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禿

urt花魁

禿

○△様がいらっしゃいんした

urt

あい、今準備しておりんす

俺が着る着物は、黒色の布に桃色の 花が描かれている着物

俺は黒なんか似合わないのに…

身請け相手の要望により、 俺はいつもはわけている前髪を下ろす

でも、簪だけは緑色のをつけた

自分は身請け相手のもの じゃないって思いたいから

楼主

おお、準備出来たかい?

urt

…あい。

世話係(ババア)

……

世話係(ババア)

……幸せにね。

urt

…あい。

○△

urt花魁

○△

やっと俺のものになるな

○△

綺麗だよ

urt

身体が気持ち悪い

早くこの着物を脱ぎたい

でも、少しの我慢だ

門を抜けたあと、俺は逃げ出す

手など繋がない

全て偽りなのだから

○△

ここを出るのは何年ぶりだい?

urt

…14年ぶりでありんす

○△

いろんな客に抱かれてたみたいだけど

○△

これからは俺だけのものだからな

urt

…あい。

違う

俺は誰のものでもない

タイミングは門を越えた瞬間

あと、3秒…

2

1

○△

俺は走り出した

着物が重い

でも、逃げないと

後ろを振り返ると男が 追いかけてきていた

その後ろにババアや 楼主様の姿も見える

俺は必死で走った

urt

はぁはぁっ…

何年も走っていないため 俺は体力があまりないみたいだ

走るペースが落ちている

ドンッ!

urt

うわっ!

ぅわっ!

俺は誰かとぶつかって転んでしまった

それと同時に俺の髪についていた 緑の簪がとれ、地面に転がった

やばい、逃げないと

それなのに…

urt

っ!

足が痛い

ねちがえたのかわからないが 痛くて立ち上がることが出来ない

後ろの男はどんどん近づいてくる

俺は手だけを使い 座りながら必死で体を引きずる

urt

やだ…

urt

捕まりたくないっ!

そんな俺の行動も虚しく 男は俺の足を掴んだ

○△

どういうことだよ!!!

○△

俺がお前の主人だぞ!

ああ、もう無理だ

結局、運命には抗えないんだ

男は俺が地面に落とした緑の簪を 手に取った

○△

これも

○△

俺はつけていいなんて言ってないぞ!

もう俺は逃げられない

ずっとこの男のそばに 居なければならない

せめて、簪だけは…

urt

urt

…申し訳ありんせん

urt

…もう逃げんせんから!

urt

…ずっとそばにいますから!

urt

どうか、その簪だけは返してくれんせんか?

○△

○△

これは…お前の想い人のか?

urt

……

○△

なぁ?わかってんのか?

urt

ぐぁっ!…

俺は胸ぐらを掴まれ、持ち上げられた

○△

俺は買う人間、お前は買われる人間

○△

自分の立場を自覚しろよ

ドサッ

urt

っ…

俺は地面に放り投げられた

urt

……お願い

urt

お願いします

urt

簪だけは返してくださいっ

○△

バキッ

嫌な音がした

簪はふたつに折れていた

urt

っ…

urt

……や…

唯一の心の支えだった

もう…髪につけることは 出来なくなってしまった…

俺は静かに涙を流した…

その後、楼主様とババアも 俺たちに追いついた

ババアは俺を見るなり俺を睨んだ

世話係(ババア)

ったく!あんたって奴はっ!

ババアは手を振り上げた

ああ、叩かれるんだな

反射的に目を瞑った

バシッ

urt

urt

響くような音がしたものの、俺の頬に 痛みを感じなかった

俺は恐る恐る目を開く

そこには驚いた顔をしたババアと

男の人の後ろ姿…

った…

世話係(ババア)

す、すみませんっ!!

世話係(ババア)

大丈夫ですかっ!

大丈夫です

こんなのは夢だ

だって

skt様がここにいるはずないっ!

…ur…さん?

男が俺の方を向いた

幻じゃない

今、ここに

skt様がいる

urt

……

urt

skt……様。

skt

声を聞くまで全然気づかんかった

skt

髪も服も全然違かったから

urt

……

楼主

sktさん…頬が…

ババアに叩かれたskt様の 頬は赤く腫れていた

skt

あぁ…大丈夫や

skt

すぐ治る

世話係(ババア)

本当に申し訳ありませんでした

世話係(ババア)

医者に行かれた方が…

skt

そんな、大袈裟な…

世話係(ババア)

しかし…

skt

skt

じゃあ…ひとつ頼みがあるんやけど…

世話係(ババア)

skt

俺とurt花魁と、楼主様と、urt花魁の身請け相手の方と4人で話がしたいんや

世話係(ババア)

えっと…それは…

楼主

楼主

でも…sktさんをそのままにするもの…

楼主

○△様、よろしいですか…?

