テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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王子様の登校日

第25話 - #25 音楽室

100

2023年06月05日

#コメディ

#バトル

#ドラマ

#一次創作

きなこ/榎本くもり@不定期更新

ガララっ…

アーロン

おはようございます

ミラコ教師

ああ、アーロン君やっと来たね

ミラコ教師

タクシー渋滞してた？

アーロン

いや…そんなんじゃないですけど

アーロン

あれ、グリナとセイラは…？

ミラコ教師

そう、
2人は音楽室で待ってるんだ

ミラコ教師

アーロン君も音楽の授業ろくにしてないでしょ〜？

ミラコ教師

だから
生徒がいない今のうちに

ミラコ教師

音楽室を利用したくってさ…！

アーロン

生徒が、、いない、ねぇ……

信用できない言葉だ…

#25 音楽室

グリナ

あっ、アーロン君おはよう！！

セイラ

全く10分の遅刻ですわよ

ジュール

やあやあアーロン君

アーロン

じゅ、ジュール！？
他のみんなが居るのは知っていたが…

ジュール

なんか授業面倒くさくてさ〜
1時間くらい君の前に寄り道してみようかなって

アーロン

そんな軽くいいのかよ……

ミラコ教師

あはは…全然ダメではあるけど…

ミラコ教師

まぁとりあえず、みんな集まったことだし

ミラコ教師

音楽の授業始めちゃおうか！

ミラコ教師

まず、メトロノームを使いたいんだけど……

アーロン

メトロノーム？

セイラ

音楽の速度を測る機械ですわ

グリナ

ああ、メトロノームなら音楽準備室にかったはずです！

グリナ

沢山並んでたから手に持とうとしたけど

グリナ

棚の1番上にあって届かなかったんだ…！

アーロン

1番上……
それなら俺が取りに行こうか？

ミラコ教師

確かに、アーロン君身長高いもんね

ミラコ教師

それじゃあお願いしようかな！

アーロン

分かりましたっ

そうしてアーロンは音楽準備室に向かった

数分後

アーロン

メトロノーム、ありましたよ〜

アーロン君来ないで！！！！！

アーロン

な…！？

〜音楽準備室〜

※グリナによる渾身の表現②

グリナ

アーロン君がメトロノームを取りに行ってる間

グリナ

知らない女の子3人がここに入ってきてしまったの…！

アーロン

なに！？

ミラコ教師

私たちも何とかバレていないけど

ミラコ教師

これからどうすればいいのか…

ジュール

困ったもんだね〜

セイラ

……

アーロン

いや

アーロン

みんなは先に行ってていいぞ

！？

ミラコ教師

え…どうして？
みんなで考えた方が上手くいかない？

アーロン

いや、逆ですよ先生

アーロン

人数が多いほど見つかるリスクは高くなる

アーロン

だから俺1人で考えるのが1番楽なんです

セイラ

ベテランならではの発言に涙が止まりませんわ

ミラコ教師

……それは確かに最もだね

ミラコ教師

よし、私たちは先にここから出よう

ミラコ教師

あの女の子達にバレて問題になることは無いし、
彼女らが何者なのかも探れるからね

グリナ

確かに…！
それじゃあアーロン君気をつけて！

アーロン

嗚呼

そうして音楽準備室は1人になる

アーロン

よし……これで自由に動けるな

アーロン

（まずはまた状況を整理してみよう）

アーロン

(…人がいる空間を通り抜ける攻略)

アーロン

(前にも見たことがあると思えば)

中央校門の時もそうだったな

アーロン

（中央校門よりも簡単になったことは）

アーロン

（前より圧倒的に人数が少なくなったこと）

アーロン

（そして先生という立場がいなくなったこと）

アーロン

（だけど…
中央校門よりも厄介になったことは）

「銅像」

隠れる場所が無くなった

アーロン

…っ (これはかなりの痛手)

隠れる場所が無くなった上でこの距離感

ピアノ10個ほど詰め込められるような距離をバレずに突っ切ることはほぼ不可能

アーロン

(どうにかして回避はしてみせるけど)

