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自己紹介
日比野 蒼空 漆黒の髪と、空のような水色に輝く綺麗な瞳の美少女。高校1年生。いじめられっ子。自殺しようとしたところ、日向にあった。弓道部。 呼び名 蒼空・蒼空ちゃん・日比野・貞子(日向に会うまで)
天野 日向 ツヤツヤの金髪に、好奇心旺盛でキラッキラ輝くオレンジの瞳の美少年。高校1年生。完全なる陽キャ。ものすごく自殺しようとした蒼空に出会った。サッカー部。 呼び名 日向・ひなくん・天野くん・ひな
齋藤 東 明るい茶髪に、自信にありふれた黄色い瞳の美少年。高校1年生。いじめっ子の主犯。大人気の日向の親友として周りを脅し、自分が気に入らないやつの友達をかっさらってる、完全悪役キャラ。腹黒。サッカー部。 呼び名 あずー・あずさん・あずくん・齋藤くん・東
日比谷 梨佳 ふわふわの茶髪に、淡く可愛いピンク色の瞳をした美少女。高校1年生。蒼空と友達になりたい。可愛い癒し系女子。華望愛と意気投合した。弓道部。 呼び名 りー・りっか・りっか様・梨佳さん・日比谷
東雲 華望愛 高めに結んだ漆黒色のポニテに、気が強そうな黄色の瞳の美少女。高校1年生。蒼空と違う高校へ言ってしまった、蒼空の親友。実は少女漫画ファン。日向と蒼空をイチャイチャさせたい。スポーツ万能の、スポーツ部の代理に引っ張りだこ。 呼び名 かの・のあ・華望愛パイセン・かの様・東雲・華望愛様
𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡
1.「君」との出会い(視点 蒼空)
、、、もう、死にたいよ
いじめは辛い。痛い。怖い。
私をいじめるいじめっ子が憎い。
バケツに入った氷水に濡れて寒い。
屋上の日は暑い。
ライターの火は熱い。
閉じ込められた教室は暗い。
誰かを虐めないと自分の存在意義が分からないあいつらは醜い。
陽キャ達の私を弄ぶような声が煩い。
人は簡単に死ねるほど脆い。
何もしていない私を虐めるのは酷い。
無理矢理食べさせられたゴーヤは苦い。
あいつらと会わない日の時間は短い。
あいつらに虐められてる時間は長い。
私を殴るあいつらが嫌い。
この世界に、私が生きる意味って、なに?
蒼空
何がしたくて、何のために生きて。
何のために息をして、何のために苦しんでまで生きなきゃいけないの?
それすらも分からない。
熱風が私の頬を伝う。
ジリジリと、私を責めるように、太陽が全身を照りつけてくる。
この屋上から飛び降りれば、死ねる。
私はフェンスに近寄り、手をかけた。
とても熱かった。でも、今はそんなこと言ってられない。
足もかけようとした。その時。
ギーッ
錆びた屋上のドアが開く音がした。
反射的に後ろを向く。でも、フェンスを掴んだ手は離さない。
なんで?
ここの学校の屋上は、みんなは入れないと思っている。
本当はいとも簡単に入れてしまうのだけれど。
日向
日向
日向
日向
『君』が言った。
蒼空
日向
蒼空
『君』の名前が知りたかった。何でだろうね。
日向
『君』はそう言って私に笑いかけた。
もう、『君』っていう言い方じゃないか。
日向。
なんだか、私の特別な人のように感じた。
でも、私は今から死ぬんだ。
日向にどんな重いを抱こうと、関係ない。
日向
人懐っこく日向が話しかけてくる。
蒼空
なぜか、日向になら言っていいかもと思ってしまった。
言ってしまった。
止められる。
嫌だ。誰も止めないで。
日向
日向
日向はすぐに止めようとする様子もなく、ただ問いかけてきた。
、、、なんで?こっちが聞きたいぐらいだ。
蒼空
無愛想な私に愛想をつかしたのだろうか。
急に日向は黙ってしまった。
もう、飛び降りてしまおうか。
そう思った時。日向の唇が微かに動いた気がした。
蒼空
ここまで来たら、気になるでしょ、普通。
日向
日向
蒼空
嫌だよ日向。信じたくない。日向の親友が、あいつだなんて、、、っ!
、、、でも、超陽キャの友達は超陽キャか。
日向
日向
蒼空
やっぱり、か、、、。
私はフェンスを掴んでいた手を離した。
そして空を仰ぐように見上げる。
齋藤東。そいつは、私をいじめるいじめっ子たちの主犯。最大の天敵だ。
でもさ。
それを言ったら、日向が悲しむかもしれない。そんなことは、嫌だ。
齋藤東は、陽キャ中の陽キャだ。
いつもクラスの中心にいる。
、、、やっぱ陽キャって親友同士にも明かさないことあるんだな。陽キャ怖、、、。
ギーッ
東
東
日向
東
東
東
東
日向
東
東
悔しげに東は言葉をボソボソッと発する。
が、すぐに切りかえてきた。
つまんないなぁ、、、。
日向に聞こえてたら良かったのに〜。
東
日向
、、、来てしまった。
東の目は、『俺と日向の時間、邪魔すんなよ。』と言っているかのようにこちらを睨んでくる。
いや怖。
身震いがした。
もういっそ飛び降りた方がいいのか?
東
東
蒼空
東
私にだけ聞こえる声で、東が言った。
、、、もういや。
このせいで、いじめ、酷くなっちゃう。
早く。早く死にたい。早く死ななきゃ。
蒼空
東
日向
東
東
日向
日向
東
日向
ギーッ
重々しい音を立てながら、屋上のドアが閉まった。
東が階段を駆け降りる音がする。
、、、多分、日向は気づいてるんだろうな。
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