我々の心の中の悪魔には、 「仕方がない」という名が ついている。
––– ジョルジュ・ベルナノス
動き出した焼けるような 熱さの中、あっしと圭は 出口を目指した。
天望
クソ...ッ‼︎
圭
天望‼︎こっち‼︎
圭に手を引かれ フラフラになりながらも あっしは出口に誘われた。
研究所 廊下
出口で待ち構えていたのは 案の定、警備隊...
天望
なっ...
圭
これは...どういうことかな?
ではなく、そこにいたのは...
ニーナ
あー‼︎ここにいたんだー‼︎
天望
ニーナ...お前、どうしてここに...
ニーナ
んー?どうしても何も人間全員ぶっ殺してる最中なんだけどー?
ニーナ
偶然、この火災部屋の前に武装した人達がいたから、こんがり焼いてあげただけー‼︎
陽気に話す彼女の周囲には 焦げた遺体が散らばっていた。
圭
うわっ、エグ...
このニーナという女は 抗体人間の一人で 副作用で目と口から光線を 放つことができ、加えて 核を破壊されない限り 不死身なのだ。
ニーナ
で、ラッキーなことに2人に出会えたから一思いに殺してあげるねー?
天望
いや、ちょ、ちょっと待て‼︎
ニーナ
ん?どうしたのー?
天望
お前が研究者に恨みを持っているのは大いに分かる
天望
だが、今殺すのは待ってほしい
ニーナ
何それー?命乞いならもっとマシなやつ考えといてくれないと、面白くないんだけどー?
天望
クッ...‼︎
圭
あ、はいはーい‼︎ちょっといいかな?
天望
け、圭‼︎お前...
圭
任せてよ、天望
ウインクをしながら 彼女はあっしの前に立ち ニーナの説得を
ヒョイッ
天望
ゑ?
圭
おっと、足が滑ったー
と、言いながら彼女は あっしを脇に抱えると クルッと後方へ全力疾走した。
天望
なっ⁉︎説得するんじゃ
圭
そんな無駄なことしてる時間ある?研究者は一分一秒でも無駄にできないんだよ?
天望
...てか、あの炎の中にいたのにもう動けるのか
圭
体力オバケって昔から言われてたからね
ニーナ
逃がさないよー...
天望
っ⁉︎屈め、圭‼︎
圭
直線コースは無理‼︎
あっしは後方から殺気を感じ 圭に伝えた。が...
カッ‼︎というライトを照らすような 擬音と共にニーナの光線が 後方から照射された。
その瞬間だった。
圭
あ...やば...
突如、圭が床に倒れ込んだのだ。
天望
圭ッ‼︎
圭
あー...ごめん、肩やられた...
彼女の左肩を見ると 穴が開いており 肉が爛れ、吐き気を催すような 臭いがした。
圭
行って...
天望
何言っt
圭
行けッ‼︎走れ天望ッ‼︎
天望
っ‼︎
天望
...すまん
あっしは走った。
走るしかなかった。
今はニーナから逃げるために。 とっくに枯れた体力を 絞り出すかのように ただただ走った。
そうするしか... なかったんだ...。






