日向
ホテル、取るの大変だったね。
黒尾
まぁ、弾丸旅行なんてそんな物でしょ?
日向
まぁ………そうなのかな?
黒尾
そうだって。
黒尾
それよりも…面倒臭い事になったな。
日向
____うん。
11年前から行方不明になっている 「日向翔陽くん」 が宮城県にて目撃されました。
黒尾
俺、ニュースの続き見たくないから要約できる?
日向
えっと………
日向
ホテルの係員が不審に思い通報。
影山って人も通報してる。
いまこのホテルに警察がいる。
影山って人も通報してる。
いまこのホテルに警察がいる。
黒尾
どーすっかな……
日向
どうする?
黒尾
どうする事も出来ない。
日向
それって………?
黒尾
「詰み」かな?
黒尾
これが最後だろうし、振り返ってみるか
黒尾
まず、居てくれてありがとう。
黒尾
俺の色褪せた世界に色を付けたのは翔陽だけ。
黒尾
感謝してる。ありがとう
日向
いや、感謝してるのは俺。
日向
見ず知らずの俺を拾ってくれてありがとう。
黒尾
んじゃ、お別れだね。
日向
そう…………だね。
黒尾
じゃ、行ってくるよ。
日向
さようなら、ありがとう。
(これで、終わりなんだ?)
(これで、終わりなんだ?)
日向
(それからの日々は飽き飽きしていた。)
日向
(黒尾くんが言っていた色褪せた世界)
看護士
それじゃあ今日も始めていくね?
日向
(毎日、警察と看護士と記者が来る、その繰り返し)
日向
(俺は無言を貫いた。)
日向
(黒尾くんが悪者にならない為に、)
看護士
まず、何があったの?
日向
_______
看護士
…じゃあ男の人に触られた?
日向
ない。 それは本当に!!
(俺は思わず声が出た、信じられないくらいの大きさで。)
(俺は思わず声が出た、信じられないくらいの大きさで。)
日向
黒尾くんは本当に優しかった!!
(それから、声は留まることを知らなかった。)
(それから、声は留まることを知らなかった。)
看護士
うんうん、そっか。
看護士
わかったよ、ありがとう。
日向
違う、解ってない!
日向
本当に優しかった、優しかったの!!
看護士
いやいや、わかってるよ。辛かったよね…
日向
わかってる、辛い? そんな訳ない!
日向
楽しかった。本当に楽しかったの!!
看護士
そうかそうか、ありがとね。
日向
(あぁ、ダメなんだ。)
日向
(もう、黒尾くんの元には戻れないんだ)
看護士
これから、親御さんが来てくれるからね。
日向
(あぁ、帰るんだ)
日向
(帰らなきゃなんだ。)
日向
(思い出した。思い出したくなかった記憶)
日向
(その記憶が集まる場所に)
日向
(どうする事も出来ない。絶望に)






