卯木家
自宅の前に立つ莉子
卯木莉子
卯木莉子
言ったように
警官が居る・・・)
警官
莉子の視線の先には 張り込みをしている警官の姿があった
卯木莉子
言われた通りにしなきゃ)
卯木莉子
警官
警官
卯木莉子
卯木莉子
者なんですけど
警官
警官
警官
卯木莉子
警官
警官
いらっしゃるんですよね?
卯木莉子
卯木莉子
取りに来て・・
警官
卯木莉子
警官
警官
仕事に行かれましたので
警官
卯木莉子
卯木莉子
警官
ご安心ください
卯木莉子
ございます
卯木莉子
お願いします
莉子は警官にお辞儀をすると 鍵を開けて家の中に入る
卯木千寿
それを物陰が ひっそりと見つめる千寿
次の瞬間
警官
千寿は警官の背後から近づき
アセトンを滲ませた布を 警官の口元に当てる
警官
警官はめまいを起こし その場に卒倒する
卯木千寿
寝ててもらうわよ?
千寿はそう言うと 莉子の後を追って家の中に入る
警官
警官は薄れゆく意識で 千寿の後を追おうとするが 足元がおぼつかず、倒れ込む
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
莉子は千寿に 言われるがまま正座する
卯木千寿
罰を与えなきゃね?
卯木莉子
莉子はうつみいたまま 口を開かない
卯木千寿
してもらおうかしら?
卯木千寿
卯木千寿
お母さんの事を
裏切って
卯木千寿
卯木莉子
泊まり込みの仕事を
始めた時期から
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
随分と好き勝手
やってたのね?
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
離れる計画でも
企んでたんでしょ?
卯木莉子
卯木千寿
千寿は莉子にグラスを投げつける
卯木莉子
そのグラスは莉子の額に直撃し そこから血が溢れ出る
卯木千寿
アイツの汚れた
血が流れてるのね
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
行ったからって
卯木莉子
裏切った事になるの?
卯木千寿
卯木莉子
おかしいって言ってるの!
卯木千寿
卯木莉子
卯木莉子
卯木莉子
外食禁止にして
縛り付ける理由って何?
卯木千寿
卯木莉子
なんて詭弁言わないでよ?
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
なりたくない
卯木莉子
卯木莉子
卯木莉子
縛り付けるんでしょ?
卯木千寿
卯木莉子
お父さんの不倫相手は
卯木莉子
レストランの店員だった
卯木千寿
卯木莉子
外食に行くイコール
卯木莉子
離れて行くって
卯木莉子
なってるんでしょ?
卯木莉子
卯木莉子
縛り付けるんでしょ?
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
千寿は腹を抱えて高笑いする
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
感じる事が出来るの
卯木莉子
千寿の言葉を聞いた莉子は 目を見開く
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
愛してるのよ
卯木莉子
卯木千寿
お父さんとの間に
生まれた子供
卯木千寿
愛の結晶なのよ
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
常に感じながら
生きていける
卯木千寿
側に置いておきたかった
卯木莉子
卯木莉子
道具じゃない!!
卯木千寿
産むつもりなんて
さらさら無かったのよ
卯木千寿
子供が欲しいって言うから
仕方なく産んだのよ
卯木莉子
卯木千寿
産むんじゃなかったわ
卯木千寿
しまったがために
卯木千寿
娘第一に変わってしまった
卯木莉子
卯木千寿
理由作って
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
って言ってるの!
莉子は涙ながらに 母に訴えかける
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
って言ってるの!
卯木千寿
卯木莉子
はなっから
要らなかったの?
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
痛めて産んだ
我が子だもん
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
私の本心よ?
卯木莉子
実の娘を前にして
卯木莉子
眉ひとつ動かさずに
平然と言えるの?
卯木千寿
卯木莉子
だったって事なんだね
卯木莉子
変わってくれる
卯木莉子
卯木莉子
卯木莉子
言う通りに生きてきた
卯木千寿
卯木莉子
変わんなかった!
卯木千寿
卯木莉子
くれなかった!
卯木千寿
卯木莉子
私の事なんか見てなかった
卯木莉子
卯木千寿
言ってんのよ!
千寿は包丁を手にして 莉子に突きつける
卯木莉子
卯木千寿
言わないで!
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
お父さんは許せない
卯木莉子
卯木莉子
気持ちが分かる
卯木千寿
卯木莉子
卯木莉子
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
相手も見てよ!!
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
知ったくらいで
卯木千寿
言ってんじゃないわよ
卯木莉子
音弥くんか初めて
付き合った彼氏だよ
卯木莉子
私を愛してくれてる
卯木莉子
全部を受け入れてくれた
卯木莉子
違って!!
卯木千寿
卯木莉子
の事を愛してるの!
卯木千寿
卯木千寿
千寿は気が抜けたように 包丁を手から落とす
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
先ほどまで怒りに満ち満ちた 表情だったのにも関わらず
何かに解放されたような 清々しい表情をしている千寿に 莉子は首をかしげる
卯木千寿
どうでもよくなっちゃった
卯木莉子
卯木千寿
かもしれないわね
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木莉子
卯木莉子
言ってるの?
卯木千寿
卯木千寿
卯木千寿
戻ってこないだろうし
卯木千寿
卯木千寿
親子関係を続けるなんて
無理な話でしょ?
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
すぐ解放されるからね?
卯木莉子
卯木莉子
莉子は藁にもすがる思いで スマホを取り出して 音弥に電話をかける
プルルルルル
多良木音弥
多良木音弥
音弥はスマホの ディスプレイを確認する
多良木音弥
何かあったのかな?
多良木音弥
多良木音弥
卯木莉子
卯木莉子
そこで通話は途切れた
多良木音弥
多良木音弥
多良木音弥
多良木音弥
多良木音弥
多良木音弥
音弥は血相を変えて 家から飛び出す
音弥は卯木家までの道のりを走る
多良木音弥
多良木音弥
接触してきだんだ!)
多良木音弥
無理矢理にでも)
多良木音弥
休ませるべきだった)
多良木音弥
多良木音弥
莉子さん!)
多良木音弥
多良木音弥
卯木千寿
なんてさせないわよ
卯木莉子
卯木千寿
楽になるんだから
卯木千寿
必要なんてないでしょ?
卯木莉子
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
卯木莉子
卯木千寿
卯木莉子
卯木莉子
卯木千寿
卯木千寿
泣き落とせば
卯木千寿
思ってるんでしょ!?
卯木千寿
卯木莉子
くれないの!
卯木莉子
莉子の言葉を遮るように
莉子さん!!
莉子さん!!
居るんでしょ!?
莉子さん!!
音弥の声が響き渡る