○△

○△

別に

skt

ありがとうございます

俺たちは吉原へと戻った

skt様は俺を持ち上げて運んでくれた

どうして…

酷いことをしたのは俺なのに…

どうして優しくするの…

でも、体だけは正直で

熱を帯びたみたいに赤くなっていた

skt様は俺を下ろすなりすぐに 口を開いた

skt

お願いします

skt

urt花魁を身請けさせてください

urt

?!

楼主

えっ…

○△

はぁ?!

○△

俺はこいつに1000両払ってんだよ

skt

2000両

楼主

えっ

skt

2000両でどうですか?

○△

はぁ?そんなのお前みたいな若造に用意出来るわけないだろ

skt

すぐにでも用意します

skt

なんなら今日中にでも

○△

っ…

楼主

えっと…

楼主

どうしたらいいのかしら…

楼主

規則だと…身請け金が高い方に行くことになっているのだけれど…

○△

チッ

○△

まあ、抱くんだったら顔がいいやつがいいけど…

○△

別にたかが性奴隷に1000両以上払いたくはねぇし

skt

っ!!

ドンッ!

○△

っ!痛ったっ

○△

何すんだよ!お前!

skt

吉原の人はっ!urさんは!

skt

奴隷なんかねぇ!!

skt

全員等しい人間だ!

○△

でも、お前だってそいつを買うんだろ?

○△

結局は商品じゃねえか

skt

!…

urt

urt

やめてっ

skt

……urさん…

urt

urt

…確かに…俺は買われてるよ…

urt

でもっ…

urt

skt様の俺の扱いは奴隷でも商品でもなかった

urt

1人の"人間"としてだったっ

urt

skt…

skt

なに?

urt

本音隠して…

urt

酷いこと言って…

urt

突き飛ばして…

urt

ごめん

skt

skt

俺もごめんな?

sktは俺を抱きしめてくれた

涙が頬をつたっていく___。

でも俺の涙だけではなかった

skt様は必死に隠しながら 涙を流していた

○△

チッ

○△

好きにしろ

男はそう言って出ていった

楼主

楼主

これで…よかったのかしらね

楼主

sktさん、身請けはいつの予定で?…

skt

そうやな…

skt

1週間後なら見世側も大丈夫か?

楼主

ええ、大丈夫です

skt

そしたら今夜はurさんと寝るわ

楼主

ええ、分かりました

skt

urさん

urt

あい

skt

どうしたん?布団入らないん?

urt

urt

……ぃ…

skt

urt

ごめんな"さぃ…

urt

これっ…

skt

別に簪くらいええよ

skt

それに壊れたのはurさんのせいやないやろ?

urt

だけどっ…

skt

urさん

skt様は俺の頭をそっと撫で 優しく微笑んだ

urt

urt

skt…

skt

ん?

urt

どうして…身請けしてくれるの?

urt

俺だったら出来ないよ…

urt

抱かれるのを拒んで…間夫を切った相手だよ?

skt

……

skt

これは…ずるいかもしれんけど…

skt

まーしぃから聞いたんよ

まーしぃ?

ああ、sm様か

skt side

urt

…間夫も…終わりにしましょう…

skt

なぁ…?

skt

それはurさんの本音なん?

skt

何があったん?

俺はずっと、"本当の笑顔"に するために吉原の来ていた

urさんを好きになってもそれは 変わらなかった

だから、urさんが俺に心を開いて くれていると感じ、嬉しかった

でも、まだ足りなかった

まだ、建前がある

悔しかった

どうしたら本音を言ってくれるのか 分からなかった

俺は間違った方法をしてしまった

skt

本音やないやろ?

俺は激しく口付けをした

urt

やめろっ!

