泣き顔

そう言い、そいつは刃を抜いた

その瞬間、

あり得ないほどの血が流れ出し

僕はそのまま倒れてしまった

こんな痛み、初めてだった

なんて言うんだろうな

目の前が真っ黒で、

でも真っ白で。

痛すぎて、もはや痛くなくて。

でも、声は出ないし体は動かない

「ああ、僕は死ぬんだろうな」って

そう実感するのは難しくなかった

ああ、この子はまだそう言ってくれる

こんなに最低な事をした僕を恨まずに

助けれなくて、ごめんね

昔も、今も。

赤、おねがい

逃げ、て…

そのまま、僕の意識はなくなった

あいつが家に来ることは、わかっていた

あんな状況で冷静になっていられるはずない

たとえ、一度弟を捨てかけた兄であってもね。

もともとあの家は

あの近所で可愛い赤を見つけて

こうやって俺のものにするために一時的に借りていた家

冷静でいれるわけないあいつは今日来るだろう

そう思って、もうすでにあの家の荷物は全て元の家に戻していた

俺が”殺した”ってバレちゃったら

もう赤とはいれなくなっちゃうでしょ？

今頃向こうではどんな騒ぎになっているのか…

まあ今の俺が心配する必要もないかw

そう、赤を腕いっぱいに抱き締める

そして、本当に手に入れたんだと実感し

静かに1人、笑みを浮かべる

そう言い、大好きな君の首にチョーカーをつける

これで、彼の体にはいくつのGPTが付けられたんだろうな笑