テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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第1話 - みんな尖れ

2022年06月20日

#実況者

#裏側

#捏造

クリ猫のシャケ

鬱先生

…よし

鬱先生

やったな、ピー君！

ピー君

ﾋﾟｨ

鬱先生

我ながらよく考えついたわぁw

鬱先生

…ピー君に…

鬱先生

…邪神ツァンカに、人間を丸呑みさせたら、その人がツァンカに完コピされる…

鬱先生

…”いくらでも”

鬱先生

…それで、みんなを永久保存させる…

鬱先生

…俺は、そのために、ツァンカと契約したんや…

ピー君

ﾋﾟｨ…ﾋﾟｨ…

鬱先生

ん、あぁお疲れさん

ピー君

ﾋﾟｨ…ﾋﾟﾋﾟｯ…

鬱先生

…え、撫でて？

鬱先生

ええけど…

ｽｯ

ｶﾞﾌﾞｯ

（ピー君に噛みつかれた）

鬱先生

ｲｯ…

鬱先生

ピ、ピー君…？

ピー君

ｶﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙｩ

ピー君

ｱｸﾞｩ!

ピー君

ｱｸﾞ､ｱｸﾞ､ｱｸﾞ…

鬱先生

ピー君…何その目…

ピー君の目には燃えたぎる炎が秘められていた

そして、全身から溢れ出している殺気

鬱先生

お前…もしかして…

鬱先生

”ゾム”か…？

ゾムピー君

ｸﾞｯ…

ゾムピー君

ﾑｸﾞｩ…

鬱先生

…ﾌﾊｯ

鬱先生

よかった、無事に取り込めたんやなぁ

ゾムピー君

ｸﾞｩ…ｶﾞｩｳ…

ｽｯ

ゾムピー君

ｶﾞｧｯ！

ｻﾞｼｭｯ

（噛みついたまま鬱先生を引っ掻いた）

鬱先生

ッ…

鬱先生

…懐かしいなぁ、この感じ

鬱先生

ゾムの、戦闘狂な感じ

鬱先生

最強のゾム…

鬱先生

…やっぱり、これでよかったんや

ゾムピー君

ﾝﾑ⁈ ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙｩｯ!

鬱先生

…ゾムの尖りを、取り戻せた

ゾムピー君

ｱｩ…

鬱先生

…やっぱり、怒っとるよな

ゾムピー君

ｶﾞｩ⁉︎

ゾムピー君

ｱｩｱｩｶﾞｩｧ!

鬱先生

…でもな、俺はゾムの尖りを守りたかったんや

鬱先生

…お前が一番、尖りを無くしてしまってるんだよ

ゾムピー君

ｶﾞｩ…ｶﾞｩ…

ｽｯ

ゾムピー君

ｶﾞｧｯ!

