーENDー

今宵、満月の日に会いましょう。

最後まで見てくれてありがとうございました!!

作者の御子柴 璃都です

あんまり二人がラブラブしたところは

あえて書きませんでした。

この後、紬とセトがどうなったのかは

想像におまかせしますw

紬とセトはあの世で幸せになったということで

ハッピーエンドかな?w

もしかしたら

番外編書くかも…

フォロワーの皆様

いいねやコメントありがとうございました!

勇気づけられました!

こんな俺ですが

これからもよろしくお願いします!

今宵、満月の日に会いましょう。

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1,349

コメント

101

ユーザー

5話から一気読みした。

ユーザー

(⸝⸝o̴̶̷᷄ ·̭ o̴̶̷̥᷅⸝⸝)最高でした!一気読み✨

ユーザー

すげー!!!

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