翠
やっぱり図書室は寝床に最適
るぅと
用途が違いますね
莉犬
ずっと寝てたねぇ
ころん
さすがに僕もびっくりした〜
莉犬
昼に寝たら夜に寝れなくな…ッ
翠
莉犬?
莉犬
ッ、ゴホッ
翠
莉犬!(吐血した!?)
るぅと
看護師さん呼んできます!
翠
ころん、体横に向かせるよ
ころん
う、うん!
翠
(今はさとちゃん達会議だ…どうする?)
翠
(というかなんで吐血した?動きすぎ?)
翠
(莉犬は確か臓器の働きが弱くて…)
翠
…もしかして
翠
莉犬ごめんちょっと触るよ
ころん
えっ、ちょ翠!?
翠
(ここら辺…)
莉犬
ヴゥッ…
翠
胃がん…
ころん
(調べ方が原始的方法すぎない!?)
るぅと
ここです!
翠
(良かった。看護師来た)
さとみ
失礼します
翠
さとちゃん、会議は?終わったの?
さとみ
いや、抜けてきた。それよりもだ
さとみ
さっき、CTを撮った。結果、お前の言う通り胃がんだったってよ
翠
やっぱり…
翠
すぐに摘出しないと、莉犬の体だと転移しちゃう
さとみ
だな。すぐに手術する
翠
執刀医は?
さとみ
俺とななもり、それから
るぅと
まさか、ジェル先生を!?
さとみ
あぁ
るぅと
なんでですか?いや、いいんですけど…よりによって
翠
そうだね。知り合いともなると緊張してミスはでる
るぅと
じゃあ…
翠
でも、さとちゃんは本来脳中心の外科医
翠
なーくんだって腹部癌中心じゃない
ころん
そうなの!?
さとみ
まぁ、腹部の癌も摘出できるけどな
ころん
(見栄はってる…)
ななもり
専門以外はね…
翠
ま、そういうことでジェルくんを出すんでしょ?
さとみ
あぁ。上手くいくかは分からねぇけどな
翠
上手くいかなくても、さとちゃんがいるなら安心でしょ
さとみ
ちょ、翠からの期待は…荷が重い
翠
えっ''
るぅと
でも、もし本人が拒んだらどうするんですか?
さとみ
拒まねぇだろ。アイツはいつでも努力してる
さとみ
もう1回、メスを握れるようにってな
翠
ま、酔わせて言質を取るっていうのもあり
ころん
それはさすがに…
翠
どんな方法でも、ジェルくんは執刀医に入れた方がいい
さとみ
わかってるっての
翠
今日言うの?
さとみ
あぁ。早くしねぇと…手遅れだ
ななもり
行こう。そろそろ変化が出てくる頃だ
さとみ
だな。じゃ
翠
…あの二人ちゃんとやれるかなぁ
ころん
ジェル先生は、いつも苦しい記憶を抱えながら仕事してたの…?
翠
そうだね
ころん
つらかった、よね
翠
そうだね
ころん
今回のことで救われるといいね
翠
……そうだね
翠
(一応見に行こうかな。ジェルくんが心配だ)
翠
(いや、大人の会話だし…やめとくか)
夜12時半
さとみ
だから、ジェルにも執刀医として出て欲しい
じぇる
…嫌や
さとみ
なんでだよ、お前の腕ならもう
じぇる
ブランクは治ってるって?
じぇる
そんな大層なもんやったら俺も苦労しとらんやろなぁ
ななもり
ジェルくん、本当はブランク直したいんじゃないの?
ななもり
そのために練習だってしてるじゃん
じぇる
しとるよ?けどれそれは偽モンや
じぇる
実物でやったらどうなるか俺にもわからへん
じぇる
もし、同じミスをしたら…
さとみ
俺がカバーする
じぇる
そんな迷惑かけられへん
じぇる
だったらさとみとななもりだけでオペした方が確実や
さとみ
それはそうかもしれねぇな
さとみ
けど、昼にアイツらに話した
じぇる
アイツらって…翠たちか?
ななもり
うん
ななもり
目を覚ました莉犬くんにもね
じぇる
なっ…!
さとみ
アイツら、ジェルのこと信用してる。莉犬もだ
じぇる
…
さとみ
お前ならできる。院長にも認められたから今もここにいる!
さとみ
自己肯定上げろ!お前は出来るやつなんだよ!
じぇる
ムリや…!俺には、到底できるとは思えへん!
ななもり
(こんなに抗うジェルくんは初めて見た)
ななもり
(それぐらい、莉犬くんの事を失いたくないし、自分に自信がないのか)
じぇる
医者にもう一度はない。ミスも許されへん
じぇる
確実を狙いにいかなあんの知っとるやろ!
さとみ
ッ…それは
ななもり
じゃ、コレ見てもそう言える?
じぇる
は…?
ななもり
翠が撮ってくれた。拒んだ時はこれ見せてって
じぇる
…
翠
んん?これ始まってる?
莉犬
始まってるよ…!
翠
おぉ!えっと〜見てる?ジェルくん
翠
まだ拒んでるんだ?そんなにオペが怖いの〜?
莉犬
ジェル先生!俺、ジェル先生の事信じてるから!
莉犬
それに、ミスしても翠が助けてくれるって
翠
それ俺から言おうとしてたのに…!
莉犬
あっ、ごめん!
翠
もう〜
翠
ま、莉犬が今言ったように
翠
ジェルくんが100%ミスしないなんて思ってない
翠
むしろ100%ミスすると思ってる
翠
さとちゃん達がミスをカバー出来るのも50%だと思ってる
翠
だから、そうなった時は僕がカバーしてあげる
翠
僕なら100%カバーできるからね
莉犬
おぉ〜自信家〜
翠
てことで、莉犬の体で好き勝手やってね〜
翠
俺がカバーできるから
翠
じゃ!
じぇる
(止まった…)
じぇる
(ん?続いとる)
翠
って、今のは建前な
じぇる
ん?
ななもり
見てて
翠
ミスしたら膝カックンな
翠
あとは『俺』が背負ってやる
翠
死んだ時は死んだ時だ
翠
その時はジェルの腹にメスを入れる
翠
拒否権はない。返事ははいだけだ
翠
じゃっ!そゆことで〜バイ!
さとみ
え、あいつなんなの…!?怖っ!
ななもり
あれ翠のガチギレかもね笑
じぇる
ミスったら切腹か〜
ななもり
まぁ、翠の冗談だろうけど
さとみ
顔がマジモンだった…
じぇる
…ミスって翠が来てくれるなら安心やな
さとみ
あれ?俺は?