ｻﾞｼｭｯ

鬱先生

…何度でも、引っ掻いてくれてええで

鬱先生

俺は、ゾムに手を伸ばし続けるから…

ゾムピー君

ｱｩ…ｱｩｱｩ…

ゾムピー君

ｱｲ…ｴﾝｴｲ…

鬱先生

ゾム、大好きだよ

ゾムピー君

ｳ､ｳｩ…

ゾムピー君

ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ゾムピー君

ｳｱｧｧｧｧｯﾝ

鬱先生

ﾌｯ

鬱先生

泣かんといてやぁ

ゾムピー君

ｳ…ｳｩ…

鬱先生

ゾム…？

ｽﾞﾌﾟｯﾄﾞｻｯ

（鬱先生の腕から手を離して崩れ落ちた）

鬱先生

ゾム？！

ピー君…？

ｳ…

鬱先生

どうしたん急に？

ピー君…？

うぅ…

ピー君…？

はっ！

ピー君…？

鬱先生！

鬱先生

え…

ピー君…？

怪我大丈夫ですか？

ピー君…？

ゾムさんはやりすぎなんですよ…

鬱先生

え…あ…

ピー君…？

ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ピー君…？

とりあえず傷口を舐めて…

ピー君…？

…そうだ！

ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙ…

ピー君…？

この絨毯！

ピー君…？

これを、爪で裂いて…

ﾋﾞﾘｯ

ピー君…？

これで、傷口を括って…

ｷﾞｭｯ

鬱先生

あ…

ピー君…？

よし、これで応急処置は終わりです

ピー君…？

ゾムさんが、すいませんでした

鬱先生

まさか…

鬱先生

”エミさん”…？

エーミールピー君

あ、はいそうです！

エーミールピー君

意外と滑らかに話せるんですねぇ…

鬱先生

どうして…俺を治療したん？

エーミールピー君

へ？

エーミールピー君

だめでしたか？

鬱先生

いや、そうちゃうくて…

鬱先生

俺が、エミさんやみんなのこれからを奪ったのに、エミさんは何で俺を助けようとするん？

鬱先生

俺を…恨んでないんか？

エーミールピー君

…恨んでないと言ったら、嘘になります

鬱先生

ならっ…！

エーミールピー君

でも！

エーミールピー君

鬱先生は、大切な仲間なんです

エーミールピー君

見捨てることも、嫌いになることもできませんよ

エーミールピー君

今まで一緒に過ごしてきた日々を、忘れることなんてできませんよ

鬱先生

エミさん…っ！

エーミールピー君

だから…

エーミールピー君

…ｯｸ

鬱先生

エ、エミさん？

エーミールピー君

…そろそろ私も限界みたいです

鬱先生

え…？

エーミールピー君

私たちは、ツァンカの体を借りて鬱先生と話しているだけなんです

エーミールピー君

それには代償がいる…

エーミールピー君

ゾムさんは、力を使い切ったから倒れたんです

鬱先生

じゃ、じゃあ…

エーミールピー君

えぇ

エーミールピー君

私もそろそろいなくなります

鬱先生

そ、そんな…

エーミールピー君

まぁ、声は聞こえているので…

エーミールピー君

また、次の人が来ると思います

鬱先生

次…

エーミールピー君

人が抜けた後は人が入りやすくなるんですよ

エーミールピー君

…それ…では…

エーミールピー君

鬱…先生…

エーミールピー君

さよう…なら…

鬱先生

お、おう！

エーミールピー君

…本当は…っ！

エーミールピー君

私だって…

エーミールピー君

もっと…鬱先生と…

エーミールピー君

ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

エーミールピー君

話したかったのにぃ…

鬱先生

エミさんっ！

ﾌﾗｯﾎﾟｽｯ

（鬱先生にもたれかかる）

鬱先生

…エミさん…

ピー君…？

ｶﾞｧｧｧｯ

鬱先生

あ

ピー君…？

ｳ…うぅ…

ピー君…？

うわぁっ！！！

鬱先生

うるっさ…

ピー君…？

あ、すまん大先生…

鬱先生

別にええよ

「ロボロ。」

ロボロピー君

お、意外とわかるんやなぁ

鬱先生

そらあんだけうるさかったらわかるわ…w

ロボロピー君

すまんなぁw

鬱先生

…なぁロボロ

ロボロピー君

ん？

鬱先生

ピー君の中ってどんな感じなん？

ロボロピー君

そうやなぁ…

ロボロピー君

