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次の日の昼休み。
私は窓際の席でノートを開いていた。
書いているのは小説。
…と言っても、まだ文章はほとんど進んでない。
ページの上にあるのは、いくつかの単語だけ。
雨季
そして
雨季
ペンをくるくる回しながら、私は小さく息を吐いた。
雨季
何度も聞いた。
でもあの子は、毎回ヒントだけ残して笑っていた。
雨季
そう思うのに。
気づけば頭の中に浮かんでいる。
奏
声がした。
私は顔を上げる。
そこに立っていたのは、昨日話しかけてきた男子だった。
茶色の髪。
少しだけ癖のある髪型。
背は私より少し高いくらい。
明るい顔。
雨季
奏
机を覗き込んでくる。
私はノートをすっと閉じた。
雨季
奏
男子は笑った。
奏
雨季
奏
全然凄いと思ってそうな顔じゃない。
ただ面白そうにしてるだけ。
奏
胸を指さす。
奏
私は少しだけ頷いた。
雨季
奏
雨季
奏
岩倉は笑った。
いかにも陽キャ、という感じの笑い方。
でも、不思議と嫌な感じはしない。
彼は隣の机に腰をかけた。
奏
雨季
奏
雨季
答えは簡単だ。
雨季
奏
岩倉は笑った。
奏
雨季
奏
奏
雨季
奏
大袈裟に肩をすくめる。
それから彼はふとノートを見た。
奏
雨季
奏
雨季
私は少し迷った。
でも
雨季
そう言った。
岩倉は一瞬だけ「へえ」と言った。
それから少し考える顔をした。
奏
雨季
奏
雨季
その言葉に、私は眉をひそめる。
雨季
奏
雨季
岩倉は少しだけ笑った。
奏
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
私は思わず少し笑った。
それを見て、岩倉が言った。
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
私は視線を窓の外に逃がした。
グラウンドからは、ボールを蹴る音が聞こえる。
遠くから聞こえる声。
奏
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
私は彼をじっと見た。
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
手を合わせる。
私は少し考えた。
雨季
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
岩倉は笑った。
放課後。
教室に残って、私は岩倉のノートを見ていた。
雨季
奏
雨季
奏
雨季
奏
雨季
赤ペンで丸をつける。
雨季
奏
雨季
岩倉は頭を抱えた。
奏
雨季
奏
私は、少しだけ笑った。
やがて、30分が過ぎた。
私は時計を見た。
雨季
奏
雨季
奏
雨季
私は鞄を持った。
岩倉が言う。
奏
雨季
少しだけ迷った。
でも
雨季
奏
雨季
奏
奏
雨季
奏
窓の外を見る。
奏
奏
私は少しだけ頷いた。
確かにそうかもしれない。
奏
奏
雨季
奏
雨季
私は教室を出た。
門を抜け、坂を下る。
潮の匂い。
風。
そして
海。
砂浜に出ると、やっぱりいた。
海の前で歌っている。
歌が終わる。
彼女が振り向く。
雨季
私は砂浜に立った。
雨季
雨季
雨季
雨季
黒髪が揺れる。
私は海を見た。
波は静かに揺れている。
学校には、岩倉奏がいる。
海には、名前の知らないあの子がいる。
この町に来た時、私は思っていた。
雨季
雨季
雨季
雨季
彼女の黒い瞳が私を写す。
私はため息をついた。
でも
雨季
そう言った。
波の音が続く、夕焼けの海の前で。
私は初めて、自分の物語を誰かに話し始めた。