バレバレ

黄赤（微桃青） 通報×

静かな沈黙が流れる

目の前には足を組んで笑っているが 目はいつもより何倍も怖い俺の彼氏

そして向かい側に座り、 下を向いている俺

やってしまった、

この2時間前

黄くんは1週間の出張だった

黄くんのいない1週間の生活

彼は独占欲が強く 俺が他人と交流しているのを酷く嫌がる

なので、監視されていることがなくなり 正直1週間居ないのは嬉しい

でも約束は破らないように気をつける

他の男の家に泊まらない

2人っきりで他の男と遊びに行かない

2人っきりで他の男と飲みに行かない

通話は5分だけ

10分以上の接触禁止

それが約束の内容だ

他にもあったような気がするけど

ありすぎて忘れてしまった

まぁ、要は黄くん以外の人と 話さなければいいだけ

いつの間にか寝てしまったらしい

時間を確認しようとスマホを開くと 1件のメッセージが来ていた

黄くんかな、なんて思いながら アプリを開くと

まさかの俺の友達からだった

あっちから連絡だなんて珍しい

2人っきりが駄目なわけで もう1人いればいいと思っている桃くん

約束の内容は彼も知っているらしくて

こうやって気使ってくれる

2人は付き合っているらしい

俺も黄くんとは仲良いけど

2人の仲が良いとはなんだか違く見える

てかそもそも2人で買い物とか あんまりしたことないかも

俺が外に出ることすら嫌がるから

一緒にいるのに俺のこともちゃんと 気使ってくれる

黄くんなんか喋っただけで怒るのに

2人が羨ましい、

買い出しを終えて桃青の家に着き ソファに座っているとポケットの中が 振動する

見てみれば案の定黄くん

出るか迷っていると青ちゃんにスマホを取られ、遠くに置かれる

そして代わりにお酒を手に持たされた

ぴんぽーん

さっき青が置いたままにしていたの すっかり忘れていた

ごめん、赤

どんなに言葉を並べても勝てない

突然目の前が明るくなった

さっきまで回らなかった頭が 一気に目覚める

息が詰まる

言葉を失う

目の前には俺と青ちゃんを 見下ろしている黄くんがいた

狭いクローゼットにいるため 俺と青ちゃんは密着し、 なんなら抱き合っている

離れないとっ、そう思うよりも先に 黄くんに引き剥がされる

怖い、全身が震えて声が出ない

青ちゃんも黄くんが放つオーラに 圧倒され、恐怖のあまり泣いている

ﾎｳｿｳﾁｭｳﾆｽｲﾏｾﾝ