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𝐆𝐞𝐚𝐭𝐬 IX
アラタさんとリカさんが帰ったあと、みんなは旅館の朝食会場には向かわず、別の場所で朝ごはんを取ることにした。
ナナセさんとメグリさん
結局、近くのカフェとか軽食が食べられる場所にまとまる流れになる。 朝の光の中を歩くと、昨日までの賑やかさが少しだけ遠く感じる。でもその分、残ったメンバー同士の距離はちょっと近くなる感じもあった。
「なんか…昨日より静かだね」 そんな声に、うなずく人が何人かいて、 誰も否定しない。
カフェに入ると、 コーヒーの香りとパンの匂いがふわっと 広がって、 ようやく“朝”がちゃんと始まった 感じになる。
席に座ると、それぞれが少しずつ好きなものを頼んで、会話はゆっくりと戻っていく。昨日の思い出話とか、これからどこ行くかとか、そんな他愛ない話が中心。 でもそのゆるい空気が、むしろ今の朝 にはちょうどよかった。
三途川メグリ
ナナセさん
浅薙晃誠
「いいこと言うじゃん」 と誰かに軽くつっこまれて、 少し笑いが起きる。 注文が来るまでの間、テーブルの上はゆるい空気で満ちていった。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくん
その提案に、何人かがうなずく。 「いいね、それ。」
会話は大きな事件もなく、ただ“これからどうする?”っていう穏やかな話に流れていった。
カフェを出ると、みんなはそのまま車へ 移動した。 朝の空気は少しひんやりしていて、ドアを開けた瞬間に「うわ、気持ちいい」と声が出るくらいだった。
1台目 運転ハルト / 助手席ナギ / 2列目コウ、ミレイ/3列目ユウマくん
ユウマくん
浅薙晃誠
黒神ミレイ
ナギさん
黒神ミレイ
ハルトさん
ユウマくん
その瞬間。 後ろの空気がほんの少し止まる。 コウくんがゆっくりユウマくんを見る。
浅薙晃誠
ユウマくん
2台目 運転メグリさん / 助手席ナナセさん /2列目ハカ 、 マキ /3列目星奈
車が温泉街へ向かう道を ゆっくり走っていく。 さっきまでいたアラタさん達がいないせいか、少しだけ空気が静かだった。
浅薙星奈(あさなぎせな)
マキちゃんが星奈ちゃんの 肩に寄りかかりながら
マキちゃん
三途川メグリ
ハカちゃん
ナナセさん
三途川メグリ
その想像があまりにも簡単にできて、 車内に小さな笑いが広がる。 するとマキちゃんがふと辺りを見回した。
マキちゃん
ハカちゃん
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
三途川メグリ
ハカちゃん
しばらく笑い合ったあと。 窓の外に温泉街の景色が 少しずつ見えてくる。
マキちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
「やったー!!」
女子組の車は、 また一気に賑やかになるのだった。
①女子ゆったり散策組 星奈ちゃん ミレイさん メグリさん ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
三途川メグリ
ナナセさん
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
ナナセさん
星奈ちゃんは顔を赤くした。
浅薙星奈(あさなぎせな)
② にぎやか食べ歩き組 ユウマくん マキちゃん ハカちゃん
一方その頃。 ユウマくん は、 マキちゃん と ハカちゃんに完全に挟まれていた。
マキちゃん
ユウマくん
ハカちゃん
ユウマくん
マキちゃんは串団子を食べながら、
マキちゃん
と笑う。
ユウマくん
マキちゃん
③男子まったり組 ハルトさん ナギさん コウくん
ナギさん
ハルトさん
浅薙晃誠
浅薙晃誠
ナギさんとハルトさん
浅薙晃誠
ナギさん
ナギさん
ナギさん
ハルトさん
浅薙晃誠
ナギさんとハルトさん
ナギさんとハルトさん
少し離れた通りの向こうに、食べ歩きしているユウマくん達の姿が見えた。 しかも本当に荷物を持っている。 コウくんが爆笑する。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ハルトさんまで耐えきれず吹き出した。 その頃ユウマくんは、 遠くから笑われていることなど知らず、
ユウマくん
とマキちゃん達に振り回されていた。
浅薙晃誠
ナギさん
ハルトさん
その時だった。 後ろから声が飛んでくる。
