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深夜3時。

LINEで「来て」と送られた時間。

こんな時間に呼ぶ理由は、ひとつ。

       

wki

mtk

月明かりすら照らさない暗闇で、名前を呼ぶ。

返ってきたのは、“無”だった。

 

見つけて欲しいけど、遠慮する。

見つかりたくないけど、アピールする。

そんな矛盾も不安な夜を過ごすために、欠かせない。

mtkにとっては生きるために必要なもの。

俺には想像できないぐらい、色々なことを考えてる。

だから、望んでない考えに呑まれそうになる。

その時に手を差し伸ばした先が、俺だった。

   

…助けないと。

mtkがいつも居る部屋のドアを開けた。

       

ガチャ

静かにドアが開く。

wkiだ。

こんな時間でも来てくれた。

wki

mtk

声が近くに聞こえる。

ゆっくりと声の方に顔を向ける。

mtk

…ごめっ、なさいっ……

mtk

夜中っ…にっ呼びだ、して…

泣くな。

泣いたら、ますます困らせるだけ。

早く泣き止め、と願いながら涙を拭う。

乱暴に動かしてた腕は、 wkiのゴツゴツとした手で止められた。

wki

目、痛めちゃうよ。

mtk

………うん、

wki

……

wki

一緒に、寝ようか。

手を広げてこちらへ来るように誘われる。

素直にwkiの腕の中に入る。

     

とくっ、とくっ

wkiの心音が聞こえる。

wki

朝まで、ずっといるからね。

wki

おやすみ。

wkiの体温

匂い

心音

背中をさする、手の感覚

彼の全てが、安心する材料になってる。

幸せだなぁ。

うとうとしてる頭で考えられたのは、それだけだった。

     

太陽で照らされた空が、朝を告げた。

体を起こす。

寝る前の虚しさは何処かにいった。

それはきっと、隣で添い寝してくれたwkiのおかげだよね、

ありがと、wki。

頭を撫でる。

撫でるとシャンプーの優しい香りがしてくる。

丁寧にケアしてるなぁ

どんな事でも手を抜かない。

mtk

wkiは努力家、だね

       

wki

…それは、mtkもだよ。

wki

一生懸命、頑張ってるじゃん。

wki

しかも、俺より凄いことを多く。

こっちを見ながら、声を掛けられる。

       

呼んだら来てくれる所。

素直に褒めてくれる所。

何も追求しないで、そばに居てくれる所。

そういう所が___

     

好き、なの。

       

wki

今、辛い?

mtk

…ううん、辛くない

mtk

wkiが、居てくれたから。

微笑むwki。

普段はカッコ良くて、笑うと可愛くなる。

好き、が溢れる。

wki

良かった

wki

じゃ、帰るね。

家から出る時にも微笑んで、手を振ってくる。

小さく手を振り返すと、ドアが閉まった。

wkiが居なくなった家は、少し寂しい。

だけどこれ以上、求めちゃいけないよね。

wkiは___

       

ryokの彼氏、だから。

彼らは、暗闇の中で──

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