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雨雪を翔ける二つの剣は。

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雨雪を翔ける二つの剣は。

7 - 第五話 暗転

♥

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2023年08月21日

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彼方視点

俺は単独の仕事を終えて、刀をしまった

その時に、同じ組織にいる人が俺のところへ来た

俺たちの存在が知られないように、こうやって仕事をした痕跡を消してくれる人が来るんだ

   

そういえば、西の街であった家族がみんな殺された事件、一ノ瀬知ってるか?

彼方

え?まあ、少しは…

   

その事件、俺らの組織で犯人を斬ったって情報が入ったよ、ついさっき

彼方

へぇ……

彼方

…その、犯人を斬った人って?

   

あぁ、確か……

   

"相川"だったかな

彼方

え…?

その名前を聞いたとき、俺はなぜその事件で真冬の名前が出てくるのかに驚いた

彼方

そこ、どのあたりですか?

   

え?確か少し街の方に出ればすぐだった気がするけど…

   

って、一ノ瀬!?

その言葉を聞いて、俺はすぐに走った

彼方

(なんで…)

彼方

(なんで"斬る"仕事で真冬が…?)

彼方

っ、真冬…

家の中に入ると、そこには真冬が立っていた

背を向けていたから表情は分からないけど、持っていた刀には血がついていて

そこら中、鉄の匂いが立ち込めていた

彼方

真冬……?

真冬

あぁ、彼方さん…?

そういって振り向いた真冬の顔を見て、俺は少し後ずさってしまった

真冬の瞳には光が灯っておらず、頬にべっとりと犯人の返り血がついていた

真冬

どうしたんですか、そんなに驚いて…

彼方

え、えっと……

真冬

あぁ、僕なら無傷なので大丈夫ですよ

真冬は無理に笑顔をつくっていた

彼方

っ……真冬

真冬

はい?

俺は無言で、真冬を抱きしめた

真冬

っ…!

真冬

どうしたんですか?今日、いつにもまして正直じゃないですか…

彼方

…辛かっただろ

真冬

彼方

強がらないでいいから、嫌だったでしょ

真冬

っ……彼方、さん…

真冬

どうしよう…僕、僕…っ!!

彼方

…………

真冬

殺してくれって、言われて…躊躇っちゃって…

彼方

うん

真冬

でも、仕事だからそうしないといけなくて…

彼方

…うん

真冬

でも…、そんなふうに言ってて、どうしたらいいか分からなくてっ…!!

真冬

ねぇ、僕どうしよう…

真冬

人を、自分で自分のやったことを後悔してる人を…僕……っ

そう言って、どんどん涙が溢れてくる真冬

カランと音を立てて、真冬の手から刀が落ちた

俺の服にも、真冬についた返り血がじんわりと滲んでくる

そして真冬は、俺に全身を預けてきた

彼方

…真冬?

真冬

…………

彼方

真冬、真冬…?

少し揺すっても、真冬は一言も発さないまま

どうやら、気を失ってしまったみたいだ

彼方

っ……ごめん

   

一ノ瀬!相川!

   

よし、とりあえずこいつの遺体を運ぼう

   

痛めないようにして……

真冬が仕事を終えたからか、たくさん組織の人が入ってくる

真冬の手から落ちた刀を回収しようとして、俺は手が立ち止まった

そしてそのまま何もせずに、俺と真冬はその場を離れた

彼方

(どうして、真冬にこんな任務が…?)

彼方

(とにかく帰って、真冬の手当てをしないと…)

雨雪を翔ける二つの剣は。

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コメント

2

ユーザー

まふくんは斬る決断をしたんだ… けど、何で斬る任務が来ないまふくんにこの任務が回ってきたんだ…? そらるさんがすぐ気づいて来てくれて良かったけど… 刀を拾わなかったのは…何か理由があったのかな…? まふくん、気持ちが落ち着くまでゆっくり休んで…! 続き楽しみにしてます!!

ユーザー

まふくん…やっぱり斬りたくなかったんだね… でも任務は任務……やらなきゃ行けない…… 今までまふくんに人を斬る任務は来なかった のにどうして……???引っかかるような… そらるさんが駆けつけてきてくれて良かった… あのままだったらまふくん…どうなって……っ 続き楽しみにしています!

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