数日後の放課後
私は珍しく居残りで自習をしていた
珠樹
(うっわぁぁあ…わっからへん…)
先生
なんや珍しい事もあるなぁ
珠樹
今ならまだ間に合うー言うたの先生やないすか
先生
まぁな…
先生
でもまぁ高校2年生のイベント事は楽しむのも大事やからね
先生
まだアレやし体育祭とか文化祭とか…
先生
なんなら今度球技大会あるやろ?
珠樹
あーなんかそんなのもあったなぁ
先生
期待してるで
珠樹
あー……その日休むのは…
先生
ん?
珠樹
あ、なんでもないっす
先生
はははっ
先生
じゃ、頑張れよ
珠樹
はーいあざす
珠樹
……んー…
佳奈
どこが分からんの?
珠樹
……
珠樹
彼氏はどーしたん
ぶっきらぼうに顔も見ずに言うと佳奈は目の前の席に座った
佳奈
ずっと居るわけやないよ
珠樹
ふーん…
佳奈
……なぁ、なんか変だよ?
珠樹
…何が?
佳奈
最近前よりも全然話してくれんくなったやん
珠樹
……
珠樹
気の所為やろ
佳奈
んなわけない!
佳奈
何年一緒におると思っとるん?
珠樹
……はぁ…
珠樹
(正直…アンタとおるとしんどいんよ…)
佳奈
あ、ため息ついた
佳奈
もー…
佳奈
ここ、分かんのやろ?
佳奈
私が教えたるよ
珠樹
別にいいって…
佳奈
ずっと分からんままでええの?
珠樹
う……
珠樹
……分かったよ…
佳奈
んじゃ…まずここはね…
ゆっくりと流れる時間
夕陽に照らされた少し赤みがかった髪の毛と頬
細くて少し私よりも小さい手
耳にスっと入ってくる透き通った綺麗な声
こんなに好きなのに
隣に居るのは私じゃなくて会って数ヶ月の男
珠樹
(あー……はは…)
珠樹
(…死にたくなるなぁ…)
珠樹
(好きにならなきゃ良かった)
佳奈
ほら、こうなるんよ
佳奈
…聞いとる?
珠樹
……うん
珠樹
聞いとるよ
出来るなら君の事
嫌いになれたらいいのに







