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月見様天才神なのでは? 自分の大好きな人、守っていくはずだった人を逆に傷つけてしまったりうちゃんの感情表現が上手すぎて心がしみました(?)それでも自分の大切な人のために自分のトラウマをぶち破るりうちゃん、カッコよすぎる。そしていむくんのりうら呼びも新鮮で心に刺さりました。最後のないくんがりうちゃんの手を取ってあげるシーンで大号泣。ホントに言葉にできないくらいの感動が最後の最後で弾けて死にました。神
どうしましょう!!!気づいたら5週ぐらいしてますこの連載!!!あああああっ月見さんほんと好き!!!!!!あーすき!!!
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
赤くん→火を操る能力 水くん→植物を操る能力 白くん→毒を操る能力 桃さん→重力を操る能力 青さん→一度見たものを完全に覚えられる能力、水を操る能力(温度変化により氷の操作も可能) 黒さん→言霊(言葉で人を操ったり言ったことが現実になったりする)
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・赤桃、青黒、白水前提 ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
その時、俺達は能力者狩りに遭遇し、荒々しい戦闘を繰り広げていた。
一人、二人、三人と倒して、最後の一人。
炎を纏った手を、そいつへと振りかぶって。
確かに、その体へと炎を飛ばした。
桃
だから、背後から聞こえてきた恋人の叫び声に、頭が真っ白になった。
赤
振り返れば、そこには右肩を押さえて苦しそうに顔を歪めたないくんが倒れ込んでいた。
服から覗くその肌には、痛々しい火傷の跡。
は、と息を吐き出して振り返れば、つい数秒前に俺が攻撃した筈のそいつが、何事も無かったかのように平然とその場に立っていた。
細められた目に見つめられ、すーっと体の奥から冷えていく様な感覚に陥った。
青
黒
上半身だけ服を脱いだないこの肌を見て、あにきが顔を歪めた。漸く絞り出したかの様な、まるであにきが痛い思いをしたかの様なその声に、彼の優しさが滲み出ている。
そっとないこの火傷の跡に触れたあにきが、祈る様に目を閉じた。
黒
その言葉を合図に、火傷の跡はないこの肌からすーっと跡形もなく消えて行った。
凄いな、と心の中で思う。
桃
黒
桃
黒
漸く和らいだ空気と、緩んだ表情。その雰囲気に、遠目に見守っていた俺もほっと小さく息を吐いた。
黒
桃
二人の視線が俺に注がれる。俺は見ていた。見てしまったから。
青
黒
桃
青
黒
表情を固くした二人に見つめられ、俺は口を開く。
青
息を呑む音。息苦しい空間。
黒
あにきの言葉に頷く。そうでなければ、ないこが火傷を負ったことの辻褄が合わない。
正直、腹が立つ。不敵に笑っていたアイツに。能力者狩りを行いながらも、能力者と手を組むアイツらに。
桃
不安げな顔で、ないこが尋ねる。
黒
二人が、心配そうにアイツの部屋がある方を見つめた。
りうらのとこ、行ってくる。と意を決した様にリビングを後にしたないこを見送り、俺はソファに座るあにきの元へと歩を進めた。
青
黒
青
黒
青
黒
彼の隣に座って、腕を広げる。
黒
青
真っ直ぐ見つめて名前を呼べば、彼はぴくりと体を揺らし、その動きを止めた。
青
そう言って微笑めば、ぽすんと腕の中に収まる体。少し深い溜息が、その口から漏れ出した。
黒
青
黒
青
背中に回された控えめな腕に、笑みが溢れた。
少しずつ、少しずつ。自分から頼れるようになってくれるといいな。
カーテンを閉め切った部屋の中で、俺は呆然と座り込んでいた。
ないくんのあれは、明らかに火傷の跡だった。
同じ場所にいたまろが、「お前何したんや!」とアイツを問い詰めて。
僕は能力者だからね
平然と行ってのけたそいつは、唖然とする俺達を気にもかけず、笑ったまま口を開いた。
簡単に言うと自分が受けるダメージを誰かに肩代わりさせる能力、かな
その言葉で、全てが分かった。
ないくんの怪我は、俺が原因だってこと。
・・・俺が、ないくんを傷付けたんだ。
こんこん、と叩かれる部屋の扉に、ぴくっと肩を揺らした。
桃
その言葉に、答えることは出来なかった。
ないくんを入れて、もし触れたとして、また傷付けてしまったら。
