テラーノベル
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夏休み入ったから 多めにあげれたらいいなって思って書いてます!! 申し訳程度のマフィアパロ要素 最後の方にほんとにちょっとだけ🦁🐤🍣でます
目の前で子供が死んだ
守れなかった
自分の存在が憎くて仕方なかった
自分が怖かった
苦しかった
しんでしまいたかった
誰かに責められたかった
「お前のせいだ」
そう言われたかったのに誰も僕を責めなかった
少女の家族でさえ僕を責めず僕が生きていたことを喜んでくれた
それが僕をさらに苦しめた
🐇
心配そうに顔を覗き込んで来たのは初兎ちゃんだった
🐇
初兎ちゃんは困ったように眉を下げていた
あぁ、困らせちゃってる
💎
精一杯の返事をして僕は自分の部屋へと閉じこもった
怖い
息が詰まりそうだ
頬を伝う涙が止まらなくて近くにあったカッターを手首に滑らせる
僕の左腕はもう新しく切れるところがないほど傷だらけで酷く醜かった
それでも腕を伝う赤は僕が生きていることの証明だった
その赤から目を逸らしたくて腕を必死で擦った
でも存在を主張してきて僕は目を背けるように壁にもたれかかった
あの子の最期はどんな記憶だっただろうか
きっと暗くて怖くて痛かったんだろうな
誰も助けてくれないことを悟って死んでいったんだろうな
孤独だっただろうな
息苦しくなって必死に息をする
死にたいのに体は生きようと息をするのが惨めで余計に苦しくなって涙がこぼれる
カヒュッヒュッヒュッヒュ-ッという音が喉からなり続けて耳に響く
耳に響く
うるさいうるさいうるさい
死にたい
消えたい
いなくなってしまいたい
もう僕を楽にしてくれ
🐇
そう呼んでみるも返事は無い
心配になって階段を上がっていくと扉の向こうから苦しそうな息遣いが聞こえてきた
🐇
返事はなく扉を開けると酷く生臭い鉄の匂い
部屋に目をやると苦しさを紛らわせるように羽織っていたカーディガンを抱きしめて大きく肩で息をするいむくんの姿が目に入った
🐇
床に広がる血溜まりに膝をついて、いむくんに前から抱きしめて背中をさする
🐇
相当苦しかったのか俺の胸に縋るようにしてどうにか呼吸を整えようとしている
💎
いむくんの呼吸はいつまでたっても整わなくて可哀想で見ていられなくて落とすことにした
🐇
元々細いのにさらに細くなり力無く壁へともたれる彼をお姫様抱っこしてベッドへ運ぶ
彼が眠っている間に???へ連絡を入れると
という文言だけが送られてきた
🤪
ばたばたと顔を真っ赤にして肩で息をしながら駆け込んできたまろちゃんは部屋を見るなり座り込んでしまった
🤪
優しい彼のことだから止められなかったことを悔いているのだろう
🐇
そう言うとまろちゃんはこくんと頷いて片付けを始めた
🐇
🤪
そう言うと彼は黙々と作業を続けながら呟いた
🤪
その言葉にどう返したらいいのか分からなくなって俺は下を向いた
彼が苦しんできた跡は床にこびりついて落ちなかった
掃除を終えて俺たちは冷たくなったご飯を温めて一緒に食べた
美味しかったけれど終始無言で気まずくなってご飯をかきこむ
口に広がるご飯の優しい甘みに涙が出て大人げもなく泣いた
悔しくて
やるせなくて
無力な自分が嫌だった
🤪
そう言うまろちゃんも鼻を啜っていた
🤪
ただ彼の優しい声が耳に響いた
ふと上の階でガタンッという音がして二人で涙を拭って2階へ走った
そこには引き出しを狂ったように漁る仲間の姿があった
彼の虚ろな目が俺たちの姿を捉えると
💎
と、さっきまでが嘘のように優しい声で問いかけてきた
その光景があまりに異様で俺は思わずたじろいだ
💎
そう言って彼は泣いた
手当をして綺麗にした包帯を剥ぎ取り掻きむしって腕を噛んで泣いた
俺とまろちゃんの2人がかりで何とかとめて落ち着くまで抱きしめていた
🤪
錯乱する彼を抑えるまろちゃんも苦しそうに泣いていた
🐇
俺はそう言うことしか出来なくてただただいむくんの背中をさすった
いむくんが落ち着いたころまろちゃんが頑なにまくらなかった右の袖をまくった
そこには今のいむくんのような傷がびっしり
でもそれは茶色くケロイドになって肌に馴染みかけていた
🤪
まろちゃんの知らない過去
🤪
そう言って彼は自分の傷跡に目を向けて困ったように笑った
🤪
いむくんは目を見開いてなにかに気づいたように泣いていた
💎
涙声でそう言ういむくんは赤子のように泣いた
🤪
🐇
🍣
🐤
🦁
🤪
いつしかそんな言葉を真夜中にかけることも聞くことも減って
代わりにいむくんに笑顔が増えた
とても嬉しくて一度も起きずに寝た時は涙が出そうになった
きっと痛みが癒えることは無いし生きていく限りは傷つけられてしまう
そんな人生だけど少しでもこれからの生活に笑顔が溢れるようにと
いむくんのやわらかい寝顔を見ながら願うばかりだ
秋も深まる雲ひとつない晴天のもと
僕は仲間たちと一緒にあの場所に来ていた
あの日とはうってかわって家族ずれで賑わっていたがその場所は森の中の木漏れ日が暖かい静かな場所にあった
💎
そう願いを込めて花束を供えた
END 仲間と願いと涙の日を
コメント
8件
あいらぶ
神作すぎる… やっぱお話書くの上手すぎます✨ 💎君も🐱君も頑張ってるんだね。みんなが優しすぎて泣ける( ; ; )
りり偉…明日の分も書いたわ