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海にのって!

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海にのって!

6 - 僕の可愛いお姫様。

♥

232

2023年06月18日

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あの日から、数日たったある日。

りうら

ねぇー、ないちゃん
もっかい作ってよぉ〜

僕は人間になれる薬を作るように 親友に頼んでいた

ないこ

だーめ!

りうら

んむっ

親友…ないこは人差し指を突き出し 俺の唇に当てた

りうら

なんでよ!いーじゃん!
陸を歩かないと会えない
んだもん!!

そう、ここ数日ユウスケと話すことは おろか、 会うことさえできていなかったのだ

ないこ

だからダメだってば

ないこ

副作用があるって話、
忘れたわけじゃないでしょ?

りうら

それは、…そうだけど

僕はないこから目を逸らした わかってはいるのだ。 それでも、僕は…

ないこ

……念の為、
もう一度言うけど。

そうしてないこは口を開いた。 一度聞いた、副作用の話をするために

ないこ

使い続けることで、
徐々に人魚としての形は
失われていく

ないこ

一回使って、人魚に
戻る時、酷い乾きを
感じただろう?

りうら

うん…

ないこ

それが、いわゆる前兆。

ゆっくりとはっきりといつもより 低い声でないこは話を続けた

ないこ

人魚じゃなく、知性の低い
魚となるか、

ないこ

想い人と結ばれて
ハッピーエンドか、

ないこ

使い続けた者には、
その二択しか残されていない

ないこ

そして、大半は…

りうら

知ってるよ

残酷な事実のみを伝えられては 僕の心が先に折れてしまいそうになる だから、続きは塞ぐことにした

りうら

知ってるから、
だから、言わなくて良いよ

ないこ

だったらもうそんな
バカな真似は……!!

りうら

それでも

心配してくれる親友を前に、 それでも変わらない心は突き動く。

りうら

それでも僕は、
ユウスケが大好きだから

ないこ

……ッ

ないこの表情が歪んだ。 申し訳ないとは思うが、仕方ないのだ

ないこ

なんで、そこまで
アイツのことを…!

ないこ

2日間だけの
付き合いだろ!?

ないこ

なんでお前が命張って
アイツなんかに
アピールするんだ!

中々に痛いところをついてくるなと 思いながら、それでも、と 僕はまた言葉を紡いだ

りうら

さっき言ったでしょ、
好きなの。

ないこ

だからなんで…!

りうら

一目惚れだったんだぁ

初めて目にした時の光景はいまだに 脳裏に焼き付いて離れない

りうら

あの人以上に、
僕の心を焼き付ける
ことは誰にだって…

そう、家族や親友でさえ、 宝石のようだとと称される女の人魚 でさえも

りうら

できやしないよ

ないこ

……はぁ

ため息を一つ吐いている。 きっと家族とかに説明するのは 彼の役目なのだろうと思う

ないこ

わかってたけど、
りうらってやっぱり
頑固だよね

りうら

えへへ、
これが僕だからね

お得意の笑顔で僕は変わらないことを 示した

ないこ

……いーよ
作ってあげる。

りうら

え、本当!?やっt

ないこ

ただし!!

僕の歓声を遮って声を上げたないこに 耳を傾け…なくても聞こえる。

ないこ

3回分しか作らないし
それ以上は許さない!!

ないこ

わかったいいね!?

りうら

うっ…はぁい……

まるで母親のように心配の怒声を あげられ、すっかり僕は萎縮して、 情けない声をだした。

りうら

それじゃ、頼んだよ!

ないこ

あ、ちょっおい!

ある程度距離をとったところで 僕は声を上げてどこに行くつもりか 叫んだ

りうら

できるまで、ユウスケ
探してくる!!

ないこ

ふざけんなぁー!!!

近くで聞けば確実に鼓膜はやられてた であろう声の大きさに、離れて正解だ と思った僕なのであった…

ないこ

じゃ、ねぇぇわ!!!!

りうら

ユゥースケェー!!

僕らは別に、約束した場所が あるわけではない。 だから彼の名前を叫んで呼んでみる

りうら

もー、折角僕が
遊びに来たっていうのに!

りうら

いるなら返事しろや〜!!

半分おふざけの大声でユウスケを 求めた。そうすると意外なことに

悠佑

…りうら、?

小さな声で返事が返ってきた

りうら

ユウスケ!やっと会えた!

先ほどまで少しナイーブな気分に なっていたのが嘘かのように 今日の空のように晴れ渡っていく

悠佑

りうら、りうらっ!

僕を見つけたことを理解したのか 僕の名前を何度も呼んでこちらへ 走り出してきた。

りうら

ああ、待って!
ここまで浸かったら
また風邪ひくでしょ?

悠佑

っぁ、ご、ごめん…

今この時、足さえあればユウスケを 抱きしめにいけたのにと、 ユウスケの泣き出しそうな顔を見て 後悔した。

りうら

ユウスケ、いいよ

尾鰭が少し海水につくくらいの 浅い場所へと移動した。

悠佑

りうらぁっ…!

いいよ、と言ったのと同時くらいに 僕の胸の中へと飛び込んできた

りうら

……

ユウスケを泣かせたのは誰だ

りうら

…はぁ

真っ先にそんなドス黒い感情が 出てくるがまずはユウスケから 状況を聞くのが先決だと、心を 落ち着かせた

りうら

それで、どうしたの?

悠佑

……、

ユウスケは無言を貫いた。

りうら

僕に、言いたくない
内容なの?

悠佑

…そ、れは……

言葉に詰まっている。 きっと、図星なのだろう。

りうら

…いいよ、今は。

りうら

安心するならいいよ。

悠佑

りうら……

抱き合っているせいか、距離が 近くて、ユウスケが困ってるのに 僕は顔に熱が集まってきそうだった

りうら

いつか、言えるって、
そう思った時に言ってよ

りうら

必ず助けになるから

りうら

僕がユウスケを守るから

優しく、ユウスケの輝く髪を 撫でた。

悠佑

……ッ、
あ、りがとう"、っ

鼻声になりながら、お礼を言う ユウスケに僕は誓った

りうら

ユウスケ泣かせた奴ぶっ殺す

りうら

と。

あれから、少し時間が経ち

悠佑

ごめん、りうら

落ち着いた様子のユウスケは 僕の胸を離れていった

りうら

えー、もういいの?
もっと抱き合ってたいのに!

悠佑

あ、アホなこと言うなや!

悠佑

もう大丈夫やから!
ええんよ!!

頬を赤らめて必死に僕のいった事に 反応するユウスケはやっぱり可愛い

りうら

んーそう?じゃあまた

りうら

大丈夫

りうら

って思えなくなったらさ

りうら

僕の胸に飛び込んできなよ

りうら

僕が守ってあげるから!

浜辺に膝をついて、笑いながら 僕はユウスケに言った

悠佑

ぁ…、

悠佑

……お、ぅ…

ユウスケは一瞬戸惑って、 小さく、頷いた。

りうら

ふふ、今日も大好きだよ

ユウスケ!

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コメント

6

ユーザー

好き(語彙力皆無)

ユーザー

赤くん...、オブラートにオブラートに、 黒くんは何を隠しているのだろうか...、 真相は闇の中、

ユーザー

いいお話( ´ ᵕ ` )

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