/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
久木
氷野さん！
久木
トリック・オア・トリート！
氷野
あ、今日、ハロウィンか
久木
そうです！
久木
お菓子下さい！
氷野
それは子供限定なんじゃないの？
氷野は笑いながら言う。
久木
えー！いいじゃないですか！
久木
この殺伐としたオフィスに癒しを下さい
氷野
あははっ
氷野
じゃ、はい、これ
久木
やった～！
久木
氷野さんありがとうございます！
氷野
悪戯されたら大変だからね
久木
ふふっ、そうですね
氷野
じゃあ、今日は街中も賑わうのかな？
久木
あ～…
久木
毎年渋谷の方は大変なことになってますもんね
氷野
そうだね
久木
さすがにあそこに行く気にはなれませんけど
久木
知り合いがやってるバーで
久木
ハロウィンイベントするらしいので
久木
私は今日、そこに参加する予定です！
氷野
そっか～若いなぁ
久木
若いって、氷野さんも十分若いじゃないですか
氷野
いやいや、もうすぐ三十になるから若くないよ
久木
え！！
氷野
ん？
久木
氷野さん、そんな…三十になんか見えませんよ！？
氷野
ありがと♪
氷野
でも、次の誕生日で三十なんだよ
久木
誕生日っていつですか？
氷野
１１月１１日
久木
もうすぐじゃないですか！
久木
でも、氷野さんが三十とか…やっぱ信じられない
氷野
もぉ、褒めても何も出ないよ？
氷野
（あ、タナキエルさんからだ）
久木
先輩どうしました？
氷野
ううん、何でもないよ
氷野
さ、昼休憩は終わり
氷野
仕事に戻るよ
久木
はーい♪
氷野
（タナキエルさんが来いって言った場所は）
氷野
（このカフェ？…かな？）
氷野
（うわぁ…凄いハロウィンの装飾…）
ベリト
あ、氷野さん！
氷野
あ、ベリトさん
氷野
……
ベリト
ど、どうしました？
氷野
それは…
氷野
その羽は…自前ですよね？
ベリト
…はい…
ベリト
とりあえず、天使の仮装ということにしています
氷野
黒い羽の天使…
氷野
堕天使？？
ベリト
ははっ…まぁタナキエルが口うるさいんで
ベリト
形だけでも…という感じです
氷野
そうなんだ
酔っ払い女
あれぇ～？
酔っ払い女
お姉さん仮装してないのぉ？
氷野
え？あ…はい
酔っ払い女
じゃ～これ上げるぅ！
氷野
え？
酔っ払い女
猫耳カチューシャ♪
酔っ払い女
えい☆
氷野
あ…
酔っ払い女
あはははっ！可愛い！
酔っ払い女
これで入店できるよぉ
酔っ払い女
良いハロウィンを♪
氷野
……
ベリト
よく似合ってますよ
氷野
あ、ありがとうございます
氷野
（いい歳して猫耳カチューシャ！！）
氷野
（は、恥ずかしい！！）
ベリト
さ、どうぞ中に
ベリト
ビーフシチューを作ったので
ベリト
ぜひ、食べていって下さい
氷野
（ビーフシチュー！）
氷野
はい！いただきます！！
ベリト
あはははっ
氷野
（凄い人…）
氷野
（でも、みんな仮装してて原型を留めてない…）
ノノ
あ！夕姫ちゃんだぁ～！
氷野
あ、ノノちゃん！
ノノ
可愛い猫耳だね
氷野
え？あはは…そう、かな？
ノノ
うん♪
ノノ
ちなみにノノちゃんは魔女の仮装なのですぅ
氷野
可愛いね
ノノ
ありがと♪
ノノ
夕姫ちゃん、何飲む？
ノノ
あ、アルコールダメなら、ノンアルコールのモノ出すよ
ノノ
タナキエルが
氷野
じゃあ、お願いしようかな？
ノノ