アーロン

(一体)

アーロン

(どうすれば……)

ん？隠れる場所が無くなる？

それならこの前の栽培授業でもやった

隠れる場所が消えるなら

相手が認識できないようにすればいい

アーロン

音だ！！！

壁から聞いてみればあの女子3人組は地域の中学生

近々演奏発表会があり不安になってこの学校の音楽室を貸し切り

練習をさせてもらっているらしい

🏫🎶🏫🎶🏫🎶🏫🎶

アーロン

……（音楽がなり始めた！！）

俺の作戦はこうだ

音で存在掻き消そう大作戦

彼女たちが1人だったらソイツの背後を追えばいいだけだが

今回は1人じゃない 3人もいる

だからこそ演奏がはじまり大音量の空間の中を突っ切ることこそが

1番の作戦、ともいえる……

アーロン

(が)

少女

あの……何をしているんですか？

少女

あなたサファイア王国のアーロン様じゃ、、

あああああああああ

アーロン

(だよね……！！！！)

アーロン

(いや、だよね…！)

アーロン

(俺も正直今回ばかりは無理があると思ったしやっぱ隠れ場所がないとって思ったけど…！！！)

アーロン

(でもぉ！！！！いや…だよね！！！！)

アーロン

ごめんなさい！！！！

アーロン

どうか逮捕だけは勘弁を…！！！！

少女

え、逮捕！？

…！？

少女

いや……そんな事私たちしませんよ

少女

寧ろこんなうるさい空間に居座らせてしまったことが申し訳なくて

少女

謝るのは私たちなんですけど……

アーロン

え……

アーロン

ー聞いた話によれば

アーロン

あの子達はルビーでもサファイアの国民でも無いらしいんだ

グリナ

それは教えてくれなかった…！
じゃあ一体何の国なの！？

セイラ

恐らく

「エメラルド王国」

セイラ

でしょうね

セイラ

2つの国の隣に立つ国で…
私たちの歪んだ関係についてはきっと何も知らないと思います

セイラ

今、流行ってるんですよ
エメラルド王国でちょっとした病が

セイラ

だからこちらに避難してくる方も多いんだとか

アーロン

そう……
まさに一文一句そう言っていたな

ジュール

なんだか少しややこしくなってきちゃったね〜

ミラコ教師

…エメラルド王国

ミラコ教師

どっかで聞いたことあるんだけどな、、

ミラコ教師

…あっ！

ミラコ教師

ていうか今日大事な面談があるんだよ！

ミラコ教師

悪いけど今すぐここから出てってくれるかな…！！？！

アーロン

え、あ、突然なんですか…っ！

ミラコ教師

いいからいいから！

ミラコ教師

早くーーーーーっ！！

ガララっ……

そうやってアーロン達はミラコに追い出されてしまった

そうして何とも言えない気持ちのまま

それぞれは家に向かった

ミラコ教師

あは……ごめんごめん
面談遅くなっちゃってさ

？？？

別にそんなの構いませんよ

？？？

俺の愚痴話にも付き合ってくれましたし

ミラコ教師

それにしても……
モヤモヤが消えてよかったな

ミラコ教師

エメラルド王国
どっかで聞いたと思えば

キミの母国だったじゃん

？？？

……

ミラコ教師

流行病は大丈夫なの？

ミラコ教師

マスクとかって周り付けたりしてるの！

？？？

そんなワクワクと俺に聞いてこないでください

？？？

俺はあんな国、
好きでもなければ大好きでもない他人のような存在なんですから

ミラコ教師

……？
ああそう、、

？？？

いいから、早く生徒表を見せてくれませんか

？？？

俺は転入生、未来の大親友なんですよ

？？？

俺って凄く優しいので

？？？

クラスメイトのこと、

じっくり調べたいです

？？？

(はぁ、)

？？？

(愚かで無様なアーロンくん)

？？？

(君は最低な███だというのに)

？？？

(どうしてそんなにも現実逃避をするのかなぁ)

次話 6月13日更新！

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