これは誰も知らない
秘密のお話
あれ?貴方はいいんだっけ?
まぁ、聞いていきなよ!
あるひと夏の物語。
雨宮 藍
僕は起きて直ぐに辺りを見回す。
雨宮 藍
ベッドから足を下ろすと、少し熱かった。
雨宮 藍
そうだ。母さんがいるんだ…。 昨日は、帰ってきたっけ?
雨宮 藍
僕は急いで確認に行った。 僕は鮮明に覚えてる。母さん特有のトリートメントの匂い。
ガチャ、と部屋から出て、階段を駆け下りた。
ガチャ
……あれ?いないのか?
雨宮 藍
名前を呼んでみたが、返事がない。きっと、もう仕事に行ったんだ。
雨宮 藍
僕はぶうたれると、少し待って 冷蔵庫を開けた。
雨宮 藍
しかし、昨日も食べてない。14歳の腹は減らない物なのか?
否、死んでしまうかもしれない。何か胃に入れて置いた方がいいか。
雨宮 藍
持病を患っているから、ダメだ。外に出れない…
じゃあ、どうする?
栄輝
雨宮 藍
振り向くと、2つ年下の中学生、栄輝が僕のすぐ下にいた。
あぁ、もう少しで背が追い抜かれてしまう。どうしようか。
栄輝
それだけ言うと、方向を変えパタパタと玄関の方向へ進む。
栄輝
玄関の取っ手を握りながら栄輝が 僕の方を振り向く。
栄輝
雨宮 藍
去り際に少しニッと笑ったのは、僕の気の所為か?
短い白髪が揺れる。
いつだったか、言っていたっけ。
『持病のせいで、髪の色が変わってしまった』…と。
雨宮 藍
勝手に結論付けると、僕は部屋に向かって歩いた。
ピーンポーン
少し大きめのインターホンが鳴る。
雨宮 藍
花山 瑞希
雨宮 藍
顔が紅い。この暑さだ、仕方がないことだろう。
雨宮 藍
せめて精一杯のフォローはしなければ。栄輝の彼女さんかな?
花山 瑞希
雨宮 藍
ボソボソと何かを言う彼女を後目に、僕は靴を履く。
花山 瑞希
…?
雨宮 藍
慌てて胸の前で手をブンブン振る。 あぁ、傷つけてしまったか?
花山 瑞希
僕が優しい?優しくなんて無い…けどそんなこと考えたって仕方ない。
雨宮 藍
ギュッと瑞希ちゃんの手を握る。
花山 瑞希
雨宮 藍
ドタドタ、ドタンッ!
花山 瑞希
手を引いた力が強かったのか、瑞希ちゃんは転んでしまった。
雨宮 藍
慌てて手を引っ張り瑞希ちゃんの身体を起こす。
花山 瑞希
起こしあげたけど、少し膝から血が出てる。どうしよう…
雨宮 藍
どうせ謝ったって許してなんてくれないだろう。
僕の言う事は…いや、発言権なんて家では無いのだから。
────────父さんが、いる限り。
花山 瑞希
雨宮 藍
少し考え事をしていた隙に、バッと走り出す瑞希ちゃん。
糞、糞、クソっ。
追いかけなきゃ。1人じゃ、危ない。
花山 瑞希
最後に見たのは、恐怖でひきつった瑞希ちゃんの顔だ。
雨宮 藍
僕は絶叫した。
僕が手を離したからだ。きっと。 あのまますぐ追いかけていれば。 こんな惨い姿にはならなかった。
雨宮 藍
殺した張本人に言われて、瑞希ちゃんは何と思う?恨む?妬む?祟る?
もういい。どうでも。僕なんかが人の心配をしたからだ。
僕は不幸の塊なんだ。瑞希ちゃんも、その被害者だ。
僕も一緒に死ねていれば良かった。そうしたら、仲良くいけたのに。
何なんだ。なんで僕と瑞希ちゃんの傍に見知らぬ人がいる。
女の人
どうしよう。
学生さん
学生さん
学生さん
僕が犯罪者?そんな訳ない。僕は被害者だ。
救えなかった、被害者なのに。
どうして僕の周りはこんなことが起こる?僕が言いつけを破ったから?
どうして。どうして。
雨宮 藍
僕は悪くない。僕の不運が悪いんだ。きっと、そうなんだ。
雨宮 藍
僕は違う。だって、僕は何もしてなかったじゃないか。
雨宮 藍
あぁ、違う。違う。知らないんだ。 何にも。ただ平和に生きたいんだよ。
雨宮 藍
雨宮 藍
雨宮 藍
長い黒髪。真っ青な眼。間違い無い。アレは─────
雨宮 藍
暇だったから、書いてみた
コメント
3件
私も乃亜ちゃんと里菜ちゃんと同じこと考えてた()
乃亜ちゃんと一緒のこと考えてた()
ごめんね、ほんとにごめん。 タイトル見てさ… るぅとくんの僕じゃない!が永遠と頭の中に…((