浅薙星奈(あさなぎせな)
振り向くとそこには、 星奈ちゃん ナナセさん メグリさん ミレイさんがいた。
すると星奈ちゃんが 不思議そうに前を見る。 その先では―― ユウマくんが、 マキちゃんの荷物、 ハカちゃんの食べかけの袋、 さらに自分の飲み物まで持っていた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ナギさん
その瞬間。
浅薙晃誠
黒神ミレイ
浅薙晃誠
向こうのユウマくんがこちらを見る。 そして女子組の中に星奈ちゃんを 見つけた瞬間。
ユウマくん
浅薙晃誠
ナナセさん
ユウマくん
その横で星奈ちゃんだけが、 顔を真っ赤にして固まっていた。
その後、
黒神ミレイ
袋から出てきたのは、 小さな猫のキーホルダー。 白猫と黒猫が並んでいる、温泉街らしい和風デザインだった。
黒神ミレイ
ハルトさん
黒神ミレイ
その瞬間、 星奈 が少し照れた顔で 自分のキーホルダーを見せる。 同じ猫。 ただし色違いだった。
ミレイさんは嬉しそうにキーホルダーを揺らした。
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
温泉街を出たあと――。
三途川メグリ
メグリさんが聞くと、 みんな一斉に動き出す。
一台目 運転:ハルトさん 助手席:ナギさん 後部座席:ユウマくん、 星奈ちゃん、ハカちゃん
二台目 運転:ナナセさん 助手席:メグリさん 後部座席:コウくん、 ミレイさん、マキちゃん
駐車場で別れる直前。
ユウマくん
浅薙晃誠
ユウマくん
黒神ミレイ
その瞬間、ハカちゃんが星奈ちゃんの腕にくっつく。
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
一台目の車内。 ハカちゃんは星奈ちゃんの肩にもたれながら、うとうと眠り始めている。 その様子を横で見ていたユウマくんが、小さくため息をついた。
ユウマくん
ユウマくん
ナギさん
ハルトさん
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
二台目 一方その頃。
浅薙晃誠
ナナセさん
マキちゃん
黒神ミレイ
浅薙晃誠
三途川メグリ
浅薙晃誠
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ナギさん
ハカちゃん
半分寝ているハカちゃん。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
サービスエリアまではあと少し――という頃。 さっきまで楽しそうに話していた星奈ちゃんが、ふいに静かになる。 ユウマくんが気づく。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
顔色が少し青い。 ハルトさんもすぐ バックミラーで確認した。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
するとナギさんが慌てて 飲み物を後ろに渡す。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃんも眠そうな目を、 こすりながら起きる。
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくんはすぐに窓を少し開けた。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくん
前の席ではナギさんが小声で ハルトさんに話す。
ナギさん
ハルトさん
するとハルトさんが少し速度を落とした。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
サービスエリアの看板が見え始め、 車はゆっくり駐車場へ入って いくのだった。
サービスエリアに到着。 車が止まると同時に、 ユウマくんが先にドアを開けた。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
けれど立ち上がった瞬間、少しふらつく。 その腕をユウマくんがすぐ支えた。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ハルトさん
するとそこへ、二台目のメンバーがぞろぞろやって来た。
浅薙晃誠
浅薙晃誠
