毎朝、仕事前に寄るお店がある。
カランカラン
綺麗な鈴の音に反応し1人の男性が振り返る。
彼
いらっしゃい。
私
どうも……えと、
彼
キャラメルカフェラテですか?
彼はクスッと笑みを浮かべる。
私
なんで覚えてるんですか……。
彼
何ででしょうね。
少し意地悪な彼にドキッとしてしまう。
私
その笑み……反則ですよ?
彼
惚れました?
私
私
……どうでしょう?
私も負けじと悪戯な笑みを浮かべてみた。
彼はカウンターから離れて淡々と注文した品を持ってきた。
彼
キャラメルカフェラテです。
私
…………どうも。
浮かれていた自分を殴りたくなる。
所詮、店員と客
彼
……お疲れ気味ですね?
彼
口開けて?
私
へっ?
不意に口の中に甘い物が入る。
彼
行ってらっしゃい。
太陽よりも暖かい笑みでお見送りしてくれる。
私
……行ってきます。
この甘い時間がいつまでも続くとは限らないけど
今だけは……
彼
あのっ____
私
はい?
彼
笑顔、素敵ですよ。
私
私
どうも……///
車に戻り、キャラメルカフェラテをそっと口へ運ぶ
ほんのり苦くて、甘い。
いつか、いつかこの気持ちを彼に伝える時は、キャラメルカフェラテを一杯飲み干してから言おう。
好きです、と____。







