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松崎文
松崎陸
陸が家に戻ると
偶然、玄関にいた母親と鉢合わせになった
返す言葉もなく
靴を脱いで階段をかけ上がる陸
松崎文
そんな母親の言葉を無視するように
部屋のドアを閉めた
鞄の中からコンビニで買ったハサミを取り出すと
机の上のペン立てに挿した
陸にとってこれはごく普通のこと
ただ髪を切り揃えただけだったが
浜松イル
イルの言葉が嬉しかった
陸の頭の中はイルのことでいっぱいになっていた
松崎陸
ベッドに寝転んでリストバンドを外すと
イルのつけた傷が瘡蓋になっていた
以前は直ぐ瘡蓋を剥がすなどしていたが
イルと出会った今はもう
傷口を触ることも
新たに傷をつけることもしなくなっていた
松崎空
松崎文
下の階から微かに空の声が聞こえる
機嫌の良さそうな声に
陸は何となく嫌な予感がしていた
その予感は見事に的中し
空は問答無用で陸の部屋のドアを開ける
松崎陸
陸は言葉を返すこともなく
ゆっくりと体勢を起こす
松崎空
松崎陸
松崎空
松崎陸
松崎空
松崎空
松崎空
陸は陸なりに努力してきた
母親に認められたい一心で受験に挑み
その結果として
母親の望む高校へは進めなかった
しかし
今通っている高校もそれなりに名門と言われている
偏差値もそこそこある学校だった
ご近所さん
ご近所さんから誉められたこともあるが
松崎文
母親はそれが我慢ならず
ご近所さん
ご近所さん
そんなご近所さんの言葉に
松崎文
ご近所さん
松崎文
ご近所さん
松崎文
松崎文
松崎文
母親は過剰に反応していた
ご近所さんとはそれ以降
高校の話をしなくなった
松崎陸
松崎空
松崎空
松崎空
松崎陸
松崎陸
松崎空
松崎空
松崎空
松崎空
陸の言葉は
空の心には届かなかった