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
近くのベンチに座ると、 メグリさんが自販機へ走っていく。
三途川メグリ
ナナセさんもしゃがみ込んで 顔を覗き込む。
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん
三途川メグリ
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
コウくんと星奈ちゃん以外
サービスエリアの中での話、
サービスエリアのフードコート。 席を確保した瞬間、 みんな一気にメニューを見始める。
その瞬間、二人とも同じタイミングで「きつねうどん」を指差した。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃん
ハカちゃんが嬉しそうに笑う。 その様子を見ていたマキちゃんがニコニコしていた。
一方その頃。 男子側では。 コウくんが券売機の前で 真顔になっていた。
浅薙晃誠
トレーを持って戻ってきた瞬間、 男子全員が二度見した。
浅薙晃誠
ユウマくん
その横で、運ばれてきたうどんを見た星奈ちゃんが小さく、
浅薙星奈(あさなぎせな)
と声を漏らした。 湯気の立つ優しい香り。
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
二人同時にうどんをすすった瞬間。
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
マキちゃんが両手で運んできたのは、ふわふわの大きなパンケーキ。 その後ろではミレイさんも同じものを持ちながらニコニコしている。
マキちゃん
マキちゃん
黒神ミレイ
その隣では、ナナセさんとメグリさんが落ち着いた様子でパスタを食べていた。
三途川メグリ
ナナセさん
その時。 コウくんが飛騨牛丼を食べ終え、ラーメンに突入していた。
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
ユウマくん
車酔いで少し元気のなかった星奈ちゃんも、その空気の中で自然と笑っていて。 さっきまでの重たい感じは、 もうほとんど消えていた。
みんなの料理が揃った頃。 最後に席へ戻ってきたのはハルトさんとナギさんだった。 ハルトさんのトレーには、ジュウジュウ音を立てる大きなハンバーグ定食。
ハカちゃん
鉄板の上でソースがぱちぱち跳ねていて、匂いだけでお腹が空く。
ハルトさん
そしてその隣。 ナギさんが持ってきたのは——うどん。
ハカちゃん
だが次の瞬間。 ナギさんはテーブルの七味唐辛子を手に取った。 さらさら。
ユウマくん
さらさらさら。
ユウマくん
さらさらさらさらさら。
ユウマくん
結果。 うどんがほぼ赤くなった。 沈黙。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
三途川メグリ
ナギさん
ハルトさんまで笑いを 堪えきれていなかった。
ハルトさん
ナギさん
ユウマくん
その横で星奈ちゃんが興味津々に赤いうどんを見ていた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんとナギさん以外
またみんなが笑う。 サービスエリアのフードコートは、周りの人が少し振り返るくらい賑やかだった。
今度の座席は、 前にハルトさんと星奈ちゃん。 後ろにユウマくん、ハカちゃん、 マキちゃん。 別の車には、 コウくん、ミレイさん、ナナセさん、 メグリさん、ナギさん。
エンジンがかかり、 車がゆっくり走り出す。 しばらくして。 前の席の星奈ちゃんが 窓の外を見ながらぽつり。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
最初はみんな普通に話していた。
“カサッ” マキちゃんがお菓子の袋を触った小さな音で、助手席の星奈ちゃんの 肩がぴくっと揺れた。 ハルトさんがすぐ気づく。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
“カチッ” ウインカーの音。 “ガタン” 道路の継ぎ目。 後ろで笑いながら 揺れるペットボトルの音。 ひとつひとつに肩が小さく反応している。 でも、後ろの三人は全然気づいていない。
マキちゃん
マキちゃんが後ろから ぬいぐるみを見せる。 星奈ちゃんはちゃんと笑う。
浅薙星奈(あさなぎせな)
