芹沢さんがかすみさんの裁判を傍聴していた頃
私はあすみさんの兄、静(じん)さんの裁判の法廷にいた
静さんは警察、検察の取り調べで全てを自供し
かすみさんの命令であすみさんに暴行を加えたことを認め
涙ながらに謝罪の言葉を繰り返していたと言う
今回の裁判には
優真さんの時にお世話になった権田沼弁護士が
静さんの弁護を引き受けてくれることになった
検察官が起訴状を読み上げ
山河裁判官
裁判官が問いかけると
井川静(じん)
井川静(じん)
静さんは静かに答えた
被告人席でもずっと俯いたまま
被告人尋問が開始され
検察官や弁護士があれやこれやと質問をする
検察官
検察官
検察官
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
静さんは一人の女性として彼女を愛してしまった
優真さんの元から戻ってきた彼女に
それまでにはなかった艶かしさを感じてしまい
狂おしい程の嫉妬心に支配され
最初は母親から妹を守るためにしていた行為が
徐々に自分自身の感情をぶつける行為に変わり
自らの意思で彼女に性的暴行を加えた
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
静さんの瞳から涙が溢れる
検察官
検察官
検察官
権田沼三枝子(弁護士)
権田沼三枝子(弁護士)
権田沼三枝子(弁護士)
検察官
検察官
山河裁判官
山河裁判官
緊張感の漂う法廷内
静さんが静かに口を開く
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
その言葉に法廷内がざわつく
権田沼三枝子(弁護士)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
山河裁判官
山河裁判官
山河裁判官
その後も審議は続き
権田沼弁護士は静さんが罪を認め心から反省していること
自分の犯した罪に正面から向き合い
きちんと償う意思があることを訴えた
その後、証人として静さんの担任の先生が出廷し
静さんの学校での様子が語られた
学校での静さんは真面目で目立つタイプではなかったが
あすみさんが失踪した頃から
静さんの様子が少し変わったと
担任の先生は証言していた
静の担任
静の担任
静の担任
そう語る担任の先生の言葉に
俯いていた静さんが顔を上げた
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