もうアイツはいない。なのに、あの時のないくんの表情と声が、今も頭の中に居座り続けて。
怖い。
底知れぬ恐怖と不安が、胸を支配する。
もう、あんな思いはしたくない。
桃
諦めて欲しい。いや、寧ろ、なんで平然とここに来てるんだ。自分が痛い思いをした原因となった男がいるっていうのに。
ガチャ、と音がして、ハッと顔を上げた。そう言えば、鍵はかけていなかった。
桃
確かに、その肌には火傷があった痕跡すら無かった。まるで何もなかったかの様な、綺麗な肌がそこにあった。
・・・でも、違う。
赤
桃
あの時の光景は、どうやったって消えてくれない。あの瞬間、ないくんが傷付いたという事実は変わらない。
赤
桃
赤
桃
赤
言葉を遮って叫べば、ないくんは息を呑んだ。ないくんに向けてこんな風に叫んだこと、今までにあったろうか。
赤
桃
その時、ギシリと床を踏む音がした。
黒
部屋に入って来たあにきが、なんとも言えない顔で俺を見つめる。
赤
黒
うるさい、うるさいうるさいうるさい。
俺の気持ちなんて分からないくせに。そんな当然みたいな顔で、俺の心に踏み込もうとしないで。
あにきの腕が伸びてくる。
黒
赤
ボッ‼︎
黒
熱の籠もった赤い光が、その場に現れた。
弾かれた様に後ろに下がったあにきに、熱くなっていた心がさーっと冷えていく。
赤
桃
黒
ないくんが駆け寄ったあにきの右手は、赤く腫れ上がっていた。
黒
違う、違う違う違う違う。なんで、なんで謝ってんの。なんで笑ってんの。違う、そうじゃない。だって、全部俺が。
青
黒
桃
部屋の入り口に立つ彼から、冷気が漂う。
パキパキと、彼の周りは氷に覆われてすらいた。
氷より冷たいのではないかと思う程の視線が、俺の体を突き刺した。
青
赤
心の中はもうぐちゃぐちゃだ。優しさに動揺して、反発して、怒りすら覚えて、でも泣きたくなって。
この場を穏便に済ませられるほど、俺は大人になれていなかった。
赤
は、と薄く笑う俺は、一体誰なんだろう。
俺の言葉に、まろの目が見開かれる。それからすぐに、その冷気が冷たさを増した。
青
赤
氷と炎が、まさにぶつかろうとしていたその時。
黒
青
赤
俺とまろの動きが、ギシッと止まる。どれだけ動かそうとしても、体は動かなかった。
黒
苦い顔をしたあにきの隣にいるないくんの目から、涙が床にこぼれ落ちた。
白
水
初兎ちゃんと僕が出かけている間に起こっていた衝撃的な出来事に、僕は上手く言葉を発せないでいた。
今も部屋に籠もっている彼の精神状態もだし、ソファに座って俯く彼の精神状態も心配だ。
能力者と能力者狩りが行動を共にしてるなんて、考えられない事実に頭は一層混乱する。
桃
黒
青
ないちゃんの自責の言葉を、あにきが即座に否定する。そんな彼を後ろから抱き締めて、さっきからその肩に顔を埋めているのはいふくんだ。
にぎにぎと、いふくんはあにきの綺麗な右手を握っている。それもあにきが自分で治したらしい。最初は軽い火傷だから大丈夫と言って本人に治すつもりはなかったらしいが、いふくんの大懇願とないちゃんの説得の上、治すことにしたらしい。
言霊って凄いなと感心しながらも、自分の怪我についてはやっぱり何処か考えが疎かになるあにきに、早く自分のことも大事するようになって欲しい、と密かに願った。
白
黒
ないちゃんの怪我は、勿論りうちゃんのせいなんかじゃない。
それでも、好きな人を傷付けてしまったという事実が、りうちゃんの心を縛って苦しめてるんだ。
・・・どうしようもない現状に、誰一人として口を開くことが出来なかった。
りうちゃんは、今日も部屋から出て来ない。
部屋に籠もるようになってから、もうすぐ一週間だ。
毎食あにきが部屋の前にご飯を置いているし、数時間後見に行くと少しだけだとしても口を付けてあるらしいから、餓死なんてことはないと思うけど、やっぱり心配なものは心配で。
今どんな状態なのか、想像すら出来ないし、誰も知らない。あにきなら部屋に入っていそうだと思ったが、いふくんが許さないようだった。確かに、治したからと言っても火傷負っちゃったもんな・・・。また好きな人が傷付いたらと思うと怖いよね。
水
廊下で一人立ち尽くして、ぽつりと呟いた時。
リビングに放置していたスマホから流れた着信音が、嫌に大きく耳に届いた。
今日も、部屋から出ない。
日光を完全に遮った部屋の中で、何をする訳でもなく座り込む。
この手が、この能力が嫌いだ。戦闘向き?どうでもいい。大切な人を傷付ける可能性がある能力なんて、欲しくなかった。
炎めっちゃかっこいいじゃん!主人公かよ羨まし〜!
