🟩「おやすみ」
🟦「うん」
短い言葉を交わした。夕焼けの昇る空から降る光を受け止めながら。
なにか...喉が苦しかった
?「助けてよ」
🟩「へっ...?」
此処は...一体...?
見覚えなんて無いし、むしろこんな暗く孤独を感じる部屋があるのか...?
さっき言葉を発した本人であろう、見たところ6歳くらいの幼き男の子だ。気になるのは1つ、僕が持っているはずのラピスラズリが嵌ったピアスがその子の耳に付いていた
?「お兄ちゃん」
?「僕に見覚えは無い?」
脱走しようとしたが何故か体が動かない。視線を少年に向けることしか出来ない
🟩「い、...や、無い」
そう答えると少年は残念そうに目を落ち込ませた
?「僕の事。ほんとに分からないんだね」
?「まぁ、しょうがないかな」
6歳の話し方にしては...変だ
🟩「君は...何歳?」
君は誰?と付け足すのを忘れていた。でもまぁ、あそこで付け足そうとしたところで多分、声は出なかった
?「?7歳だよ?」
さも当たり前かのようにその子は呆然とする。
🟩「なんで僕のピアスを」
なぜ僕は意外にも喋れるのに正体は聞けないのだろうか
...?
?「僕がこれを付けてる理由...かぁ。いいよ、教えてあげる」
あれ...?おかしいな...
この子以外の声が微かに...
?「このピアスね」
景色がぼんやりする。しかも一瞬の内にだ
彼の声は途中で途切れ、僕の喉に激痛が走った
🟩「ケホ、ッガァハッ!?」
あれらは夢だったのか?
いや、そんな事より
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
喉と口に針が刺されたのか?と一瞬感じた程にだ
🟩「ぁ、ケハッ」
喋るのも、咳込むのも痛い
全てが痛い。痺れる。
◼️「はやく麻酔を! でないと...」
そこから先は痛みの波が一気に襲ってきて耐えるのに精一杯だったので覚えていない
「助けてよ」
少年の言葉の奥に隠された意味が、ほんの少しわかった気がした
🟩「ガハ、ケホ、ァガッ!!!」
涙でいっぱいな目を黒さんは拭ってくれた
麻酔が刺されたのだろう。その直後に感覚を失い、僕は眠りについた
コメント
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梅好き様の書く呻き声好きかも((((