〜魔王城下町〜
ヒデオ
勝手なイメージですが
ヒデオ
調合師というのはもっと静かな場を好むものだと思ってました
ゴルド
あながち間違いではないな
ゴルド
利便性を求めたら街中だけど少し目に付きにくい場所
ゴルド
とかを好む傾向にあると思うぞ
ゴルド
現に俺がこれから紹介する人もそんな場所に店構えてるからな
ヒデオ
なるほどねぇ
エルン
エルン
わぁ!
エルン
魔物の街ってこんなに発展してるんですね
エルン
てっきり人の街だけだと思ってました
ゴルド
どちらかと言えば俺らの街の方が発展してるな
ゴルド
魔法具を上手く使い生活をより豊かにしてたりするし
ゴルド
建築物も素材から拘ってたりする職人もいるくらいだからな
エルン
それに色んな種族も見えますね
ゴルド
ザリル様のように人とほとんど遜色ない者や
ゴルド
俺のように獣感が強い者もいる
ゴルド
ま、どんな容姿だろうとこの国の住民なら拒む理由はねぇからな
ヒデオ
それを聞くとだいぶ人よりも進歩してますね
ゴルド
ゴルド
と、この脇道に入って少しすれば目的地に着くぞ
ヒデオ
ゴルドさんのご友人の調合師さん
ヒデオ
やはり同じオークなのですか?
ゴルド
んー…
ゴルド
まぁみてからのお楽しみってとこかな
エルン
なにかされないかだけが心配です……
ヒデオ
そうなったら二人で止めるから大丈夫だって
ゴルド
毎度お客さんには手を出すなって俺も話してるからないと思うがな
〜癒しの宿舎 『スレーヌ』〜
ゴルド
おーい俺だー
ゴルド
ちょっとあんたに用があるから顔見せてくれねぇか?
ヒデオ
随分落ち着きのある店内ですね
エルン
不思議とエルフの森に近しい雰囲気を感じます
マルル
マルル
なぁにゴルド?
マルル
また、怪我したから薬貰いに来たの?
お店の奥から現れたのは背丈の小さな女性で着てる服も相まって人形のような華麗さと可愛さを兼ね備えていた
ゴルド
今日はあんたにお客さんだよ
マルル
あたしにお客さん?
ヒデオ
どうも
ヒデオ
私は魔王城にて道具屋を構える予定のヒデオというものです
マルル
ヒデオさんねぇ…
エルン
ひ、ヒデオさんのお手伝いをする予定のエルフのエルンです
マルル
なに?
マルル
あなた今エルフと言ったわね?
エルン
は、はい
マルル
そう…
マルル
エルフねぇ……
ゴルド
手を出すのはやめろよ?
マルル
出さない出さないだいじょーぶ☆
ゴルド
どうだかな……
マルル
で、なんの用……と聞くまでもないわよね
マルル
こんなしみったれたお店に来るんだから
マルル
用は調合師について知りたいってところでしょ?
ヒデオ
お話が早くて助かります
エルン
そ、それで調合師のスキル獲得って………
マルル
別に簡単に教えちゃうよ?
マルル
あたしだけの特権じゃないし
マルル
むしろ調合師が増えてくれた方が助かるの
エルン
そ、そうなんですね
ヒデオ
ちなみにゴルドさんから聞いたが
ヒデオ
エルフの方がいないと怒るとか…
マルル
まー、怒るわよ?
マルル
あたしはエルフちゃんの綺麗なお肌とかを見て
マルル
美容に気をつけてたりするんだから
ヒデオ
だからエルフの方がいないと怒るのか……
マルル
何よりエルフちゃんは必ず調合師のスキルを持っててね
マルル
そんな才能があるのに使わないなんでもったいないじゃない
マルル
あたしはそんなエルフちゃんを救ってあげようと思ってるの
マルル
ちなみに人の世界でエルフちゃんをどれいにしたりする商売があるのよね?
ヒデオ
そうですねお金持ちの道楽って感じですね
マルル
そんな人たちを見るとあたしは許せなくなってね
マルル
あたし特製の猛毒薬を飲ませて反省させたりもさせてるほど
マルル
エルフちゃんが大好きなのよ
ヒデオ
まぁ、同じ人として恥ずかしい話ですがね
マルル
あらら〜
マルル
ヒデオさん人がいいのね
マルル
エルンちゃんも良かったわねこんな人の元で働けるなんて
エルン
は、はぁ
マルル
さて、ちょっと長く話しちゃったわね
マルル
それじゃあ軽く自己紹介しておくね
マルル
あたしは『マルル』
マルル
このスレーヌってお店を一人で経営してる
マルル
美人さんって認識でいいよ♪
マルル
ここでやってる事はさっきも話した通り調合師ってスキルを使った
マルル
いわゆる回復薬とかの製作販売ね
マルル
あとは同じ調合師さんたちの相談相手ってこともしてるの
マルル
困ったことがあればどんどん質問してね
エルン
すごい人ですねマルルさんって
ゴルド
んじゃ俺はまだやる事あるから面倒見てやってくれ
ゴルド
頼んだわ
マルル
いつもならあたしの商品買っていかせるところだけど
マルル
エルンちゃんを連れてきたお礼として今回話しにしてあげる
ゴルド
そりゃどうも
軽口を残してゴルドは店を出ていく
マルル
さて
マルル
どうする?
ヒデオ
どうする、とは?
マルル
いきなり調合師のスキル獲得のために頑張っちゃうか
マルル
まずはあたしのお仕事風景でも見るか
マルル
二択を選ばせてあげる
ヒデオ
その辺は彼女に任せます
エルン
わ、私にですか?
ヒデオ
エルンがどうしたいか
ヒデオ
それを決めるのは私ではなく君自身だ
エルン
わ、私は……
エルン
エルン
マルルさん!
エルン
先にお仕事の風景見せて貰ってもいいですか?
マルル
ぜーんぜんいいよ!
マルル
なら、私の仕事部屋に案内してあげる