ドンッ

urさんに突き飛ばされて 我に返った

その場に居られる勇気がなく 俺は逃げた

その日から、俺の日々は止まった

仕事をする気にもなれず ただ各地を無心でまわっていた

ここに帰ってきたのはurさんが 身請けされる2日前だった

身請けの1日前

sm

skt?

skt

え、まーしぃ?

sm

久しぶりやな

skt

ここには全然おらんかったからな

俺が笑っても、まーしぃは 笑い返してくれなかった

sm

sm

俺さ…

sm

明日、snrを身請けするんや

skt

そうなんや

sm

sktは?

sm

urt花魁とどうなん?

skt

skt

俺なぁ…

skt

urさんに振られたんや

skt

抱くの拒まれて、間夫はやめようって言われてしもた

skt

ははっ…ダサいよなぁ笑

sm

なんでいきなり間夫をやめようって言われたん?

skt

どうせ俺にでも冷めたんやろ

sm

sm

お前…

sm

何にも知らないんやな

skt

えっ?

sm

それが真実やって思ってるん?

skt

skt

そんなん…思いたくないに決まっとるやろ…

skt

でも…きいても教えてくれんかってん…

バシッ

skt

ったぁ!…

俺はまーしぃに平手打ちされた

sm

そんなん、言えないに決まっとるやろ!

sm

その日、urt花魁は全身痣だらけやったんやぞ!

skt

えっ…

skt

そんなん…俺聞いてへん…

sm

urt花魁は、sktと間夫ということがバレて罰を受けたんや

sm

それを、本人に言えるわけないやろっ

そうだったん?

何も知らんかった

間夫をやめようと言ったのも

やっぱり本音やなかったんや…

skt

俺…urさんに酷いことしてたっ…

skt

まーしぃ…

skt

俺はどうすればええん?

sm

そんなん自分で考えてや

sm

でも、もう無理かもな

sm

明日、urt花魁は他のやつに身請けされる

skt

えっ…

sm

明日やないともう間に合わないで

urさんが…他のやつに身請け…?

嫌や!

でも、俺が行っても何も 変わらないんじゃないのだろうか

urさんに合わせる顔なんてないのに…

次の日

俺は迷っていた

urさんが買われるのは 嫌という気持ちと

俺が行っても何も変わらないという 無力感が戦っていた

でも、前者が勝った

俺は吉原へと走った

もう、間に合わないかもしれへん

でも、最後まで諦めたくない

ドンッ

skt

ぅわぁ!

urt side

skt

やっぱり…俺のせいやな…

skt

ごめん

urt

urt

今回は…誰のせいでもない

俺たちがそういう運命だったから

urt

でも…

urt

来てくれて…

urt

ありがとう

その時、sktは涙を流した

まあ、それは俺もなんだけど

その後、俺たちは久しぶりに 体を重ねた

sktはやっぱり あたたかくて、優しくて、 気持ちが良かった

skt

urさん

skt

好きやよ

urt

俺もっ

1週間後

身請けの準備が整った

俺は着物を羽織る

sktが用意してくれた 緑と赤の入った振袖だ

skt

urさんっ

urt

skt…

urt

…似合う?

skt

ああ、もちろんや

skt

…その髪の簪

urt

これ?

urt

直した

ふたつに折れた簪は頑張って直した

見た目は少し不格好だが

skt

俺が新しいの買ってやるんに

urt

俺はこれがいいの!

urt

思い出が詰まってるから

skt

urさんらしいわ笑

俺はsktと恋人繋ぎをしながら 吉原大門へと向かう

14年間、ずっとここにいた

俺の人生はここからまた始まる

urt

わぁ

門を抜けると、木には桜が咲いていた

先週はまだ咲いていなかったのに

skt

綺麗やなぁ

urt

skt

skt

ん?

urt

大好き

skt

俺も

skt

urさんのこと大好きやで

桜が降っている中 俺たちは唇を重ねた___。

花魁usss ~4人の吉原での物語~ ~〜完~~

花魁usss ~4人の吉原での物語~

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コメント

9

ユーザー

お疲れ様です!! とてもよかったです!( > <。) 最高でした!

ユーザー

ふわぁぁぁぁ目と鼻から水止まらへん…(´°̥̥̥ω°̥̥̥`) 俺が考えたEND(?)もしっかり入ってて号泣しました…(語彙力GoTOトラベル行った) フォローとブクマ失礼します…(´°̥̥̥ω°̥̥̥`)

ユーザー

お疲れ様です!! いやーもう最後まで最高でした! みんなが幸せで良かったです

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