意外と快適よ

ロボロピー君

闇に一人閉じ込められてる感じ！

鬱先生

そうなん？

ロボロピー君

お腹も空かんし、喉も乾かんし、息苦しくもないし…

ロボロピー君

それに、トンチとかゾムとかシッマとかエミさんとかの声聞こえるからなぁ…

ロボロピー君

ちょっとは寂しいけど退屈ではないかなぁw

鬱先生

…大丈夫やで

ロボロピー君

え？

鬱先生

まだ、いっぱいくるから

ロボロピー君

は？！

ロボロピー君

おまえ…っ！

ロボロピー君

ｳｸﾞｯ

ロボロピー君

そん…な…

鬱先生

そろそろお帰りか

ロボロピー君

…鬱…先生！

ロボロピー君

おまえ、どうして…っ

ﾄﾞｻｯ

（ロボロピー君が崩れ落ちる）

鬱先生

…よかった

鬱先生

これで、もう…

ピー君…？

油断は禁物やで！

ピー君…？

大先生！

鬱先生

おまえは…

鬱先生

シッマか…？

コネシマピー君

おん

コネシマピー君

口調でわかるかぁw

鬱先生

そらなぁ

コネシマピー君

…さて、大先生

鬱先生

ん？

コネシマピー君

逃げ切れるとでも思ってんのか？

鬱先生

な、なんのこと？

コネシマピー君

ゾムは感情を抑えきれなかった

コネシマピー君

エミさんは優しすぎた

コネシマピー君

ロボロには時間が足りなかった

コネシマピー君

…俺はな、みんなみたいに甘くないで

鬱先生

シッマ…

コネシマピー君

だからな、教えてもらう

「なんで俺らを、殺したんや？」

鬱先生

それは…

コネシマピー君

…答えろ

鬱先生

…俺な

鬱先生

みんなのことが好きやったんや

鬱先生

みんなの尖りを、愛していたんだ

コネシマピー君

だったら、なんで…っ！

鬱先生

だからこそ！

鬱先生

俺は、気づいていたんや

鬱先生

最近みんなの尖りが消えていっていることに

鬱先生

…わかってる

鬱先生

それは俺もやって

鬱先生

でも、俺は、許せなかった

鬱先生

みんなには、個性を大事に、尖ったままでいてほしかったのに…

鬱先生

尖っているみんなを見ている

鬱先生

俺は、それだけでよかったんや

鬱先生

なのに、それすらも許されないのなら…

鬱先生

俺が、みんなの尖りを守らんとあかん

鬱先生

そう思ったんや

コネシマピー君

…

鬱先生

それで、色々と調べていくうちに、この世界には”邪神ツァンカ”という存在がいると知ったんや

鬱先生

どうやらツァンカには、喰った人間の人格を自分に反映させる能力があるみたいでな

鬱先生

その能力を使えば、みんなの尖りを守れるかもしれない…

鬱先生

俺は、そう思ったんや

鬱先生

それで、俺は邪神ツァンカを召喚して契約をした

鬱先生

みんなを守るために…

鬱先生

本当は、自分から一人一人の家をまわっていくつもりやったけど…

鬱先生

なんかみんなうちに来てくれたからなぁ

鬱先生

みんなには申し訳なかったけど、まとめて喰わせてもらった

コネシマピー君

…そう…か

鬱先生

コネシマ…？

コネシマピー君

俺もそろそろ、限界みたいや…

コネシマピー君

でも、俺は…

コネシマピー君

話を聞けたからな…

コネシマピー君

満足…や…で…

鬱先生

シッマァ！

ﾄﾞｻﾘｯ

（コネシマピー君が崩れ落ちる）

鬱先生

おい、しっかりしろ！

ピー君

…ﾋﾟ

ピー君

ﾋﾟｨ…

鬱先生

あ…

鬱先生

ピー君…

ピー君

ﾋﾟｨ！

ピー君

ﾋﾟｨﾋﾟｨ！

鬱先生

…そうやなぁ

鬱先生

そろそろ、飯の時間やな

鬱先生

いくぞ

ｶﾞﾁｬｯ

ｶﾁｬｶﾁｬｯ

ｶﾞﾁｬｯ

ﾎﾞﾄﾎﾞﾄﾎﾞﾄｯ

ﾊﾞﾀﾝ

（皿の上にモツを盛る）

鬱先生

よ〜し

鬱先生

できたでピー君！

ピー君

ﾋﾟｨﾋﾟｨ？

ｶﾀﾝ

鬱先生

今日もピー君の大好きなモツやで〜

ピー君…？

…ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ

鬱先生

ピー君？

ピー君…？

モツばっかじゃつまらないんだが？

ピー君…？

こうなってしまったのは、しょうがないけどさ…

ピー君…？

俺、もっとうまいもん食いたいよ…

鬱先生

…ﾌﾊｯ

鬱先生

相変わらずやなぁ

鬱先生

”トンチ”

