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お巡りさんは私を見つめて、 ああ。と、呟いた。

すぐそこにもう1人居るから。

香織

え..?

見えるか?向こうだ。

言われた方を見ると、 もう一人男の人が立っているのが見えた。

彼と一緒に帰りなさい。

香織

えっと...

早く。

香織

あの、一人で行くんですか?

・・・あの距離を着いて来てくれ、と?

香織

違っ、私じゃなくて、貴方です!

香織

一人でこの中へ?

何か問題が?

香織

え...怖くないのかな、と、、

・・・

お巡りさんは ふう、と溜息をついて 私の鼻の先に人差し指を持ってきた。

立ち入り禁止の場所に入った事を許して欲しければ、さっさと帰りなさい。

早く。

香織

う、、

香織

で、でもお巡りさんが心配で...

・・・

文字通りの呆れた顔。

お巡りさんは、もう1人のお巡りさんを手招きして、私を指さした。

頼む。

お巡りさん

はい。

お巡りさん

さ、行こうねお嬢ちゃん。

香織

あ、あの、、

お巡りさんは、本当に一人で入っていった。 あの真っ暗闇へ。 懐中電灯たったひとつで。 こんな真夜中に。

香織

あの、ここで大丈夫です

お巡りさん

はい。気をつけてね。
もうあの場所には近付かないように。

お巡りさん

他の2人にもしっかり言っておいて。

香織

はい、すみませんでした。

香織

・・・あの、

お巡りさん

うん?

香織

さっきの人、本当に大丈夫ですか?

お巡りさん

お嬢ちゃんが心配するようなことじゃないから、早く帰りなさい。

香織

(お嬢ちゃん呼びが気になる・・・)

香織

あの、これ、

丁度ポケットに入っていた というより何かあった時のために いつも持ち歩いている 小型のメモ帳とペンを取り出した。

お巡りさん

香織

私の電話番号です!さっきのお巡りさんに渡して下さい!

お巡りさん

君ねえ・・・

香織

おふざけとか、出会い目的とかそういうのじゃないです!!

香織

きちんとお礼を言いたいので!

香織

もし、要らないと言われたら捨ててもらって大丈夫です!渡すだけ渡して下さい、おねがいします。

お巡りさん

・・・きっと捨てられると思うけどねえ

香織

!!ありがとうございます!!

何はともあれ、受け取って貰えた。 何度も頭を下げて、お巡りさんと別れた。

お巡りさん

(にしてもイケメンは、年齢問わずモテるんだな)

幽霊はきっと先生が嫌い。

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