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救った人(かげよこ)

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救った人(かげよこ)

8 - 交われない

♥

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2024年05月18日

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花火が打ち上がった

初めて、花火を見た

影山拓也

きれー、

右隣にいる影山くんに視線を動かす

笑顔で純粋なその瞳は

あの時からなにも変わってないね

俺は、

凄く変われたかな、

影山くんのおかげだよ

花火に視線を移す

花火ってこんな大きい音するんだ

家から遠くになってる音を嫌でも聞こえてきたからな、

去年の自分に教えてやりたいよ

俺の顔に誰かの手が触れた

影山くんだった

横原悠毅

えっ、

思わず涙していた

横原悠毅

あこれは、

焦って涙を拭っていると

影山くんが優しく微笑んでくれた

あ、

影山拓也 幼少期

せっかくかっこいい顔してるのにもったいないよ

影山拓也 幼少期

笑って!

そう言ってくれているような気がした

優しく微笑んでまた花火に視線が戻していた

俺も花火に視線を戻した

影山拓也 幼少期

立てる?

そういって手を伸ばしてくれた

横原悠毅 幼少期

うん

影山拓也 幼少期

名前は?!

影山拓也 幼少期

俺はかげやまたくや!

横原悠毅 幼少期

えっと、、

横原悠毅 幼少期

よこはら、

影山拓也 幼少期

よこはら?

下の名前を言うのが怖くて俯いていた

影山拓也 幼少期

よこはら!よろしくな!!

下の名前は聞いてこず笑いかけてくれた

花火が終わって解散した

影山くんと二人では見れなかったけど

でも隣で見れたから

去年とは大違いだなあ、

影山拓也

横原!!!

後ろから影山くんが叫んできた

振り返ると

息切れをした影山くんがいた

横原悠毅

え、どした?

影山拓也

いや、、えっと!!

乱れた髪に浴衣

なにがあったんだろう

横原悠毅

なんか、あった?

影山拓也

俺、

影山拓也

男が好きなんだ、

風がまだ生暖かかった

影山拓也 幼少期

○○スーパーでお母さんと会ったのが最後なんだけど、、

横原悠毅 幼少期

じゃああっちだよ

指さして案内した

歩き出して少し経った時に

影山拓也 幼少期

あのさ、よこはら

かげやまくんが話し出した

影山拓也 幼少期

いじめられるっていうか、

影山拓也 幼少期

辛い、苦しい気持ち、、俺も分かるよ

同情しようと寄り添ってくれようとしてくれてんのかな

横原悠毅 幼少期

分かんないでしょ、

口を滑らせそう言ってしまった

ダメだ、生意気なこと言ってる

横原悠毅 幼少期

あ、ごめん、ごめんなさい

影山拓也 幼少期

え、なんで謝るの?

影山拓也 幼少期

ちょっとよこはらのいじめとは違うかもだけど

影山拓也 幼少期

俺ね、人とは違うって無視されたりしてるんだ

影山拓也 幼少期

話しかけても無視される

横原悠毅 幼少期

そう、なんだ、

人とは違うってなにが違うんだろう

普通の人だけど

影山拓也 幼少期

どっかでまた笑わられてるのかなって考えちゃって怖い

どうしてこんなことを話してくれるのだろうか

影山拓也 幼少期

俺、男の子が好きなんだ、

影山拓也 幼少期

みんな、女の子を好きになるけど俺はどうしても好きになれない

恋愛に疎い俺でも分かる

男の子は大抵女の子が好きだったし

女の子はみんな男の子に好きと言っていた

これが、人とは違うってことか、

影山拓也 幼少期

あ、急にこんな話してごめんね

影山拓也 幼少期

ちょっともうダメになりそうで

そういうかげやまくんの顔を見た

笑ってたけど苦しそうだった

横原悠毅 幼少期

俺、なにができるかな

影山拓也 幼少期

え、

横原悠毅 幼少期

かげやまくんに

影山拓也 幼少期

よこはら、引かないの?

横原悠毅 幼少期

なんで引くの?

横原悠毅 幼少期

俺の方がよっぽど普通じゃないよ

そうだよ、俺の方が

影山拓也 幼少期

普通って、、

影山拓也 幼少期

よこはらも普通が欲しいの?

横原悠毅 幼少期

うんできることなら

影山拓也 幼少期

一緒だ。似てるね俺たち

少し俺より身長が高いかげやまくんは

また笑いかけてくれた

影山拓也 幼少期

じゃあ、約束しよ!

横原悠毅 幼少期

ん?

影山拓也 幼少期

お互いを応援する!

影山拓也 幼少期

普通を見つけたらまたどこかで会えるかな

横原悠毅 幼少期

かげやまくん、

影山拓也 幼少期

あとさ、俺絶対負けたくないんだ

影山拓也 幼少期

だから学校も休まないって決めてる

影山拓也 幼少期

よこはらもあいつらに勝とう!

横原悠毅 幼少期

勝つ?

