大切な存在
翌日からさとみくんは再び意識を失い眠り続けた
花屋のばっちゃん
昨日病室に行ったらガーベラが枯れていたので僕はまた花屋に行った
青
花屋のばっちゃん
代金を払い花を受けとる
花屋のばっちゃん
青
青
無理やり笑顔を作ってそう答えた
花屋のばっちゃん
青
花屋のばっちゃん
花屋のばっちゃん
花屋のばっちゃん
頭を下げて僕は花屋を出た
さとみくんは今日も寝ていた
さとみくんは今も病気と闘ってる。
一日でも1時間でも1分でも1秒でも長く生きるために
今日の闘いに勝っても休む暇もなくまたすぐに闘わなくてはならない
来る日も来る日もさとみくんは死ぬまで闘い続けなきゃいけないり
闘いが終わるのはさとみくんが負けたときだけなのだ
僕は二度と人を好きにならないと思っていた
いや、好きになっては行けないと思ってた
でも僕はさとみくんに恋をした
さとみくんが死ぬまでの期限付きの恋はもうすぐ終わりを迎えるかもしれない
脆い恋なんだ
翌日表紙に行くと容態がまた急変したのかさとみくんの口元には人工呼吸が付けられている
あとたくさんの管も、
僕は絶句し絶望した。
その後も2日間会いに行ったが目を覚ますことはなかった
赤
帰りのバスに乗っていたら突然言われた
青
赤
赤
赤
赤
青
赤
青
憂鬱な気分のままさらに数日がすぎた
僕はさとみくんのLINEを開いた
青
送信ボタンを押した
___さとみくんからの返事はなかづた
それから六日後の朝
さとみくんはこの世を去った
僕の願いは叶わなかった
いつもと変わらない日曜日
僕は午後からお見舞いに行こうと思ってたから起きたのは10時過ぎ
起きて携帯を確認すると6件ぐらいのLINEが来ていた
全部りいぬくんからだった
僕が呑気に寝ている間に嫌な事態が怒ったのだと推測できる。
親指で携帯をタップするだけなのに、躊躇してしまう
僕はまた目の前の現実から逃げていた
メールを開けないまま数分がたった時莉犬くんから着信があった
僕は反射的に通話ボタンを押した
何を言ってんのか全然わかんない、
莉犬くんの泣き声が携帯を通して耳に伝わる
赤
泣きじゃくる莉犬くんの声からそれだけははっきりと伝わった
赤
莉犬くんは僕のことを責める
僕は莉犬くんの声を聞いて泣き崩れた
青
頭を抱えながら何度も叫んだ
まだ僕を責めている莉犬くんの声が聞こえた
僕は放心状態のまま病人へ向かう
莉犬くんに殴られる覚悟はあったけどそんな気力は莉犬くんには残っていなかった
泣き崩れて鼻をすすりながら壁にもたれかかってる
さとみくんのお母さんも目を真っ赤にして泣いていた
さとみくんは優しい表情で横たわっている
ただ眠っているようにしか見えない
すぐにでも目を開けて おはようと優しく微笑んでくれるのではないか、と思った
でも僕が何度も呼びかけてもさとみくんは目を覚まさない
僕は
青
と声をかけ再び涙を流した
さとみくんのお母さんに 最後まで一緒にいてあげて
そう言われ僕と莉犬くんは火葬場二同行した
でも僕はあまりにも辛くてさとみくんが荼毘に付される前にそこから抜け出した
骨になったさとみくんを見たくなかった。
さとみくんは17年間しか生きられなかった
数字は月日だけで見れば長く感じる
けど人の人生と考えたらそれはあまりにも短い
さとみくんは幸せだっただろうか、
17年生きてて幸せだっただろうか、
そう思ってたら電話が来た
赤
青
赤
僕は来た道を戻って莉犬くんと合流して紙を貰った
それは赤、オレンジ、黄色の三本ガーベラの絵が描かれていた。
コメント
1件
え、まってめっちゃ誤字ってるんですけど🙂