禿
禿
urt
俺が着る着物は、黒色の布に桃色の 花が描かれている着物
俺は黒なんか似合わないのに…
身請け相手の要望により、 俺はいつもはわけている前髪を下ろす
でも、簪だけは緑色のをつけた
自分は身請け相手のもの じゃないって思いたいから
楼主
urt
世話係(ババア)
世話係(ババア)
urt
○△
○△
○△
urt
身体が気持ち悪い
早くこの着物を脱ぎたい
でも、少しの我慢だ
門を抜けたあと、俺は逃げ出す
手など繋がない
全て偽りなのだから
○△
urt
○△
○△
urt
違う
俺は誰のものでもない
タイミングは門を越えた瞬間
あと、3秒…
2
1
○△
俺は走り出した
着物が重い
でも、逃げないと
後ろを振り返ると男が 追いかけてきていた
その後ろにババアや 楼主様の姿も見える
俺は必死で走った
urt
何年も走っていないため 俺は体力があまりないみたいだ
走るペースが落ちている
ドンッ!
urt
俺は誰かとぶつかって転んでしまった
それと同時に俺の髪についていた 緑の簪がとれ、地面に転がった
やばい、逃げないと
それなのに…
urt
足が痛い
ねちがえたのかわからないが 痛くて立ち上がることが出来ない
後ろの男はどんどん近づいてくる
俺は手だけを使い 座りながら必死で体を引きずる
urt
urt
そんな俺の行動も虚しく 男は俺の足を掴んだ
○△
○△
ああ、もう無理だ
結局、運命には抗えないんだ
男は俺が地面に落とした緑の簪を 手に取った
○△
○△
もう俺は逃げられない
ずっとこの男のそばに 居なければならない
せめて、簪だけは…
urt
urt
urt
urt
urt
○△
○△
urt
○△
urt
俺は胸ぐらを掴まれ、持ち上げられた
○△
○△
ドサッ
urt
俺は地面に放り投げられた
urt
urt
urt
○△
バキッ
嫌な音がした
簪はふたつに折れていた
urt
urt
唯一の心の支えだった
もう…髪につけることは 出来なくなってしまった…
俺は静かに涙を流した…
その後、楼主様とババアも 俺たちに追いついた
ババアは俺を見るなり俺を睨んだ
世話係(ババア)
ババアは手を振り上げた
ああ、叩かれるんだな
反射的に目を瞑った
バシッ
urt
urt
響くような音がしたものの、俺の頬に 痛みを感じなかった
俺は恐る恐る目を開く
そこには驚いた顔をしたババアと
男の人の後ろ姿…
世話係(ババア)
世話係(ババア)
嘘
こんなのは夢だ
だって
skt様がここにいるはずないっ!
男が俺の方を向いた
幻じゃない
今、ここに
skt様がいる
urt
urt
skt
skt
urt
楼主
ババアに叩かれたskt様の 頬は赤く腫れていた
skt
skt
世話係(ババア)
世話係(ババア)
skt
世話係(ババア)
skt
skt
世話係(ババア)
skt
世話係(ババア)
楼主
楼主
楼主
○△
○△
skt
俺たちは吉原へと戻った
skt様は俺を持ち上げて運んでくれた
どうして…
酷いことをしたのは俺なのに…
どうして優しくするの…
でも、体だけは正直で
熱を帯びたみたいに赤くなっていた
skt様は俺を下ろすなりすぐに 口を開いた
skt
skt
urt
楼主
○△
○△
skt
楼主
skt
○△
skt
skt
○△
楼主
楼主
楼主
○△
○△
○△
skt
ドンッ!
○△
○△
skt
skt
skt
○△
○△
skt
urt
urt
skt
urt
urt
urt
urt
urt
urt
skt
urt
urt
urt
urt
skt
skt
sktは俺を抱きしめてくれた
涙が頬をつたっていく___。
でも俺の涙だけではなかった
skt様は必死に隠しながら 涙を流していた
○△
○△
男はそう言って出ていった
楼主
楼主
楼主
skt
skt
楼主
skt
楼主
skt
urt
skt
urt
urt
skt
urt
urt
skt
skt
urt
skt
skt様は俺の頭をそっと撫で 優しく微笑んだ
urt
urt
skt
urt
urt
urt
skt
skt
skt
まーしぃ?
ああ、sm様か
skt side
urt
skt
skt
skt
俺はずっと、"本当の笑顔"に するために吉原の来ていた
urさんを好きになってもそれは 変わらなかった
だから、urさんが俺に心を開いて くれていると感じ、嬉しかった
でも、まだ足りなかった
まだ、建前がある
悔しかった
どうしたら本音を言ってくれるのか 分からなかった
俺は間違った方法をしてしまった
skt
俺は激しく口付けをした
urt
ドンッ
urさんに突き飛ばされて 我に返った
その場に居られる勇気がなく 俺は逃げた
その日から、俺の日々は止まった
仕事をする気にもなれず ただ各地を無心でまわっていた
ここに帰ってきたのはurさんが 身請けされる2日前だった
身請けの1日前
sm
skt
sm
skt
俺が笑っても、まーしぃは 笑い返してくれなかった
sm
sm
sm
skt
sm
sm
skt
skt
skt
skt
skt
sm
skt
sm
sm
sm
skt
sm
skt
skt
skt
バシッ
skt
俺はまーしぃに平手打ちされた
sm
sm
skt
skt
sm
sm
そうだったん?
何も知らんかった
間夫をやめようと言ったのも
やっぱり本音やなかったんや…
skt
skt
skt
sm
sm
sm
skt
sm
urさんが…他のやつに身請け…?
嫌や!
でも、俺が行っても何も 変わらないんじゃないのだろうか
urさんに合わせる顔なんてないのに…
次の日
俺は迷っていた
urさんが買われるのは 嫌という気持ちと
俺が行っても何も変わらないという 無力感が戦っていた
でも、前者が勝った
俺は吉原へと走った
もう、間に合わないかもしれへん
でも、最後まで諦めたくない
ドンッ
skt
urt side
skt
skt
urt
urt
俺たちがそういう運命だったから
urt
urt
urt
その時、sktは涙を流した
まあ、それは俺もなんだけど
その後、俺たちは久しぶりに 体を重ねた
sktはやっぱり あたたかくて、優しくて、 気持ちが良かった
skt
skt
urt
1週間後
身請けの準備が整った
俺は着物を羽織る
sktが用意してくれた 緑と赤の入った振袖だ
skt
urt
urt
skt
skt
urt
urt
ふたつに折れた簪は頑張って直した
見た目は少し不格好だが
skt
urt
urt
skt
俺はsktと恋人繋ぎをしながら 吉原大門へと向かう
14年間、ずっとここにいた
俺の人生はここからまた始まる
urt
門を抜けると、木には桜が咲いていた
先週はまだ咲いていなかったのに
skt
urt
skt
urt
skt
skt
桜が降っている中 俺たちは唇を重ねた___。
花魁usss ~4人の吉原での物語~ ~〜完~~
コメント
9件
お疲れ様です!! とてもよかったです!( > <。) 最高でした!
ふわぁぁぁぁ目と鼻から水止まらへん…(´°̥̥̥ω°̥̥̥`) 俺が考えたEND(?)もしっかり入ってて号泣しました…(語彙力GoTOトラベル行った) フォローとブクマ失礼します…(´°̥̥̥ω°̥̥̥`)
お疲れ様です!! いやーもう最後まで最高でした! みんなが幸せで良かったです