テラーノベル
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朝から雨だった。
綺麗な山々と緑が映えていた。
この海岸には人が溢れ、
それに比例して空からの雫も増えてゆく。
次第に数えきれない程の粒が落ちてきて、
ぽつぽつと音を立てながら
頭や肩に当たる。
コンクリートの床の上に粒が落ち、
足を踏み入れる度滑る。
きらびやかな海や建物から滴る物は、
輝いて見えた。
アイツから手を差し出してきて
多少の違和感を感じた。
危ないよ、と。
手を差し出してくれた。
私は
自惚れていた世界から
はっと
我に返り
いつの間にか
雨足は弱まっていた
寧ろ
雲と雲の間から
美しい陽の光が降り注いできていた
雨は
本当に降っていたのか?
『行こう』
その瞬間
目の前の地面にひとつ
雫が落ちた
それが何故か
何かを告げた気がした…。
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