友達♀︎
菫じゃあねー
桃園菫
また明日〜!
部活に向かう友達を見送って、
自分もリュックを背負う。
すると同じクラスの男の子が 話しかけてきた。
友達♂︎
桃園も帰り?良ければ一緒に帰らね?
桃園菫
ごめん、幼馴染と待ち合わせてるんだ
桃園菫
校門までなら大丈夫だよ!
友達♂︎
全然校門までで
今日の数学は難しかったとか、
体育の後は眠かったとか 話しながら靴箱まで行く。
上履きからローファーに履き替えて 外に出ると、
少し先の校門に蓮の姿が見えた。
友達♂︎
あぁ、あの金髪の?
友達♂︎
いつも怪我ばっかしてるけど怖くねぇの?
桃園菫
全然怖くないよ、幼馴染だし
友達♂︎
でも喧嘩ばっかしてんだろ?
友達♂︎
物騒だよな〜
桃園菫
!
その言葉に私は立ち止まる。
友達♂︎
どした?
桃園菫
蓮は喧嘩ばっかりしてるけど、あれは街を守るためにやってる
桃園菫
確かに怪我ばっかりして心配な時もあるけど、
桃園菫
私は蓮のことを止めるつもりはない
桃園菫
君も私もそんな筋合いないんだよ
真っ直ぐ見つめて言うと、 その子はたじろいで、
友達♂︎
お、おう……じゃ、じゃあまたな!
と残して 先に校門を出てしまった。
桃園菫
( 言い過ぎたかな、あの人とはあんまり仲良くないし… )
でも仲が良いかどうかは 関係ない。
大切な人を悪く言われたら 言い返したくもなるし、
何より蓮を悪い人だと 勘違いしてほしくなかった。
きっと蓮は誰にどう思われても 気にしないけど、
私はそうじゃない。
桃園菫
蓮、おまたせ!
梶蓮
ん
校門脇の塀に背を預けていた蓮が 顔を上げる。
ヘッドホンを外したのを見て 少しほっとした。
さっきの会話は 聞かれてなかったみたい。
桃園菫
行こっ!
梶蓮
ああ
私は何もなかったように そう笑った。
『確かに怪我ばっかりして 心配な時もあるけど、
私は蓮のことを 止めるつもりはない』
『君も私も そんな筋合いないんだよ』
梶蓮
( 言ってくれんな )
梶蓮
ふっ、
桃園菫
え、蓮が笑った…?
桃園菫
熱でもあるの?
梶蓮
ねぇよバカ
桃園菫
バカ!?







