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アタシたちのトークは、誰が見てる？

第1話 - 裏切り者の条件

2025年12月03日

#グループライン

#うらぎり

らむ

真帆

ちょっと、どういうこと？さっき渉ちゃんとさえちゃんのグループから連絡きたんだけど。

咲良

え、何が？まさか、あのクラスのグループラインのスクショのこと？

真帆

そうだよ。うちで話してた皆倉さんとあくあについての悪口のスクショが、なんで担任にまで届いてんの？

咲良

マジで！？やばいじゃん、やばいやばい… ねぇ、誰がやったの！？

真帆

落ち着いて。このグループで話してる内容は、私たち3人しか見てないはずだよね。

咲良

...

真帆

まさか、莉子！？莉子、何も言わないけど、まさか莉子じゃないよね？

莉子

わたし、ちがうよ...。

真帆

莉子、急いで返事しなくていいから。落ち着いて。

真帆

さっきはごめん。リコに強く言いすぎたかも。

真帆

二人だけのチャットに切り替えたのは、リコを信じてないとかじゃなくて、ちょっと落ち着いて話したかったからだよ。

真帆

咲良は、本当に何も知らないんだよね？

咲良

知らないよ。っていうか、マホこそ何でそんな冷静なの？普通もっとパニクるでしょ。

咲良

まさか、マホじゃないよね...？

真帆はスマホを強く握りしめた。咲良の感情的な言葉が、真帆の心をチクチク刺す。真帆は、自分の冷静さが逆に疑われるとは思っていなかった。

真帆

落ち着いて咲良。私は違うよ。

真帆

誰がやったかじゃなくて、どうやって流出したかを考えよう。

真帆

昨日の夜、私たちがあの悪口を言ったグループトーク、誰かスクショした？

咲良

私はマホもしてないなら、リコしかいないじゃん。リコはそういうの得意そうだし。

真帆は、咲良の返信から一切の迷いが感じられないことに、ゾッとした。この緊迫した状況で、友達を攻撃する咲良の様子は、むしろアリバイ作りに必死に見えた。

真帆

待って咲良。

真帆

スクショするのって、リコしかできないことじゃないでしょ。私たちだって、やろうと思えばできる。

真帆

誰もスクショしてないなら、トークルームの内容がどうやって外部に流出したか、もっと深く考える必要がある。

真帆

ねぇ咲良。昨日の夜、スマホ誰かに貸したりしなかった？例えば、家族とか、彼氏とか。

咲良

貸してないってば！マホ、私が犯人だって言いたいの！？

咲良

そんなことより、リコが何か知ってるはずだよ！リコは最近、クラスで変な噂立てられてたじゃん！

真帆は、スマホの画面をしばらく見つめた。咲良が裏切り者ではないなら、なぜこんなにも莉子を攻撃するのだろう。その必死さが、逆に真帆の疑念を強めた。

真帆

噂？どんな噂？

咲良

え...知らないの？

咲良

リコ、あのグループトークに入る前、別の子の悪口を先生にチクったって話だよ。だから、あのグループも警戒してたんだと思ってた。

真帆の瞳が大きく見開かれる。莉子がそんなことをしていたなんて、初耳だった。

咲良

ほら、証拠。これ、当時クラスで出回ったチクリのメモの写メ。

咲良

真帆

これ、まさかリコが書いたってこと...？

真帆

莉子、さっきは咲良が感情的になってごめん。

真帆

で、これ。

真帆

このメモのこと、莉子も知ってるよね？

真帆

さっき咲良が「これ、莉子が書いたんじゃないか」って言ってきて...。

真帆

私は莉子を信じたい。だから、正直に教えて。このメモ、莉子が先生に出したの？

莉子

真帆、そんなこと聞いてどうするの？昔のことでしょ？

莉子

今、大事なのは、誰が私たちを裏切ったかじゃないの...？

真帆は、莉子の言葉に違和感を覚えた。「昔のこと」だと一蹴しながらも、メモが自分と関係ないとはっきり否定しない莉子。その返信に、真帆の指は止まった。

真帆

でも、その噂が本当なら、私たちが今話してる悪口のチャットも、莉子がまた先生に流したって疑われるよ。

真帆

莉子自身のためにも、ちゃんと否定して。

莉子

真帆、怖いよ...。咲良ちゃん、私だけを疑ってるんでしょ？

莉子

私、何もしてないけど、どうすればいいの？真帆、助けて。

真帆は、画面越しに莉子の泣きそうな顔が目に浮かんだ。冷静であろうとする真帆の心も揺らぎ始める。メモのことは怪しいけれど、目の前の「助けを求める親友」を見捨てることはできなかった。

真帆

わかった。ごめん、怖い思いさせたね。

真帆

まず、落ち着こう。リコは裏切り者じゃないって信じるよ。

真帆

でも、このままじゃ咲良がリコを攻撃し続ける。

真帆

私が咲良の疑いを晴らす。そのために、咲良のアリバイをもう一度探ってみる。

真帆

咲良、さっきはごめん。リコに少し話を聞いたよ。

真帆

莉子は、あのメモのことは関係ないって言ってる。

真帆

だから、私たちは協力しないとダメ。

真帆

もう一度聞くね。昨日、スマホを誰にも貸してない、誰にも触られてないっていうのは、本当に確か？

真帆

少しでも心当たりがあるなら、言って。それが、咲良の無実を証明する唯一の方法かもしれないから。

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らむ

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