夕暮れに染まった教室で、彼女は佇んでいた。
涼雅ーリョウガー
……小景さん?
小景ーコカゲー
涼雅くん……!?
彼女は少し驚いたような表情をしたあと、いつものように優しく微笑んだ。
小景ーコカゲー
部活終わり?
涼雅ーリョウガー
うん。
涼雅ーリョウガー
小景さんは?
小景ーコカゲー
私ももう帰るよ。
涼雅ーリョウガー
そうなんだ。
小景ーコカゲー
……。
小景ーコカゲー
もうすぐ文化祭だね。
涼雅ーリョウガー
たしかに、もうそんな時期か。
小景ーコカゲー
涼雅くんは文化祭とか好き?
涼雅ーリョウガー
う〜ん……。
涼雅ーリョウガー
普通、かな。
涼雅ーリョウガー
準備とか大変だし。
小景ーコカゲー
そっか。
涼雅ーリョウガー
小景さんは行事好きそうだよね。
小景ーコカゲー
うん、大好き。
小景ーコカゲー
皆の楽しそうな顔を見れるのが嬉しいんだ。
そう言いながら小景さんはニッコリと笑う。
涼雅ーリョウガー
そっか。
彼女はあまりにも眩しすぎる。
純粋な気持ちで人のことを思える、本当の“いい子”。
俺が持っていないものを彼女は全て持っていた。
涼雅ーリョウガー
……小景さんって、すごいよね。
小景ーコカゲー
え?
涼雅ーリョウガー
だってさ、いつも明るくて誰にでも優しくて、皆に好かれる存在じゃん。
涼雅ーリョウガー
そんな人なかなかいないよ。
小景ーコカゲー
……そうかな……。
涼雅ーリョウガー
うん、俺はそう思う。
小景ーコカゲー
……ありがと!
彼女は少し照れくさそうに笑った。







