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桜笑
…さいっあくだ
翌日
あたしは見事に寝坊した
桜笑
7時…間に合わない？
桜笑
いやっ、今ならまだ間に合う───
桜笑
（あぶなー…ギリギリ間に合った）
桜笑
あっ、莉乃に六花───
莉乃
てかさー、昨日の桜笑いい子ぶってたくね？
六花
あー…ていうより過去的なことじゃない？
莉乃
そういえばそうだったね笑
莉乃
あれなんだったん？
六花
だねー
六花
いつもの気分屋じゃないの？
莉乃
だよね！笑
莉乃
てか今日桜笑待ってたら時間もギリギリだったんじゃね？
莉乃
元々約束してなくてよかったー笑
六花
ああ、いつもホーム出る時間同じだから会うよね
六花
そういえば別に約束はしてなかったっけ
莉乃
うんうん笑
莉乃
今日もこのまま休んだりすんのかな〜笑
桜笑
（…）
桜笑
（分かってた…そういう子たちだって）
桜笑
（何度も見てきた）
桜笑
（2人だってお互いの悪口言ってて、でも仲良くしてて…）
桜笑
（…そう…知ってた…のに…っ！！）
逃げた
あたしはまた、そこから逃げた
六花
…今誰かいた？
莉乃
え？いないっしょ
桜笑
…っはっはあ
桜笑
（これじゃ、また、同じだ…）
桜笑
（これじゃ、まだ───）
───おい
桜笑
？
パッと顔をあげる
どこに行く？もうすぐ始業だぞ
桜笑
…だーれ？
…俺を知らないのか！？
チラッと下を見ると青い上履きが目に映る
桜笑
（センパイ…2年生の、色）
桜笑
知らない…ですけど
見上げると先ほどまでスンとしていたセンパイはあたふたとしている
ゴ…ゴホンッ、俺は2年の…好実白也だ
桜笑
…んー？
桜笑
（聞いたこと…ある気が…）
桜笑
（それに）
咳払いをしてまた姿勢をただした、凛としたその表情は────
桜笑
（見たこと…あるような）
桜笑
そーなんですね
白也
そーなんですね！？
白也
…ホントに分からないのか？
桜笑
はい？
白也
その…っ〜〜
白也
やっぱなんもねぇよ！！
桜笑
（なんだあの人）
タッと去っていくセンパイをぼうっと見つめ、立ちつくす
桜笑
桜笑
（…ここにいたって人は来るよね）
桜笑
（どう、しようか）
結局1時限目が始まってもあたしは教室に行けなくて
とにかく、1人で…いたくて
ゆったりと、人のいない立ち入り禁止の屋上に向かった
桜笑
（どーしよ…サボっちゃったなー）
昔から、期待なんてしていないつもりだった
だけどいっつも、裏切られて傷つく
白花学園というこのエスカレーター式の場所にいる限り
未来はここにあるし、壊れたら…おしまいなんだ
だから終わっちゃわないようにいつだって笑ってきた
もうムリだって思っても、どうしても諦められなかったから
桜笑
（昔だって───）
───ったく、ほんとだりぃな
桜笑
何で次から次に人が来るの！
…きみ、どうかした？
つい、謎の叫びを上げてしまったあたしは
気を取り直してその人物を見る
桜笑
桜笑
…なんでもないよ♪
桜笑
ねえ、授業って終わったの？
1限目ならもうすぐ終わるよ
桜笑
…まだ、終わんないんだ
桜笑
（…それにしても）
桜笑
（この人…さっき）
───ったく、ほんとだりぃな
桜笑
（…）
きみは…こんなところで何を？
ここは立ち入り禁止だよ
桜笑
…それを言うならきみもだよね〜
桜笑
それに授業中って遅刻…サボり？
桜笑
桜笑
…そうだ、宮代くん
！
お前、俺のこと知って───
桜笑
ん？前にそう呼ばれてるのを見た気がしたんだ、きみ友達多かったよね？
桜笑
それで確か、3組の宮代京介くん…で合ってるよね？
京介
そうだけど…
桜笑
ね、きみ猫被ってるよね〜
京介
っ！
ニコッと笑ってあたしは宮代くんを見上げた
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