助手席のドアを掴む指が、少し強いこと。 呼吸が浅くなっていること。 音が鳴るたびに、一瞬だけ目を閉じていること。 信号待ちになった瞬間。
ハルトさん
ハカちゃん
ハルトさん
その瞬間、星奈ちゃんの 肩の力がほんの少し抜けた。 ハルトさんは前を見たまま、小さく聞く。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
その時、後ろでユウマくん達が 大きめに笑った。 “あははっ!” その声に、星奈ちゃんの肩がまたびくっと揺れる。 ハルトさんはそれを見逃さなかった。 次のコンビニに入るため、 静かにウインカーを出す。
ユウマくん
ハルトさん
ユウマくん
ハルトさん
車を降りたタイミングで、 ハルトさんがさらっと言った。
ハルトさん
ユウマくん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
でも星奈ちゃんには、ハルトさんが気を回してくれたんだとすぐわかった。 結果的に――
ハルトさんの車にはユウマくん、ハカちゃん、マキちゃん、コウくん、ミレイさん。 もう一台には、 ナギさんが運転席。 助手席にナナセさん。 後ろにはメグリさんと、その隣に星奈ちゃんが座ることになった。
こっちの車は、驚くくらい静かだった。 前の車みたいに大声で笑う人もいない。 急に騒ぐ人もいない。 流れている音楽も小さい。 星奈ちゃんは窓の外を見ながら、少しだけほっと息をついた。 その様子を、助手席のナナセさんがちらっと見る。
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
すると運転していた ナギさんが静かに言う。
ナギさん
その一言で、星奈ちゃんは黙った。 みんなもう気づいてる。 無理して平気な顔をしていたこと。 でも誰も必要以上に心配したり、 騒いだりしない。 そこが逆に安心できた。
しばらくして。 “カチッ” ナギさんがウインカーを出す。 その小さな音に、 星奈ちゃんの肩がわずかに揺れた。 ナナセさんはそれを見て、さりげなく車内音楽を切る。 完全に静かになる車内。 エンジン音と、 タイヤが道路を走る音だけ。
ナギさん
星奈ちゃんはブランケットを抱えながら、小さく目を閉じる。 その横でメグリさんが、 起こさないようにそっと肩を貸していた。
これは、 星奈ちゃんの代償『月下残響』。 周囲の音が異常なほど鮮明に 聞こえてしまう。 足音、呼吸、遠くの話し声まで重なり、 静かな場所ほど逆に音が刺さる。
また、星奈ちゃんの代償は、 人が多い場所では、無数の声や足音、物音が一気に流れ込み、普通に立っているだけでも強い負担になる。 特に駅やショッピングモールみたいな場所は苦手で、長時間いると頭痛やめまいを起こしてしまう。
こてん。 星奈ちゃんの頭が、隣ではなく前の座席側へゆっくり倒れる。
三途川メグリ
運転していたナギさんが片手でハンドルを押さえながら、信号待ちで少しだけ 後ろを振り返る。
ナギさん
ナナセさん
星奈ちゃんはもう完全に眠っていて、 小さく寝息を立てていた。 するとナギさんが、
ナギさん
と、自分のパーカーを後ろへ渡す。
ナギさん
三途川メグリ
ナギさん
メグリさんに言われて、ナギさんは少しだけ照れたみたいに前を向き直る。 その間にも星奈ちゃんは、
浅薙星奈(あさなぎせな)
と寝言をぽつり。 一瞬、車内が静まる。
ナナセさん
三途川メグリ
ナギさん
即答だった。 でもバックミラー越しに見るナギさんの 表情は、どこか安心した みたいでもあった。 車はそのまま夜道を走っていく。 遠くにホテルの灯りが見え始めた頃、 星奈ちゃんはまだ 静かに眠ったままだった。
ホテルに着いて、フロントで鍵を受け取ったあと——。
黒神ミレイ
ミレイさんが楽しそうに スマホを見ながら言う。
黒神ミレイ
まず一つ目。
黒神ミレイ
三途川メグリ
メグリさんがすぐ星奈ちゃん の腕を抱える。
ナナセさん
ナナセさんが微笑むと、星奈ちゃんは少し照れながら、
浅薙星奈(あさなぎせな)
【女子部屋②】 ミレイさん、マキちゃん、ハカちゃん
マキちゃん
と、マキちゃんが笑う。
黒神ミレイ
ミレイさんが即反論。
ハカちゃんは、
ハカちゃん
【男子部屋①】 コウくん、ハルトさん
ハルトさん
ハルトさんが苦笑する。
浅薙晃誠
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
【男子部屋②】 ユウマくん、ナギさん
ナギさん
浅薙晃誠
ユウマくん