数日後の朝
左手
その日は朝からどしゃ降りで
雷が大きな音を出しながら光っていた
左手
瑠衣
左手
なんだか
今日はいつもと違うな
違和感を感じる
そう思って数時間後
左手
左手
左手
左手
瑠衣
突然
心臓から激しい痛みがした
左手
左手
左手
左手
瑠衣
すぐに俺の体にはたくさんの管が繋がれて
吸引器があてられた
左手
左手
瑠衣
ああ、死ぬのかな
俺は、このまま
せめて
兄貴と千卜には会いたいなぁ…
看護師
看護師
医者や看護師の声が聞こえる…
看護師
医師
看護師
…え?
右手
今すぐ左手のもとへ行きたいのに…!
千卜
千卜
右手
右手
千卜
右手
右手
千卜
右手
千卜
ここから病院まではタクシーでも30〜40分はかかる。
徒歩だったらかなりの時間はあるだろう
それでも、かまわない
だって左手は、私のたった一人の肉親で、弟だから
右手
外にでると、予想以上の雨だった。
大雨というより、台風…台風も超えていそうな雨と風
雨粒が当たっただけでも痛い
右手
右手
千卜
千卜
千卜
交通機関も止まってるって…
これないじゃん
最後に2人に会えないなんて…
左手
絶対2人に会うんだ
そう誓い、覚悟を決める
左手
瑠衣
次の瞬間
体中に繋がっていた管や吸引器をはずし
ベッドから飛び出して
病室を出た
瑠衣
医師
左手
左手
左手
こんな大雨見たことない…
左手
右手
もうどれくらい走ったんだろう
中々病院にたどり着けない
千卜
私も千卜もとっくに体力の限界を迎えていた
右手
左手
左手
意識が朦朧(もうろう)としてきた…
左手
左手
まだ…まだだ…
絶対…諦めない…
そして、大きな橋にたどり着いたとき…
左手
左手
ボロボロになった体で顔を上げると…
右手
千卜
そこには
兄貴と
千卜がいた
左手
右手
右手
右手
千卜
右手
右手
兄貴は
もぅ死にかけの俺を優しく抱きしめてくれた
右手
左手の体は雨に濡れて冷たくなり
息も絶えだえだった
左手
左手
左手
千卜
左手
左手
左手
左手
右手
千卜
左手
左手
左手
千卜
千卜
左手
左手
左手
左手
左手
左手
左手
左手
右手
右手
千卜
左手
左手
右手
千卜
大好き
その言葉を最後に
左手は事切れた
濡れて冷たかった体はさらに冷たくなり
真っ白な肌は左手が死んだことをありありと示していた
コメント
3件
うわ〜ん(・_・;)まじでこれ泣けました〜;)うわ〜ん
切ない…でも、3人の、 『仲間に会いたい』って気持ちが めっちゃ伝わってきました、!
コメント失礼します❗ 感動しました‼️ 素敵な話ですね!