影山拓也 幼少期

うん、諦めず学校に行けたら俺らの勝ち!

横原悠毅 幼少期

分かった

辛いのに

苦しいのに

かげやまくんはこんなに笑ってる

かげやまくん、またどこかで会おうね

影山拓也 幼少期

ゆびきった!

影山拓也

俺、

影山拓也

男が好きなんだ、

苦しい感情と

どこに向けたらいいか分からない感情が

怒りが

俺の中で交差する

横原悠毅

影山くん、

横原悠毅

俺それ知ってるよ、

ねえ影山くん

なんで約束忘れちゃったの

影山拓也

えっなんで、

横原悠毅

なんでって、

なんでってなんだよ、

横原悠毅

俺だけが見た夢みたいじゃん、

影山拓也

え、

横原悠毅

なんで、あの時のこと忘れてんの!?

横原悠毅

あんだけ言ってくれたのに、

横原悠毅

俺はちゃんと覚えてるのに!!

横原悠毅

なんで、なんで!!

影山くん、なんで、

影山拓也

横原、ちょっと、

横原悠毅

影山くんが!!

横原悠毅

影山くんがああ言ってくれたから

横原悠毅

今の俺があるんだよ、

横原悠毅

ここまで生きてこれた

横原悠毅

涙、拭いて、、

横原悠毅

かっこいいって言ってくれたじゃん、

ああ、俺何言ってんだろ

なに声荒らげてんだろ

もう、俺普通じゃないじゃん

横原 母

悠毅〜?学校は〜?

横原悠毅

熱、出たから

横原 母

そう、分かった

横原 母

今日出ないといけないから家誰もいないけど

横原 母

簡単なもの食べてね

横原悠毅

うん

仮病ではなく

ほんとに熱をひいた

夏休み明け

あれから横原は走って帰ってしまった

それから連絡はとれていない

いや、連絡出来ないままでいる

影山拓也

(今日ちゃんと謝って話そう、)

2時間目前

移動教室

影山拓也

(1組行ってみよ、)

1組の教室を覗くと

横原はいなかった

影山拓也

あ、基、横原は?

基俊介

おはよいえよ笑

基俊介

よこ?今日は休みだって

影山拓也

え?

基俊介

なんか熱でたらしくて

影山拓也

そうなんだ、、

大丈夫かな、

なんかしてやりたいけど、お節介だよな、、

椿泰我

かげ〜遅れるよ〜

影山拓也

あ!うん!

影山拓也

基ありがと!

基俊介

いいよー

4時間目前

影山拓也

いや、えー

影山拓也

どうしよ、

鈴木大河

かげスマホとにらめっこしてどうしたの?

影山拓也

えっいや

影山拓也

横原に連絡しようかと、

鈴木大河

あ今日休みなんだよね?

鈴木大河

いーじゃん連絡したら?

影山拓也

あーだよな、、

「横原、熱大丈夫?」

いや、大丈夫ではないし、、

「横原〜!!熱お大事に!!」

いや完全に煽ってるし

分かった

これだ

影山拓也

俺早退する

影山拓也

上手くいった、、

仮病で早退することができた

いや、どうしよ

衝動でやってしまったが

普通に親御さんがいた場合は、、

考えてもしょうがない、行くしかない

影山拓也

よしっ、

「今から行く」

とだけLINEして

コンビニへ走った

12時少し前

横原の家は1回送ったことがあるから知っていた

コンビニで買った物資を片手に

影山拓也

よしっ、

やるしかない

俺はインターホンを押した

10秒ほど経った頃だろうか

横原悠毅

はい、

いつもよりよわよわしい声が応答してくれた

影山拓也

あ、横原えっと〜

影山拓也

心配で、、

横原悠毅

うん、ちょっとまって

そういうと

ドアの鍵が開いて

パジャマ姿の横原が顔を出した

そして手招きをしてきて

家に入れてくれた

影山拓也

お邪魔します、、

初めて横原の家に入る

横原は猫背になって咳をした

影山拓也

横原っ、キツかったよな、

ドア開けるのも辛かったよな、

横原悠毅

てきとうに座って、

そう言い体がよろけて俺にハグ状態になった

影山拓也

えっあ、

やばい、普通にどうにかなりそう

影山拓也

横原、とりあえず横になろ、

そしてソファに移動させた

影山拓也

ご飯食べた?

横原悠毅

いや、

横原悠毅

お腹、空いた

影山拓也

あ、簡単なものつくるよ

影山拓也

冷蔵庫とキッチン使って大丈夫?

横原は薄く目を開けたまま小さくうなづいた

横原悠毅

今日、午前だけだったっけ、

影山拓也

あ、早退して、さ

横原は少し笑って

横原悠毅

ありがとう、

そういって寝始めた

寝顔は、初めて見た

俺の心を鷲掴みされた

影山拓也

(可愛い、)

熱ひいてるの相手に向かってなに思ってんだ、

俺はキッチンを使わせていただいて料理を始めた

救った人(かげよこ)

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