そう言えば、1番最初にこの能力を肯定したのも、ないくんだったな。
流石にもう、そんなこと言わないと思うけど。
ないくんを傷付け、あにきを傷付けたこの手に触れることが、嫌になっただろう。怖くなっただろう。
このまま消えてしまえたら。炎が儚く消えるように、俺も、何も残さず消えてしまえたなら。
そんなことを考え始めた時、部屋の扉の向こうから大声が響いてきた。
水
赤
ここ暫く聞いていなかった彼の、只事では無さそうな声色に思わず声を漏らした。
ドン、と扉が叩かれる。部屋の鍵は閉めていた。
水
赤
その言葉に、心臓を鷲掴みにされたかのような感覚になる。
ドクドクと速まる心臓に、は、と息を吐き出す。いや、でも、俺が行ったって。
水
赤
聞いたことのない荒い声。呼び捨てなんて、されたことあっただろうか。
水
赤
ほとけっちに何か分かるんだ。なんて、また心の片隅で反発する俺がいる。
水
違う、そうじゃない。そうじゃないけど、
水
赤
その声が、臆病な心をぶっ壊した。
元々体力が無い訳ではないと思う。でもここ最近外に出ていなかったせいか、少し走っただけでも息切れがした。
ああ、かっこ悪い。でも今、そんな自分に笑える余裕すらあった。
ちゃんと守らないと許さないから、と涙目で言ってきたほとけっちの言葉を思い出す。これでほとけっちの言葉を守らなかったら、初兎ちゃんにまで怒られそうだ。
その手で守れよ!!!
元々、そのつもりだった筈だ。
この手は、誰かを傷付ける為じゃなく、守るためにあったのに。
怯える自分の心に縛られて、上手く動けなくなっていた。
大切な人を守る為に使えばいいんだよ
ああ、そのことも、君から教わったんだったね。
・・・非常にまずい。
両手足を縛られ床に転がされている俺は、この状況の打開策を考えていた。
抵抗しようと思えば、出来ないことはない。だが、さっきまで一緒にいた初兎ちゃんのことが気がかりだった。
逃げれているなら良いが、もし別の場所で捕らえられたりしていて、俺が何か行動を起こしたことで初兎ちゃんに危害が加えられたらと思うと、下手に動くことは出来ない。
かなりまずい状況だと分かった上で、頭は冷静だった。
思い浮かぶのは、炎の様に赤い髪の毛。
炎を纏う彼は、何よりもかっこよかった。
桃
あの時、突然の燃えるような痛みに苦しむ中で、りうらの真っ青な顔を見た。
困惑と絶望がせめぎ合う、そんな酷い顔。
そんな顔しないで、なんて、言える余裕もなくて。
アイツは優しいから。きっと俺のことを考えて、閉じこもっているんだ。
何日も見ていないその姿。言葉を交わしたのは、笑顔を見たのは、何日前?
伸びてくる手に、俺は静かに目を瞑った。
りうらの手は、こんな奴らの手なんかと違って、もっと優しくて、強い手だった。
・・・あの手に、触れたいな。
桃
男達の叫び声。急激に上がった温度と、確かに明るくなった世界に、俺は思わず目を開ける。
そして、目を見張った。
目の前にあるのは、数日間見ていなかった彼の背中。
赤
赤く燃え上がる炎が、とても眩しかった。
他にも能力者狩りがいないか周りを見渡し、安全を確認した俺は、炎を消した。
振り返れば、呆然と俺見つめるないくんと目が合う。
赤
大きな怪我をしていないことを確認し、俺は小さく安堵の息を吐き出した。
何かを喋るより先に、その縄を解く。
赤
無意識に彼に触れようとして、伸ばしかけた手をすぐに引っ込めた。
また、傷付けてしまったら。
ないくんやあにきの、痛みに歪んだ表情が思い浮かんだ。
桃
赤
ないくんが俺の手を掴み、頬で手の平に擦り寄った。
桃
赤
桃
目を細めて笑う君は、何よりも綺麗だと思った。
桃
やっと触れられた。と嬉しそうな表情が、視界で滲んだ。
桃
赤
桃
おどけたようにそう言うないくんに、乱暴に涙を拭って、その目を真っ直ぐ見つめた。
赤
桃
赤
桃
どこからくるんだ、そんな自信。
桃
包み込まれた両手。微笑むその表情に、また泣いてしまいそうになった。
赤
桃
赤
どうか、もう一度。
おかしそうに、でも嬉しそうに表情を緩めたないくんは、炎よりも明るくて眩しい笑顔で笑った。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
手を繋いで、隣を歩く。
あの時の光景も事実も、消えたりなんてしてくれないけど。
それでも、その手を取る。何より君が好きだから。
君が好きだと言ってくれたこの手で、君を守りたいから。
君に、触れたい。
イレギュラーな毎日で、これから先も君の手を取って。