1. 狂気を運ぶ配達人第1話 | 全5話 (作者:ゲスト)の連載小説 | テラーノベル

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狂気を運ぶ配達人

狂気を運ぶ配達人

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第1話

狂気を運ぶ配達人第1話

200

2021年07月02日

#ミステリー

#サスペンス

#裏切り

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翔太

はぁー…

賢介

どうしたんだよ？

賢介

ため息なんかついて

翔太

…今月金欠なんだよ

翔太

だから割のいいバイト探しているんだけど

翔太

やっぱ高校生だと時給低いんだよなぁ

賢介

それならいい仕事があるぜ？

翔太

えっ？まじで？

賢介

なんと時給5000円！

賢介

仕事は荷物の配達をするだけ！

翔太

それほんとかよ！？

賢介

いい条件だろ？

翔太

…でも、配達ってことは

翔太

なんか危ないもの運ばされるんじゃ…

翔太

ほら、テレビでよく見る運び屋的な…

賢介

ははっ！んなわけないだろ

賢介

俺の知ってる先輩がやっているんだけど

賢介

今の時期、人手が足らないらしくて

賢介

困ってるんだって

賢介

だから短期で高時給なんだ

翔太

そう…なのか

賢介

どう？やってみるか？

翔太

（…金がないのは事実だし）

翔太

（賢介の紹介なら間違いないか）

翔太

わかった。やってみるよ

賢介

よし、じゃあ早速事務所に行ってみるか

賢介

俺も一緒について行ってやるから

翔太

ああ。頼んだよ

賢介

あっ、先輩！

賢介

お疲れっす

オーナー

お疲れ様です

賢介

翔太、この人が朝話した先輩

賢介

ちなみに、ここのオーナーさんだよ

翔太

あ、よろしくお願いします

オーナー

こちらこそ、助かります

翔太

…なあ、賢介

賢介

ん？何？

翔太

あの人、お前の先輩なんだろ？

翔太

なんで頭下げるんだよ

賢介

ああ、昔俺もここで働いてて

賢介

先輩は俺より後に入ってきたからだと思う

賢介

歳は先輩の方が上なんだから

賢介

気使わなくていいんだけどな

翔太

へぇ…お前も昔、ここで働いてたのか

賢介

うん。先輩がここを引き取る前だから

賢介

ひとつ前のオーナーの時かな

翔太

なるほどな

翔太

（賢介もやってたなら）

翔太

（危ない仕事じゃなさそうだ）

翔太

…それにしても

翔太

すごいダンボールの数だな

賢介

人手が足りてないって言っただろ？

賢介

ねっ、先輩

オーナー

ええ、お恥ずかしながら…

オーナー

猫の手も借りたいくらいでね

オーナー

なので本当に助かるよ

翔太

い、いえ…そんな大したことは

翔太

俺は手っ取り早く金が稼ぎたいだけなので

オーナー

それでも、働いてくれるんだから

オーナー

助かるよ

翔太

（時給高いし怪しいと思ってたけど）

翔太

（オーナーもいい人そうだし）

翔太

（何とかなりそうでよかった）

オーナー

…よし、では仕事の説明を始めるね

オーナー

翔太君にやってもらうのは配達です

オーナー

3時間ほどで運ぶ量は3～4件ほどだから

オーナー

そんなに難しくはないよ

オーナー

配達先はスマホのアプリで見れるから

オーナー

そこに届けるだけ

翔太

なるほど…

オーナー

原付の免許は持ってる？

翔太

あ、はい

オーナー

じゃあ、事務所の前に置いてある

オーナー

原付を使ってくれていいからね

オーナー

荷物は大きくないし

オーナー

荷台に乗ると思うから

翔太

…わかりました

オーナー

…何か分からないとことかあった？

翔太

いや…

翔太

本当にこれだけで時給5000円も…？

賢介

まだ疑ってんのかよ

翔太

そういう訳じゃないけど

翔太

いいのかなって…

オーナー

はは、それだけ人が足りないんだよ

オーナー

翔太君は働けるだけ働いてくれたら

オーナー

その分はきちんと支払うから安心してね

翔太

わかりました。ありがとうございます

翔太

ところで、この荷物の中身って…？

翔太

やたら小さいダンボールばかりですけど

賢介

勝手に開けたらダメだぞ？

翔太

あっ、当たり前だろ！？

翔太

人の物を勝手に開けるかよ！

賢介

はは、ならいいんだけどさ

翔太

（…でもそういわれると）

翔太

（気になるんだよなぁ…）

賢介

気になってんだろ

翔太

…まあ、開けるなって言われたら

翔太

気にはなるだろ

賢介

…ここだけの話

賢介

俺もよく知らねぇんだけどさ

賢介

開けるととんでもないことになるらしいぜ

翔太

とんでもないこと…？

翔太

こっぴどく叱られるとか？

賢介

俺も詳しくは知らないんだけどさ

賢介

まあ、開けない方が懸命ってこと

翔太

だから開けないって

賢介

ならいいんだけどさ

賢介

おっ、もうこんな時間か

賢介

俺は用があるからもう行くよ

賢介

バイト、頑張れよ

翔太

ああ、ありがとな。賢介

賢介

いいってことよ

賢介

じゃあ、また学校でな

オーナー

翔太君

翔太

あ、はい

オーナー

さっそくだけど

オーナー

この荷物を配達してくれないかな

オーナー

今日はこの荷物だけ運んでくれたら

オーナー

1時間分払うからさ

翔太

わかりました

オーナー

マップはスマホに送っといたし

オーナー

終わったらそのまま帰ってくれていいから

翔太

わかりました。いってきます

翔太

（えっと…配達先は）

翔太

お、うちの近くじゃん

翔太

ラッキー

翔太

…にしても小さくて軽いダンボールだな

翔太

何が入ってるんだろ…

翔太

（…誰も見てないし）

翔太

（ちょっと中身覗くくらい…）

翔太

…いや、ダメだ

翔太

ここでバイトをクビになっても困るし

翔太

さっさと届けて帰るか

翔太はのんきなことを考えながら荷物を届けるのだった

これが悲劇の始まりだとは知らずに…