おっけー！
ノノ
すぐ持ってくるから待っててぇ！
氷野
……
ベリト
お待たせしました
ベリト
ビーフシチューです
氷野
わぁ…美味しそう！！
ベリト
どうぞ、お召し上がりください
ベリト
お飲み物は頼まれましたか？
氷野
うん、ノノちゃんに頼んだよ
ベリト
そうですか
氷野
あ、ねぇ、このカフェってもしかして
ベリト
タナキエルが経営しているカフェです
氷野
！！
ベリト
いつもはタナキエルが一人で切り盛りしているんですけど
ベリト
今日はイベントをするということで
ベリト
私も強制参加…というか強制労働ですね
氷野
そうなんだ…ノノちゃんも？
ベリト
はい
ノノ
夕姫ちゃんお待たせ！
氷野
ありがと
ノノ
じゃ、かんぱ～い♪
タナキエル
なんでお前も一緒に飲んでんだ？
ノノ
へ？
氷野
！！
タナキエル
営業時間が終わるまで飲むのは我慢だ、仕事しろ
ノノ
ひぇぇ…
ノノ
ぐすん…じゃあね、夕姫ちゃん
氷野
うん、また後で
タナキエル
ビーフシチュー食べたか？
氷野
今からいただきます
氷野
その恰好、ドラキュラ伯爵ですか？
タナキエル
おう、様になってるだろ？
氷野
とっても
氷野
もしかして、角は…
タナキエル
自前だ
氷野
やっぱり…
タナキエル
ほら、さっさと食え
氷野
はい♪
氷野
……
氷野
……
氷野
（美味しい！！）
氷野
（みんな料理上手いなぁ…）
氷野
……
氷野
（…でも、なんでだろう…）
氷野
（とっても懐かしい味がする…）
ノノ
いえーい！夕姫ちゃん！飲んでるぅ？
氷野
ノノちゃんっ
ノノ
あ！ベリトのビーフシチュー！
氷野
食べる？
ノノ
いいの？
氷野
うん♪
ノノ
やったぁ～！
ノノ
……
ノノ
う～ん！美味しい！
氷野
美味しいよね
氷野
でも、なんだかとっても懐かしい味がするの
ノノ
ん？
ノノ
夕姫ちゃんのお母さんもビーフシチューよく作ってくれたの？
氷野
そういうわけじゃないけど…
氷野
…とっても懐かしいんだよね…
ノノ
……
ノノ
…もしかして
氷野
もしかして？
ノノ
ベリトさんが夕姫ちゃんのお母さんだったりして！
ノノ
きゃははははは！
氷野
え～…
氷野
それを言うならお父さんでしょ？
タナキエル
おら！何、油売ってんだ！
ノノ
うひゃ～見つかった！
ノノ
にっげろ～！！
ノノ
きゃははははは！
タナキエル
ったく…
タナキエル
どうした？
タナキエル
ビーフシチューいまいちだったのか？
氷野
いえ、とっても美味しかったです
タナキエル
そうか、じゃあそう伝えてやれ
タナキエル
あいつも喜ぶだろ
氷野
はい
氷野
あの…
タナキエル
なんだ？
氷野
タナキエルさん、本当に悪魔なんですか？
タナキエル
……
氷野
……
タナキエル
実は…
氷野
実は……？
タナキエル
悪魔に決まってんだろ
氷野
！！
タナキエル
生まれてこのかたずっと悪魔だ
タナキエル
残念だったな
氷野
…！！
氷野
（でも…）
氷野
（どうしてだろう…）
氷野
（最近…）
氷野
（みんなと話してるととても懐かしい感じがする…）
氷野
（私は…）
氷野
（もしかして、みんなを知っているの…かな？）
氷野
……
氷野
（まさかね！）
ベリト
氷野さん、どうでしたか？
氷野
あ、ベリトさん
氷野
とっても美味しかったよ！
・
・
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
