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波瑠
波瑠
朔
波瑠
波瑠
葵
朔
幼い頃からずっと一緒だった葵。葵はいつも校門で待っていて、2人でいつも通学するのが当たり前の日常だった 明るく元気で、誰にでも優しい葵。けれど拓真だけは知っている。彼女が人知れず無理をしていることを。体育の授業を少し休むことが増えたのは、きっと「疲れただけ」と言う彼女の本心を隠す嘘だと思っていた。
朔
葵
彼女の笑顔に、いつも救われていた。それなのに、 何もしてあげられない自分が、歯がゆかった。
春が過ぎ、夏になった。葵は何度も熱を出して、ついに入院することになった。
葵
土曜日ごとに病院へ通い、宿題を一緒にしたり、ゲームの話をしたり。けれど、葵は少しずつ痩せていった。手首は細くなり、明るかった顔も、時々ふっと曇るようになった。
葵
そういった葵の声は震えていた
朔
葵は力なく微笑んだ。
帰り道、朔は彼女に言えない想いを自転車をこぐ風に乗せて呟いた
朔
夏休みも終わる頃、葵は何週間も病院から戻らなくなった。 朔は何も手につかず、教室の窓からいつもと違う日常を見つめていた。
見舞いに行ったある日、葵の髪が前より短くなってるのに気付いた。
朔
葵
朔は必死に首を振った
朔
彼女はふと、涙を浮かべた
葵
何も言えなかった…手を握るだけで精一杯だった。