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僕
彼女
僕は腕を組んで悩む振りをした。
最後に断ればいいんだ。
彼女
彼女
彼女
彼女は3本の指をテーブルに置いて言った。
僕
彼女
僕
僕は冷めた珈琲を飲みながら溜息をついた。
彼女
僕
彼女
どうせ暇なんだ。
簡単な夕食を済ませると、椅子に座り机に置かれた電話を眺めた。
それまで黙り込んでいた電話は何かに気づいたのか産声を上げた。
彼女
僕
僕は電話の延長コードを引っ張り冷蔵庫からビールを取り出した。
隣からも誰かと誰かが電話をしているのが聞こえる。
壁が薄すぎるんだ。
彼女
僕
僕はビールを飲むと、煙草に火を付けて煙をはき出した。
彼女
僕
彼女
僕はビールを飲んで天井を眺めた。
夕食が終わりビールを飲んで、壁に並んだ様々なものを眺めた。
CDに本が数冊、サボテンに奇妙な抽象画。きれいに畳まれた洗濯物。
彼女
僕
彼女
僕
彼女
僕
彼女
僕は驚いて少しビールをこぼした。
彼女
それから僕達はコンビニで簡単な朝食を買って、近くの公園でブランコに乗った。
初めて彼女は電話には出なかった。
僕は電話機に布団を被せると、ヘッドホンをしてノートを開いた。
空っぽの頭の中にビールを注いで、何かを待った。
時間はたっぷりある。
ビール缶の2段タワーが出来る頃には、数ページが言葉の羅列で覆い尽くされた。
ヘッドホンを外し最後のビールを開けると、カーテンの隙間からスズメの鳴き声が聞こえた。
僕
そうして僕は眠った。
彼女
いつものカフェで、彼女は一口だけ珈琲を飲んで言った。
僕
彼女は僕の目の手を握り、真っ直ぐに見つめたあとにキスをした。
彼女
窓の外では空が何処までも青く澄み渡った。
もうすぐ春だ。