ラコント
……いつも通りね。
クラウン
いやー本当そうですね。
クラウン
変わらないのが1番です。
ラコント
……貴方、今日はどうしたの?
クラウン
何がです?
ラコント
いつもなら
1人で行動するのに……。
1人で行動するのに……。
クラウン
……貴方についていけば、
彼に会えると思って。
彼に会えると思って。
ラコント
……?
クラウン
気にしないでください。
誕生日の貴方を1人きりに
したくない死神の優しさです。
誕生日の貴方を1人きりに
したくない死神の優しさです。
ラコント
……胡散臭いわよ。
クラウン
おっと、今日は当たりが
強いですね。
強いですね。
ラコント
っ……!
ラコント
(やっぱり……不思議な人。)
アクヤ
おっと、ラコントだけかと
思いきや、
クラウンまでお揃いで。
思いきや、
クラウンまでお揃いで。
クラウン
久しぶりです悪魔さん。
アクヤ
あぁ、久しぶり。
ラコント
……お誕生日、おめでとう。
アクヤ
……ラコントこそ。
アクヤ
この一年は、君にとっての
決断の一年となっただろう。
決断の一年となっただろう。
アクヤ
そう、俺が“仕組んだ”からね。
アクヤ
けれど君にはもう少しだけ、
僕のお遊びに付き合って欲しい。
僕のお遊びに付き合って欲しい。
アクヤ
覚悟は?
ラコント
……貴方の作った私だもの。
ラコント
覚悟なんて、もうとっくに
しているわ。
しているわ。
アクヤ
それならよかった。
アクヤ
それで、クラウンは僕に
何か用が?
何か用が?
クラウン
少し、お話を伺いたくて。
アクヤ
あー……分かった。
アクヤ
じゃあ場所を変えよう。
[狂界]
ラコント
(また、場所が変わった……?)
ラコント
(しかも、知らないところ……)
クラウン
……貴方の世界ですか?
アクヤ
まぁ、そう
捉えてくれればいい。
捉えてくれればいい。
アクヤ
ここでは君たちの能力が
制御できるんだ。
制御できるんだ。
アクヤ
僕の“バグ”でできた、
罪の世界だからね。
罪の世界だからね。
アクヤ
さ、話を元に戻そう。
アクヤ
何が聞きたい?
クラウン
……貴方は、
ミアリス以外の世界に、
どんな物語を紡いでいるんですか?
ミアリス以外の世界に、
どんな物語を紡いでいるんですか?
アクヤ
……不思議な質問だね。
アクヤ
僕が物語を作っていると、
誰から聞いたんだ?
誰から聞いたんだ?
クラウン
聞いたわけではありません。
クラウン
ただ、貴方がミアリスを
キヴィットさんと一緒に
作ったというのなら、
キヴィットさんと一緒に
作ったというのなら、
クラウン
それ以外に貴方は、世界を作ることに関与できるのでは?と思ったのです。
ラコント
(確かに……私も気になる。)
ラコント
(彼はいつも、どこにもいない。)
ラコント
(誰かの特別な日にだけ、
ふらっとミアリスに現れる。)
ふらっとミアリスに現れる。)
ラコント
(それが紛れもない、
彼の意思ならば、)
彼の意思ならば、)
ラコント
(ミアリス以外の世界が、
存在しているはず。)
存在しているはず。)
ラコント
(今いるここだって、変わらないじゃない。)
アクヤ
うーん……簡単にいえば
沢山ある、
というべきだろうが、
沢山ある、
というべきだろうが、
アクヤ
頭のいい君なら、
わかるはずだよ。
わかるはずだよ。
アクヤ
君は一度、違う世界の誰かに
出会ったはずだ。
出会ったはずだ。
アクヤ
それがもし、僕が作った世界のお人形として作られたなら?
アクヤ
そう考えてくれればいい。
クラウン
違う世界の誰かに……。
アクヤ
その謎は、
自分で紐解くべきだ。
自分で紐解くべきだ。
アクヤ
じゃあね、
“幸福なるヴィラン達”。
“幸福なるヴィラン達”。
ラコント
あっ、ちょっと待って!
ラコント
……!
ラコント
(また、聞きそびれちゃった……。)
クラウン
ふむ、ますます難しい。
ラコント
……どんな人に出会ったか、
心当たりは無いの?
心当たりは無いの?
クラウン
……あります。
ラコント
そう、あるのね。
クラウン
ミアリスとは違う、
別の世界……。
別の世界……。
クラウン
そこにまた、違う私達が
存在する……。
存在する……。
クラウン
世界は広いですね。
ラコント
……そうね。
クラウン
ラコントは、考えないんですか?
クラウン
別の世界の自分を。
ラコント
……私の化身は彼で、
彼の化身は私だもの。
彼の化身は私だもの。
ラコント
それ以上も、以下もないわ。
クラウン
……ラコントらしい回答ですね。
ラコント
そう?
古い教会に、古いピアノの音が 響き渡っている。
そこに、扉の音が混じるのを 聞いて、魔女は止まった。
マレセル
……今年も来たのかよ。
アクヤ
……来たらダメか?
マレセル
いーや別に?
マレセル
勝手にすればいいさ。
アクヤ
じゃあ勝手にしまーす。
マレセル
はぁ……ラコントには?
アクヤ
会ってきた。
マレセル
……教えて欲しい事がある。
アクヤ
ん?
マレセル
なぜラコントがいるのに、
俺を作ったんだ?
俺を作ったんだ?
マレセル
お前の化身なら
1人でいいはずだ。
1人でいいはずだ。
アクヤ
……そうかもしれないけど、
アクヤ
最悪な結末には、
君が必要だったわけ。
君が必要だったわけ。
マレセル
……そうですか。
アクヤ
お前今年で何歳だっけ。
マレセル
700。
アクヤ
うわーおじいじゃん
マレセル
引っ叩くぞ。
番外編 「2人のbirthday」
考察は任せます()