トントンピー君

当たり前やん！

トントンピー君

俺は、いつまでも俺やねんから

鬱先生

…そっかぁ

トントンピー君

…自由に、慣れないのは知ってるよ

トントンピー君

でもな、俺は…

トントンピー君

食事ぐらい、自由にしたいよ

トントンピー君

唯一の、楽しみなんだから

トントンピー君

…ﾓｸﾞﾓｸﾞﾏｸﾏｸﾓｷｭﾓｷｭﾝｸｯ

トントンピー君

…まぁモツもうまいし良いねんけどなw

鬱先生

…トンチ、安心してくれ

トントンピー君

何がや？

鬱先生

近々…

「めちゃんこ美味しいもん、食わせたるからな。」

トントンピー君

…？

トントンピー君

おん、ありがとさん

鬱先生

…

ﾄｸﾄｸﾄｸ

（水飲み皿にお酒を入れる）

鬱先生

ん

鬱先生

これもやるわ

鬱先生

トンチ酒好きやろ？

トントンピー君

…あ、あぁ…

トントンピー君

ありがと…さん…

トントンピー君

ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬﾝｸｯﾝｸｯ

鬱先生

トンチ？

鬱先生

まさか…

トントンピー君

…あぁ

トントンピー君

俺も…もうじき…

トントンピー君

帰らんと…な…

鬱先生

…そっか

鬱先生

みんなまた戻って来んのかなぁ

トントンピー君

…すまん…な

トントンピー君

…みんな…一日に…一回ぐらいしか…人格出せへんから…

トントンピー君

今日は…もう…

鬱先生

そんな…

鬱先生

…ありがとう

鬱先生

ありがとな、トンチ

トントンピー君

…お…ん…

ﾍﾞｼｬｯ

（キッチンの床に崩れ落ちる）

鬱先生

…ピー君

ピー君

…ﾋﾟｨ

鬱先生

…まだ、喰える？

ピー君

ﾋﾟｨｯ！

鬱先生

…そっか

鬱先生

じゃあ、まだ頑張ろうな

鬱先生

…今日は少なくとも、みんな邪魔してこおへんから…

鬱先生

…俺の計画は、まだ終わっとらん

鬱先生

…みんなや

鬱先生

「主役は我々だ！」のメンバー”全員”を喰らわんとあかん

鬱先生

…これで、ようやく終われる

鬱先生

みんなを、永久保存して、俺は、ようやく幸せになれる

鬱先生

…大丈夫

鬱先生

動画はたっぷり撮り溜めしてるのを使う

鬱先生

一人実況もありやなぁ…

鬱先生

ブロマガは…

鬱先生

わんちゃんみんな書けるかもな

鬱先生

…編集も、何もかも、みんながやってたことは全部俺がやるよ

鬱先生

みんなを守るためや

鬱先生

こんくらい、楽勝よ！

鬱先生

…みんなのそばにいれるなら、俺は幸せやねん

鬱先生

だから、俺は今人生で一番幸せや

鬱先生

…幸せ…やのに…

鬱先生

本当に…そう思ってるのに…っ

鬱先生

どうしてこんなに苦しいんや…

鬱先生

みんながそばにいなかった頃よりも、孤独なんや…

鬱先生

…みんなぁ

鬱先生

…どうして…っ

鬱先生

こんなにっ、涙が…

鬱先生

溢れてくるんや…

鬱先生

あ、あぁ…

鬱先生

あぁぁぁぁぁっぁぁぁああぁあっ！

鬱先生

ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

鬱先生

ざみじい…

鬱先生

ｸﾞｽｯ

鬱先生

ざみじいよ…みんなぁ…

鬱先生

ｳﾜｱｱｱｱｧｧﾝ

ピー君

ﾋﾟｨ…

ﾓﾌｯ

（涙を毛皮で拭ってくれた）

鬱先生

ﾋｸﾞｯﾋｸﾞｯﾋｸﾞｯ…

鬱先生

…ごめんなぁ、みんな

鬱先生

後悔するぐらいなら、最初っから…

鬱先生

好きにならんかったらよかった

鬱先生

求めんかったらよかったのに…

鬱先生

…でも、もう戻れないんや

鬱先生

俺は、俺のやるべきことをする

ピー君

ﾋﾟｨ… ﾋﾟｨ…

鬱先生

そんな心配せんといて

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

鬱先生

…ほら、来たよ、ピー君

ﾀｯﾀｯﾀｯ

鬱先生

はーい

ｶﾞﾁｬｯ

ショッピ

うーつせーんせ！

チーノ

どうしたんすか？

チーノ

急に軍団で集まろうってw

鬱先生

…ちょっとな

ショッピ

なんか疲れてません？

ショッピ

目も赤いし…

ショッピ

相談なら、乗りますよ

鬱先生

…ううん

鬱先生

もういいんや

鬱先生

全部、俺の手で終わらせなあかんから

ショッピ

…ふーん？

チーノ

まぁよくわかんないすけど…

鬱先生

いいよ、大丈夫

鬱先生

さぁ、入って入って

「「はーい！」」

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